2023年02月21日

コミュニケーション・ギャップ


「言った」、「聞いてない」は、コミュニケーション・ギャップがあるから


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様々な年齢の社員、多様な雇用形態の社員が存在する職場。
社員の価値観は多様化し、加えてコロナ禍で対面での会話が減少するなど、
職場におけるコミュニケーションに関わる課題はつきません。

例えば「若手社員との会話がかみ合わない」、
「定年前後の高齢者との会話がうまくいかない」、
「話が通じない」、といった声が聞こえてきます。

また、よくあるのが「上司は伝えた」と言うが、部下は「聞いていない」と言う現象。
逆の場合もありますよね。
つまり「言った、言わない」、「聞いていない」。

これらmp弊害が生まれるのはコミュニケーション・ギャップがあるからです。


■ コミュニケーション・ギャップが生まれる仕組み

少し古い資料ですが、
(独)高齢・障害・休職者雇用支援機構発行「エルダー」(2018.9月号)には、
コミュニケーション・ギャップが生まれる仕組みが記載されていました。

・コミュニケーション・ギャップを生まれるわけとは?
例えば終業後の飲み会で、チームメンバーとイタリアンレストランへ行って、
パスタやピザ、そしてビールやワインを楽しんだとする。
翌朝、急用で参加できなかった課長のAさんから、
「昨日はどうだった? 何を食べたの?」と聞かれる。
すると一般的には「イタリアンへ行きました。楽しかったですよ」
とざっくり答えることが多い。

このように、人は体験を言葉にするとき、
体験すべてを言葉にして事細かに説明するのは面倒だと思い、
ざっくり説明しがちである。
その方が、話は端的に伝わりやすくなると考えるからだ。

その結果、体験を言葉にすると「あいまいになる」ともいえる。
食事会の話ならあいまいなままでも問題はないが、
重要な仕事関係の会話では、共通認識が図れず、意思疎通が難しくなる。
これが「コミュニケーション・ギャップ」が生じる仕組みである。

つまり、人が物事を伝えるとき、ざっくりであったり、
あいまいな表現で語りがちになるのである。

さらに世代が異なると、考え方や価値観のギャップが大きくなるため、
個々の発言内容や意味するものが異なってくるので、
メンバー同士の距離がますます生じてしまう。


■ 言葉にできないことを引き出す「質問スキル」

メンバー同士との共通の認識が図れず、
意思疎通が難しいと感じた場合はどうしたらいいか。

相手の言葉に表われていない、端折られた情報を取り戻す必要があります。
その手掛かりとなるのが「質問スキル」です。

たとえば、
「なぜ、そうなるのですか?」
「どうしてその方法がいいのですか?」
「いつからそうなのですか?」などと質問すると、
相手は「それは・・・」と、今まで言葉にしていなかったことを口にしてくれるでしょう。

ときには「いや、それはそういうものだから、やってください」
と言われてしまうこともあるかもしれません。

けれども「納得して仕事をしたいので、ぜひ教えてください」とか
「○○さんに満足してもらいたいので、詳しく教えてもらえますか」と
前向きな理由をつけて質問をします。 

相手の言葉に表れていない情報を共有できれば、
コミュニケーション・ギャップを縮めることができます。


■ シンプル質問スキル

質問の代表格は、「5W1H」ですね。
・When(いつ)
・where(どこで)
・who(だれが)
・What(なにを)
・Why(なぜ・どうして)
・How(どのように)

これを、情報共有のために使うと・・・
「いつからそうしているのですか?」
「いつからそうなっているのですか?」
「どこでそうした作業が行われているのですか?」
「だれから聞いたのですか?」「だれがやっているのですか?」
「なにが足りないのでしょう?」「なにが必要なのですか?」
「なぜ、そうしたのですか?」
「どのような経験からそうできるのでしょう?」

このような質問をすることにより、
相手の考えや行動の背景にある「省略された情報」を取り戻すことができます。


■ 質問するときの注意点

質問は効果的ですが、注意も必要です。
質問、つまり詰問調になって相手を問い詰めないことです。
たとえば、
「なぜ、あなたはいつもそうなの?」
「どうして?」
「なんで?」
など、問い詰める質問をすると、相手はうんざりしたり、
否定されたと思ったりして心を閉ざしてしまうでしょう。

大切なのは、
「言葉になっていない情報を引き出し、相手がそういった言動をする背景を知ること」
なのです。


★ 情報が共有できた分、ギャップは縮まる
質問には「不明な点を明確にする」という役割があります。
メンバーと世代間ギャップを感じたときは、決めつけないで、
「なぜ、そう考えるのですか?」など、やさしく質問をして、
相手の考えを聞きだした方が、共通認識を図れます。
そして共通認識を図った分だけ、ギャップは縮まるでしょう。


■ まとめ

人には、すべての体験を言葉にできないという特徴がある、
ということを覚えておくといいですね。
だからこそ質問をして、事実や詳細、その背景、思いを引き出し、共有を図る。
これらを理解し実践すれば、他メンバーの考えを理解でき、
働きやすい職場にすることができるでしょう。

質問スキルは、日頃から意識してトレーニングすることで身につけることができます。
また、コミュニケーション・ギャップの仕組みをチーム内で共有するのも
いい方法だと思います。
メンバー全員にとって、納得できる働きやすい職場にするためにも、
実践してみませんか?


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2023年02月13日

上手く叱る


叱り方

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担当している研修でよく耳にするのが「うまく叱れない」「注意が難しい」という声です。

今や、承認欲求の浸透によりほめ言葉は喜ばれ、
否定的な言葉は嫌われる時代です。

最近は「叱るとパワハラと言われるかもしれない」「部下を傷つけてしまうかも」
「場の雰囲気を悪くしてしまう」などと、
叱ることを躊躇するリーダーは少なくありません。

しかし、部下の成長のためには、
今までブームとなってきた「ほめて育てる」だけではなく
「叱って育てる」ことも重要です。

ただし、相手がパワハラと感じる「叱り方=怒る」もありますので、注意も必要です。
頭ごなしに怒鳴ると「パワハラ」につながりやすくなります。


■ 「ほめる」と「おだてる・甘やかす」は違う

「ほめる」とは、相手の良い点を認めそれを伝えることです。
しかし「ほめる」ことを「おだてる」ことだと勘違いしている人がいます。
「おだてる」とは事実ではないことを並べたてたり、持ち上げたりすること。
相手は「何か下心があるのではないか」と疑い、不信感を持ったり、
やる気がなくなるきっかけになる場合もあります。
また「甘やかす」とは甘えるままにし、ワガママを許すことで、
育成という観点からはNGです。


■ 「叱る」と「怒る」は違う

「叱る」とは、部下の良くない行動や発言を正しく導き成長を促すもの。
しかし「叱る」と「怒る」も混同されがちです。
「怒る」は、ただ単に怒りを爆発させるという感情的なもので
主体は本人の感情です。
一方、「叱る」は、相手を主体としています。

■「ほめる」と「叱る」を使い分ける

叱りながら仕事を教えると、部下は仕事嫌いになりがちです。
特に新しいことを教えるときは、ほめることを多くするとよいでしょう。
一方、問題行動はほめても改まることはありません。
問題行動を改めさせるには、きちんと叱る必要があります。


■ 叱らないデメリット

部下にとって、叱られて当然という場面で叱られないのは、
自分への無関心、無視ととらえ、やる気を低下させてしまう可能性があります。
部下の成長の機会を奪うことにもなるでしょう。

■ 受け入れられる叱り方

・誠意、愛情を持って叱る。
 叱った後、相手が「成長・貢献・承認」を感じられる叱り方が大切。
・問題行動などの事実だけを冷静に伝えること。人格を否定しない。
・理由を伝える。なぜ叱られたのかが理解できないと効果は期待できない。


■ パワハラにならない叱り方

・怒鳴らない。追いつめない。集中攻撃しない。頭ごなしにしない。八つ当たりしない。
・あれもこれもはNG・・一回の叱りは一つのみ。
・ネチネチと、いつまでもそのことを言い続けない。
・過去を蒸し返さない。
・人格を否定しない


■ うまくい叱り方「かりてきたネコ」

か・・・感情的にならない
り・・・理由を話す
て・・・手短に
き・・・キャラクター(性格や人格)にふれない
た・・・他人と比較しない
ネ・・・根に持たない
コ・・・個別に叱る

どうしてもカッとなってしまった場合は、
「私も熱くなって悪かった」などと声をかけて、「根」に持たないようにすること。


■ おわりに

最近、部下に対する「フィードバック」の必要性が注目されています。
行き過ぎた「ほめて育てる」「承認欲求を満たす」など弊害も取りざたされています。
必要な時に、愛情を込めてキッチリ「叱る」。大切なことですね。

「叱り上手」な上司になりたいものです。


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2022年12月23日

距離感C


自分の距離感と相手の距離感を知ろうC

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先日来、人間関係における「距離感」について考えてきました。

今日は、距離感について別の考え方です。


■ 距離感が近すぎるケース

相手に期待しすぎる。

距離感が近すぎる場合、
過度な期待として「相手は自分のことをわかっているはず」
「自分の言っていることを分かっているはず」
「自分の仕事内容をすべて知っているはず」
などと思い込んでしまいます。

人それぞれです。
また自分のことで精いっぱいかもしれません。
過度に期待せず、具体的に分かりやすく伝えることが大切です。

また、自分で相手の問題を自分で背負ってしまうことも
近すぎる距離感であるといえます。

例えば、相手にきつく当たってしまい、相手が落ち込んでいるのを見て、
それが気になって気になってしかたがなくなる。
落ち込むことは相手の課題であるので、自分はそれを気にするのではなく、
今後、自分の物言いに気をつけることに気持ちを向けるのです。

また、相手の人格を否定するような言動も、距離感が近い場合で起こりやすく、
これは避けるべきです。


■ 距離感が遠すぎるケース

つい相手に同意してしまう。

距離感が遠い場合、相手の言動を「違うな」と感じていても、
そのまま受け入れたり、黙ったり、
あるいは引き下がってしまうことがあります。

会社にとって利益にならないこと建設的でない言動に対しては、
きっぱりと伝えることが必要です。

同様に、遠慮して言わないことも、職場のコミュニケーションとしてはよくないでしょう。
会社のため、あるいは相手のために利益になることは、伝えることが肝要です。


・ワーク「職場において、あなたが部下との距離感で改善したい点は?


■ おわりに

やや、しつこく「距離感」について考えてきました。
マネジャーとして、部下の一人一人との距離感、あらためて考えてみませんか?


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2022年12月22日

距離感B


自分の距離感と相手の距離感を知ろうB

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一昨日、昨日と距離感について考えてきました。
今日は、ほどよい距離感を作る方法です。


■ ほどよい距離感の作り方

「もっと踏み込んだつきあいをしたいのに、なかなか踏み込めない。
どうしても距離ができる」

「人間関係が近すぎてなんだか息苦しい。
束縛されている感じがする。少し距離を置きたい」

そんな、ほどよい距離感がなかなかつかめないときの対処法です。

1.距離感を近づけるコツ
「なかなか人の輪に入っていけない」
「なんだか疎外感がある」
「もっとみんなとの距離を縮めたいのに・・・」

そんな距離感を感じている人は、
自分のことや、大切にしていることなどを、距離を縮めたい相手にどれだけ伝えているか、一
度確認してみませんか。

もしかしたら、自分の考えていることや、
普段の生活のことなどを伝える「自己開示」ができていないかもしれません。

自分のこと、特に本音を伝えるようにすると、
相手からも本音が語られ、距離が縮まっていくでしょう。

<参考 自己開示と返報性>
自分のことをありのまま、相手に率直に伝えることを「自己開示」と言います。

人は、自己開示をしてくれた相手に対して、同じ程度の自己開示を返します。
これを「自己開示の返報性(へんぽうせい)」といいます。

つまり、自分のことをありのままに伝えると、
相手からも同じようなことが返ってくるものなのです。

「自己開示」は、相手との距離を縮めていくプロセスといえます。

例:距離を近づける会話
×「ねぇ、どこに住んでいるの? 帰りは何線?」
〇「私、帰りは名鉄線で一宮方面なんだけど、あなたは?」

相手から聴き出すだけでなく、自分のメッセージを伝えましょう。
そして相手から伝えてもらったメッセージに応じて、こちらもメッセージを返します。
このようなちょっとした工夫を普段から行っていると、
結果として、知らない間に距離が縮まっているものです。

・「質問」の功罪
相手と距離を縮めようとして、
相手からいろいろ「聴き出す」努力ばかりしていませんか?
このような一方通行の「問う→答える」というコミュニケーションが続くと、
かえって距離は縮まらないものです。

そこで、相手に質問し続けるのではなく、自分のことも伝えるようにします。
逆のようで、相手はあなたの知りたいことを教えてくれることが多いものです。

2.距離感を置くコツ
「楽しくてつきあっている仲間たち。でも、負担に感じるときもある」
「少し距離を置きたいな」

楽しいはずの人間関係でも、コミュニケーションに費やす時間やエネルギーが、
知らないうちにストレスになることがあります。

運動した後にはストレッチや体操を行なってクールダウンするように、
自分一人の時間(すき間)を作って疲労を取ることもときには必要です。

たとえば、仲間からのお誘いを上手に断る術を身につけておくと、
つきあい方も楽になるかもしれません。

・上手な断り方のポイント
@ きちんと自分の気持ちを把握し、相手に率直な表現で伝える
A 伝えるときの手段や表情、声のトーンなど伝える言葉以外の要素を工夫する
B 相手の気持ちも伝えてもらう

例:距離を置く会話
×「ごめんなさい。今日はどうしても行けないの」
〇「今日やろうと思っていることがあるから行けないや。次の機会でどうかな?」

少しの工夫で、心地よい距離感を自分自身で生み出すことができます。
普段の自分のクセに目を向けて、自分も他者も気持ちよく過ごせる距離を
見つけましょう。


■ おわりに

自己開示をして距離を縮める。
うまく断って距離を置く。
これらは、ビジネスシーンでもプライベートでも必要なスキルといえますね。

自分の負担にならないような距離を創っていくとともに、
相手、特に部下たちとのほどよい距離感を保つ工夫をしてみませんか。


posted by suzumura at 07:50| Comment(0) | TrackBack(0) | コミュニケーション

2022年12月21日

距離感A


自分の距離感と相手の距離感を知ろうA


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昨日は、職場における「距離感」について、考えてみました。

職場のコミュニケーションは、近すぎても遠すぎてもうまくいきません。

また、「近い」「遠い」を感じる距離は、人によって各々違います。
ウェットな付き合いを好む人もいれば、ドライな付き合いを好む人もいるのです。

今日は、自分自身の距離感の取り方をセルフチェックしてみませんか。


■「共同体タイプ」と「一匹狼タイプ」

あなたは「共同体タイプ」「一匹狼タイプ」?
簡単な見分け方です。
もちろん、どちらのタイプも人それぞれ、良い悪い、正解不正解はありません。

・「共同体」タイプ
「仕事上のおつきあいも含め、みんなで仲良く円滑なコミュニケーションは
人間関係の基本!」と考えている。
飲みに行ったり遊びに行ったり プライベートもオープンに、
近しくつきあいたいタイプ。

・「一匹オオカミ」タイプ
「誘われるのはうれしいけど、プライベートの時間まで浸食されるのはイヤ!」
と考えている。
仕事上のつきあいとプライベートは一線を画してつきあいたいタイプ。

この他にも、いろんなタイプがあるでしょう。
自分は人との間に保っている距離はどのタイプかを整理し、
かつ周りの人の距離感の保ち方が理解できると、
納得して効果的なコミュニケーションをとることができます。

・ワーク「あなたはどのタイプ?」「あなたの周りの人はどのタイプ?」
・ワーク「職場において、あなたが他メンバーやお客様との距離感で改善したい点は」?


■ 解説

たとえば、人と距離を置かず親密な関係性を持つ「共同体タイプ」は、
その関係性からもたらされる心情的な温かさやつながり感、豊富な情報など、
自分一人だけでは持ちえない様々な恩恵に預かっているはずです。

その反面、その関係性を維持するコスト(心的エネルギーや時間的拘束)が
負担になることもあるでしょう。

人と距離を置きがちな「一匹狼タイプ」は、
人間関係からもたらされる情報やつながりが少ない代わりに、
人を遠ざけることで「守っている何か」があるのかもしれません。

たとえば、独り静かな時間、誰にも知られたくない秘密、客観性を保つことなど、
人と距離を置くことで得られるメリットは少なからずあるはずです。

人はこれらのメリットやデメリットを無自覚のうちに計算し、
他者との距離やつきあい方を自ら選択し決めていきます。

近づいたり離れたり、
ボクシングのようなヒット&アウェイの紆余曲折を経ながら、
ちょうど良い距離を見つけていくのです。


■ おわりに

自分自身や、周りの人の距離感を観察しつつ、
ほどよい距離感を保つことも意識してみてもいいですね。


posted by suzumura at 13:09| Comment(0) | TrackBack(0) | コミュニケーション

2022年12月20日

距離感


自分の距離感と相手の距離感を知ろう

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以前の研修で、受講者から「自分は距離感が近い方なので・・・」との発言がありました。
おお、自分の距離感を理解しているのって、素晴らしい!

精神的な意味での距離感とは、
「人との関係の中で、相手に対する気持ちの上での隔たり」のこと。

職場では、関係する人々との距離感が遠すぎて近すぎてもうまくいきません。
「職場の良好なコミュニケーションの鍵は距離感である」とも言われています。

ということで、今日は、職場における距離感を考えてみましょう。


■ 距離感が遠すぎる場合、近すぎる場合
出典:「アドラーに学ぶ職場のコミュニケーションの心理学」2015小倉広著 日経BP

1.距離感が遠すぎる
距離感が遠すぎるとは、たとえば、相手の言動を「違うな」と感じていても、
そのまま受け入れたり、黙ったり、引き下がってしまうことです。
また、相手や周りを気遣って、遠慮している場合も、距
離感が遠すぎることが原因です。
会社や相手、組織にとって利益にならないこと、建設的でないことに対しては、
きっぱりと伝えることが大事です。

また、疎外されている、孤立していると感じてしまうことも、
距離感が遠すぎる場合です。
そんなときは、自分から自己開示して距離を縮めていくといいでしょう。

2.距離感が近すぎる
職場で相手との距離感が近すぎると、人間関係がうまくいかなくなる場合があります。
例えば、自分の意見や思いを押し付けたり、世話を焼き過ぎたり、
相手の中に入り込み過ぎたりすることです。

職場での近すぎる距離感の例として、
「わかってもらって当然」と一方的に伝達するだけであったり、
「知っていて当たり前」「できて当たり前」と期待しすぎている場合があります。

また、自分で相手の問題を自分で背負ってしまうことも近すぎる距離感でしょう。
例えば、相手にきつく当たってしまい、相手が落ち込んでいるのを見て、
それが気になって気になってしかたがなくなる。

また、相手の人格を否定するような言動も、距離感が近すぎる場合に起こりやすく、
これは避けるべきでしょう。


■ ほどよい距離感

職場のコミュニケーション、つまり人間関係で難しいのが、距離感といえるでしょう。

距離が近すぎれば自分の領域が侵害されますので息苦しくなり、
つぶされるような状況に置かれることもあるでしょう。

一方、距離が遠すぎると疎外され孤立していると感じてしまいます。

職場においては、相手との距離が近すぎても遠すぎてもうまくいきません。

また、近い遠いを感じる距離は、人それぞれ。
ウェットな付き合いを好む人もいれば、ドライな付き合いを好む人もいることも、
覚えておいた方がいいですね。


■ おわりに

今日はここまで。
マネジャーとして職場運営における「距離感」のポイントは、

1.職場で距離感が遠すぎると感じる部下がいたら・・・
  その人には、自分から自己開示して距離を縮め、孤立感を防ぐ。
  あるいは、遠慮しているように映る場合は、本人の意見が言いやすい状況を作る。

2.職場での距離感が近すぎると感じる部下がいたら・・・
  人によって距離感が異なることを説明し、
  相手に入り込みすぎると相手の負担になることを伝える。
  人格否定をする場合は、相手を傷つけることを伝える。

今日は、職場のメンバーの距離感を客観的に観察してみてもいいでしょう。

明日は、自分がどのような「距離感」を持っているのかを、確認してみたいと思います。


ちなみに、自己開示しますが、
私は、完全に「距離感が遠いタイプ」、一匹オオカミタイプです。
群れることは好みません。
良いにしろ、悪いにしろ、ではありますが。


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2022年12月14日

雑談力を見直す


場を和まし、苦手な人と打ち解けられる雑談力



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今日は、雑談力について考えてみたいと思います。
職場生活において、ちょっとした声掛け、とても大事だと考えています。
ひとこと言葉をかけるだけで、なにか距離が縮まってほっこりしたり、
ほっとしたりするものです。


■ 「雑談力」とは

職場における「雑談」とは、日頃から、関係する人々と1〜3分程度、
世間話やたわいもない話を交わすこと。

「声かけ」のやや長いバージョンとも言えるでしょう。

誰とでも楽しく雑談ができて、その場を和ませることができる人は
「雑談力のある人」といえます。 

「雑談力」のある人とは、饒舌な人、話術が巧みな人とは限りません。

無口な人でも、その人と話していると楽しい、話を聞いてくれる、などと
人が集まってくる人は「雑談力」のある人といえます。

職場でのコミュニケーション不足を解消するためには、日頃の雑談が不可欠です。

なにげない雑談を交わすことで、相手の人となりがわかって共感できたり、
自分のこともわかってもらい、やがて信頼関係も生まれてきます。

その結果チームワークが高まることにもつながります。

ここ数年、「雑談力」が注目されています。
良いコミュニケーションを図るため、かつチームワークを高めるためには
仕事の話ばかりでなく、雑談も必要なのです。


■ 雑談のメリット

1.苦手な人とも打ち解けることができるようになる。
2.メンバー同士が短時間の雑談をし合うことで、雰囲気のよい職場になる。
3.その結果、チームワークも良くなる。
4.雑談の中から、アイデアが出やすくなる。
5.ミーティングなどの場で、最初に雑談をすることで雰囲気がやわらぐ。


■ 雑談の3つのポイント

1.結論(オチ)を求めない
世間話やたわいもない話など単なる情報のやりとりが雑談。
結論やオチを求めず、尻切れトンボでOK。

2.話の途中でさっさと切り上げる
1〜2分程度雑談したら途中で切り上げ、仕事に戻ったり本題に入ったりする。
たとえば、1〜2分したら、時計を見て「あっ、もう○○時、仕事に戻りますね」と切り上げる。3分以上の長話は禁物。

3.誰にでもまんべんなく
誰にでも分け隔てなく均一に、その人に合わせた雑談するのがコツ。特定の人に偏ると、不公平感を感じる人も出てくる。


■ 「雑談力」を高めるコツ

1.まずは「挨拶+α」
挨拶にひと言付け加える。

2.ごく短い会話から
一言二言程度の短い会話を繰り返すことによって、
徐々に相手と打ち解けることができる。
 
3.万人に共通な簡単なテーマで
「天気」「暦(満月・太陽・秋分・夏至・冬至など)」
「食べ物」「趣味」「はやりモノ」。
これらは相手を選ばず、いくらでも展開できる。

ただし、「宗教、政治、思想」など、
意見が対立する可能性の高い話題は避けた方がいいとされています。

4.相手優先で
自分は控えて相手を優先し、話を聞き出す。
雑談上手な人とは、話術が巧みな人よりも、話を聞いてほしくなる人。

5.話を否定しない
相手の言ったことに対し、「いや」「しかし」と否定したり、
反対意見で切り換えしたりするのはNG。


■ おわりに

まずは、最初の挨拶に「+α」を加えてみませんか?
・膝の調子が悪い人には
 「おはようございます」+「最近、膝の調子いかがですか?」
・サッカー好きの人には
 「おはようございます」+「今回のW杯、日本、がんばりましたね」
・最近すごく忙しい人には
 「おはようございます」+「昨日も遅くまでお仕事でしたか?お疲れ様です」

無理な仕事を依頼するときでも、日ごろの雑談でよい関係が構築されていれば
受け入れてくれる確立は高いものです。


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2022年12月12日

報連相 してる?


報連相 実践チェック(部下編)


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先日、「報連相されやすい上司度チェック」をアップしました。
今日は、部下編です。
あなたの部下にチェックしてもらってもいいですね。


■ 報連相 実践チェック部下編

下記について、あなたがいつも行っている場合は◯、
ときどき行っている場合は△、
ほとんど行っていない場合は×をつけてください。

1.(   )報連相する前に、相手に都合を確認している。
2.(   )報告は、仕事を指示した上司に直接報告している。
3.(   )報告に当たっては、結論を先に伝え、経過などは後で話すようにしている。
4.(   )複数の事柄を報告するときは、事前に報告の優先順位をつけている。
5.(   )多少でも複雑な事柄を報連相する場合は、事前に要点を整理して臨んでいる。
6.(   )ミスやトラブルに気づいたときはすぐに報告している。
7.(   )悪い状況が発生しそうな場合も、早めの報告・相談を心がけている。
8.(   )うまくいっていないことを報告するときは、事前に「なぜそうなったか」
       「どうしたらよいか」を自分なりに考えた上で、報告に臨んでいる。
9.(   )「報告してください」「あれ、どうなった?」の問いかけがなくても、
       依頼された仕事が終了したらすみやかに報告している。
10.(   )報告に当たっては、事実情報と自分の意見・判断を分けて報告している。
11.(   )報告する場合は、メモを持参している。
12.(   )本人不在のため、重要な事柄を代理の人に「当人に伝えてほしい」と
       依頼した場合、それが本人に伝わったかどうかの確認をしている。
13.(   )依頼された仕事が長引いている場合、
       上司や関係先から「どうなっている?」と聞かれる前に、
       途中の段階で状況と今後の見通しを報告・連絡している。
14.(   )伝言することを約束してくれた人の名前を確認している。
15.(   )重要な連絡事項をお客様や関係先にFAXあるいはe-mailした場合、
       確実に届いたかどうかの確認をしている。
16.(   )間違いの起こりそうな事柄や、正確さを要求される内容は
       文書化(メモ)したり、繰り返し説明するなどし、
       相手に正しく伝わる努力をしている。
17.(   )連絡には、あいまいな言葉は使わない。
18.(   )職場内外に広く連絡する場合は、必要に応じて連絡メモ、
       e-mailも活用する。
19.(   )事前に相談するポイント、問題点を明確にしている。(メモして臨む)
20.(   )相談する場合、「どうしましょうか」ではなく、
       「こうしようと思っていますが」など、自分なりの意見を持って
       相談に臨んでいる。
21.(   )最初に相談するのは、基本的に直属の上司(先輩)にしている。
22.(   )相談の時間を割いてもらった後は、お礼を述べる。
23.(   )相談後、該当問題に対処した結果を必ず報告している。


■ 結果判定

「報連相」の基本項目です。
業界や業務内容、社風によって当てはまらない項目もあるでしょう。
とはいえ、◯の多い人は、報連相ができているといえます。
△や×の多い人は、意識して改善していきましょう。


■ おわりに

入社したてのころは、報連相をしっかりやるものです。
が、年数を経ると、おざなりになりがち。
中堅クラスの部下にも、ときにセルフチェックしてもらうと、
自分のできていないことに気づくことができます。

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2022年10月28日

説得



うまく説得する

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相手を説得することが、いかに大切でかつ大変であるかを実感する今日この頃。

PC資料を整理していたら、ちょいと参考になる資料発見。
ということで、今日は基本的な「説得ポイント」を考えてみましょう。


■ 相手を説得するポイント

1.日頃から良好な人間関係を築いておく
・こちらから挨拶をし、笑顔で対応する。
・相手の話には、アイコンタクトやうなずき、相づちを打ちながら、じっくり耳を傾ける。
・相手を尊重し、認める言葉をかける。
・すれちがいざまなど、シンプルな声掛けや、雑談をする。
・相手がうまくいったときは、心から賞賛する。
・じっくり聴く時間をつくる。
・味方になる。

2.準備する
・事前に、説得することの「意味」や「理由」「目的」を明確にしておく。
・目標(どうなったらいいのか?)を、自分の中で明確にしておく。
・説得することの相手の「メリット」を考える。
・仮説を立てる。
・説得に対する相手の反応を想定する。
・相手の立場や相手の日頃の言動、想い、不平不満などをイメージし、
 対策を考える。

3.説得する
・話し合いの時間を作ってもらい、じっくり話し合える環境を整える。
・話し合いの時間を作ってもらったことに感謝する。
・説得したいことの「意味」や「理由」を明確にし、冷静にじっくり伝える。
・説得したいことの「相手にとってのメリット」や「組織にとってのメリット」を自分の言葉で伝える。
・自分が話すだけでなく、相手の考えもじっくり聞く。
・最後に、クロージングする。
「YES」「NO」を問う。
「NO」の場合は、どうしたら「YES」になるかを質問する。


■ おわりに

説得とは、相手への働きかけにより、
「相手が納得し・受け入れ・気持ちや行動が変わる」こと。
自分の働きかけや情報発信を通して「理解・納得・共感」を得るということ。

ビジネスシーンでもプライベートでも説得する場面は多々あります。

結局は、日頃から関係する人や周囲の人とよい人間関係を築いておくことが必要ですね。
その上で、説得する相手のメリットも押さえておきましょう。

さあ、これから誰を説得しますか?
説得するポイントを意識して、実験してみませんか?

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2022年10月03日

アンガーマネジメントの方法


怒りの抑え方


20220822萱と空.JPG


先日、とある場所で数社の企業担当者との会議に参加しました。

スタート時からしばらくは、A社の都合で、
B社の担当者のみ発言することになりました。
A社の担当者が全員そろっていなかったからです。

その後、C社やD社の発言もありました。

A社以外の発言がひと段落ついたとき、
A社で唯一参加しているE氏が異議を唱えました。

自社以外の担当者が勝手なことばかり言って、
A社に発言の機会が与えられないのはおかしいと、
語気を強めて進行役のF氏を非難したのでした。

(だって、A社が全員そろっていないからなのに・・・)

当然、非難された進行役のF氏は、反論します。
私自身も、非難の仕方が失礼であると感じていました。

F氏は、「その指摘は心外です」ときっぱり言いました。
(そうだ!そうだ!)

双方の怒りの発言が2回ほど続きました。

その後、なんと進行役のF氏はすっー−と冷静になり、
今回の会議の目的を確認する発言をしたのです。

すばらしい!!と思いました。

気持ちを切り替える大人の態度。
まさにアンガーマネジメントの達人だと!

ちなみに、アンガーマネジメントとは「怒りの管理方法」。
怒りの感情と上手に付き合うための心理教育または心理トレーニングとして、
1970年代にアメリカで生まれました。

「アンガーマネジメント」では、6秒ルールを提唱しています。
つまり、怒りのピークは最長でも6秒間といわれているので、
怒りの感情が湧き上がり、爆発してしまいそうなときは、
ぐっと押し黙って心の中で6秒数えてみる、
というもの。

怒りを6秒間我慢することができれば、
ある程度冷静さを取り戻すことができるため、
衝動的な言動を起こしにくくなるという訳です。

数を数えながら、意識を他のところへ向けてみることが推奨されています。


さて、このF氏は、アンガーマネジメントなるものを知ってか知らずかわかりませんが、
怒りの発言後、すぐに会議の目的を伝えていました。

おそらく、こうした修羅場を何度も経験しているのでしょう。

だから、怒りの反論をしたあとすぐに本題にもどるという離れ業ができる、
というのが私の見立て。
つまり、こうした場では、会議の目的を再確認し共有することで、
お互いに冷静になれる、という訳です。

そこで私は、怒りの抑え方として、「目的を確認する」ことの有効さを実感したのです。

相手が、あるいは自分が、あるいは双方が、怒りの感情が沸き上がった場面では、
6秒ルールも有効ですが、
怒りの最中に「目的を確認する」ことも有効ですね。


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2022年09月06日

安心して発言できる職場「心理的安全性」


安心して発言できる職場ですか?

20220903稲穂.JPG


私の担当するコミュニケーション研修では、
職場の状態についてセルフチェックをする時間を設けています。

そこで出てくる意見には
「困っている人に声をかける人は少ない」
「人を傷つけるような発言をする人がいる」
「ミーティングでは意見を言わない人が多い」
「悪口や陰口が多い」
など、ネガティブなものもあります。

これらはまさに、最近注目されている「心理的安全性」に関するテーマでもあります。


■ 心理的安全性(psychological safety)」とは

ハーバード大学で組織行動学を研究するエドモンドソンが
1999年に提唱した心理学用語。

組織の中で自分の考えや気持ちを誰に対してでも安心して発言できる状態のこと。
あるいは、
「対人関係においてリスクのある行動をしても
このチームは安全な場所であるという信念が、チームメンバーによって共有された状態」
とも定義されている。

なお、エドモンドソン氏は、心理的安全性の重要性に気づいたときの経験を、
スピーチフォーラム「TED」でスピーチしています。

つまり、
組織の心理的安全性が高い状況であれば、
どのような質問やアイディアを提案しても受け止めてもらえると信じることができ、
思いついたアイディアや考えを率直に発言することができる、
といえます。

コロナ禍や不景気、物価高、治安不安など不安要素が多い昨今、
職場の心理的安全性は大切ですね。


■ 心理的安全性がもたらすメリット

@ パフォーマンスが向上し、業績や成果につながる
心理的安全性が高いと、安心して仕事に集中できる環境になる。
その結果、個人のパフォーマンスが向上し、仕事の効率や業績向上につながる。
積極的に議論し、納得した上で目標に向かうので、目標達成のスピードも速くなる。

➁ コミュニケーションが活発になる
不安を感じて発言を控えることがなくなるため、
メンバー間のコミュニケーションが活発になる。
コミュニケーションが円滑になると、メンバー同士での情報交換がスムーズになり、
失敗や不正などのネガティブな情報も集まりやすくなるので、
早い段階で気づいて早急な対応ができる。

また、どのような意見でも受け入れてもらえるという安心感があれば、
創造的なアイディアや既存の考えを覆すような発想が出やすくなる。
結果として現状を良くするための提言が積極的に行われるため、
イノベーションが促進される。

➂ エンゲージメントが高まる
心理的に安全な職場では自分の能力を生かせるため組織への愛着心が深まり、
エンゲージメント(企業・職場と従業員の関係性、自社と顧客との関係性を表す)
が高まる。
離職率も低くなるため、優秀な人材の流出を防ぐ効果も期待できる。


■ 心理的安全性を損なう4つ要因と特徴行動

エドモンドソン先生は、
スピーチフォーラム「TED」で「心理的安全性を損なう要因と特徴行動を紹介しました。

心理的安全性が低くなる原因として、4つの不安があります。

@ 無知だと思われる不安(Ignorant)
質問や確認をしたくても「こんなことも知らないのかと思われないか」と不安になり、
気になることがあっても質問しづらくなる。

➁ 無能だと思われる不安(Incompetent)
ミスや失敗した時に「仕事ができないと思われるのでは」と不安になり、
自分の失敗や弱点を認めなかったり、ミスを報告しなかったりするようになる。

➂ 邪魔をしていると思われる不安(Intrusive)
自分が発言することで「話の邪魔をしていると思われないか」不安になり、
提案や発言をしなくなっていく。

C ネガティブだと思われる不安(Negative)
改善を提案したくても「他の人の意見を批判していると否定的に捉えられるのでは」
と不安になり、現状の批判をしなくなったり、意見があっても言わなくなる。

・・・キーワードは「不安」
確かに、自分の発言、アイデアについて否定される不安があると
何も言えなくなってしまいますね。


■ チームの心理的安全性を高める5つの方法

@ 心理的安全性を体験できる仕組みをつくる
部署を超えてメンバーが集まり、自由にディスカッションできる勉強会などを開催して、
安心して雑談や対話を繰り返す機会を作る。
また1on1ミーティングで上司と腹を割って話す機会を作るなどして、
発言することへの不安を徐々に取り除いていく。

➁ 特定の人に偏らず発言できるようにする
会議やミーティングなどで、メンバー全員が発言できているかどうかをチェックし、
立場の弱い人や新しく入った人などへ意識的に発言を促す。

➂ 何のために発言するのか共通した価値観を持つ
たとえば「言いたいことを言うのは顧客のため」、
「良い商品を作るため」などの価値観を共有しておくことで、一体感が生まれ
意見が言いやすくなる。

C アサーティブ・コミュニケーションを心掛ける
アサーティブ・コミュニケーションとは、
相手を尊重しながら対等に自分の要望や感情を伝えるコミュニケーション法。
アサーティブなコミュニケーション技術を学ぶことにより、
要求や気持ちを適切に表現できるようになるため、心理的安全性を高めるのに役立つ。

D 飲み会や食事会を実施する
職場以外の場所で交流することによってリラックスした状態になり、
心理的安全性が高まりやすくなる。
他の方法を実践する前に、まずは飲み会や食事会の時間で
心理的安全性を高める方法を試してみるのも良い。
2〜3人などの少人数での食事でも実践の価値はある。


■ 心理的安全性が高いとは「なれ合い」ではない

心理的安全性の話をすると、よく出てくる質問があります。
「心理的安全性によって責任を持たずに発言したり、
 言いたい放題になったりするのではないか」
「なれ合い、仲良しクラブになってしまうのではないか」

職場の心理的安全性を高める大きな目的は、
「職場での問題解決やイノベーション促進ため」。
これらを意識して進めたいですね。


■ おわりに

あなたの職場は、あるいは会社は「心理的安全性」は、高い方ですか?
リーダーのあなたなら、
建設的な目的のために「心理的安全性」を高めることを意識してみませんか?



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2022年06月28日

印象のきめ手は?



印象の決め手は言葉より表情

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人は見た目が9割?

先日(2022年6月25日)の日経プラス1。
有名な「人は見た目が」が特集されていました。

そう、あの「メラビアンの法則」から、
「印象の決め手は見た目である」というお話です。


■ メラビアンの法則とは

かいつまんで言うと、
米国の心理学者「アルバート・メラビアン」
(日経には「マレービアン」と表記。発音や日本語表記がイロイロなんですね)
は、対面でのコミュニケーションの伝わり方を調査分析し、
話の内容のみならず準言語と非言語がより大きく影響を与えるとした。

その結果は、
言 語(話の内容)7%
準言語(話し方や声の大きさなど)38% 
非言語(顔の表情や態度)55%。
準言語と非言語を合わせると(38%+55%)93%となり、
言葉ではなくて、
見た目(準言語や非言語)が相手に与える影響は大きい、としたのです。

人は話の内容に関わらず、
話し手の声の調子や大きさ、態度、表情に敏感に反応するもの。
そこで「3つのチャンネルを意識してコミュニケーションをとりましょう」
となります。


■ 人は見た目が9割

大学教授の「竹内一郎」氏は、2005年に「人は見た目が9割」という書籍を出版。
ベストセラーになりました。
私も、もちろん拝読。
この見た目が9割の根拠が、メラビアンの法則です。

そういえば、数年前にTVドラマでも「人は見た目が100%」がありましたね。

日経は、「人はわずか1〜2秒で初対面の人の第一印象を決めている」とし、
「しかも、この第一印象はその後もなかなか変わらないそうだ」
と結んでいます。


■ 準言語コミュニケーション
(声の調子・話す速さ・声の強弱・話し方など)

話の内容が何であれ、
声のトーンが低くて弱々しいなら、自信のなさ、やる気のなさ、無関心など、
ネガティブな印象を与えてしまいます。

一方、いつも大声で、怒鳴っているように話している人に対して、
周りは威圧感を感じるものです。

自分で気づかないうちに、声が暗く覇気がないボソボソとした喋り方、
あるいは早口、
また大声や甲高い声になってしまうという傾向もあるかもしれません。

相手や周囲に与える影響として、自分の声のトーンを再確認してみませんか?


■ 非言語コミュニケーション(顔の表情や態度)

顔の表情は、非言語コミュニケーションの代表格。
一般的に、ニコニコ笑顔の人は周りから好感が持たれるでしょう。
それに対し、いつも無表情や無反応であったり、
不機嫌な表情をしている人は敬遠されがちです。

また、身振り・ジェスチャー、態度も意思疎通に重要な役割を果たすものです。
リモート下では、オーバーリアクションが求められています。
画面越しで反応が少なかったり弱かったりする
と、相手をネガティブな気分にさせてしまうでしょう。

会話とともに、ふさわしい動作を活用するも大切ですね。

なお、腕を組んだ状態で人と接する人がいますが、
腕組みは車のバンパーと同じ役割をしていて、
何かに不満を感じているときの防衛反応といわれています。

手をポケットに入れた姿勢で相手と接するのも、防衛反応の一つ。

特に日本では、相手に誠実な印象を与えるためには、
これらの防衛反応は避けたいところですね。


■ おわりに

第一印象を良くしたい。
誰しも思うことです。

それには、「見た目をよくする」ことが効果的といえます。
ならば、まずは服装ですね。状況や相手に合わせた服装をすることが第一です。

そして、顔の表情や態度、さらには話し方にも注意をしたいところです。

ところで、日々の職場での自分の態度や表情、話し方はどうでしょう?
相手にどんな印象を与えているか?
ちょいと、ふりかえってみるのもいいのではないでしょうか?



posted by suzumura at 16:35| Comment(0) | TrackBack(0) | コミュニケーション

2022年06月14日

日経新聞「聞き上手になる工夫」


話し上手は聞き上手


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今日(6月14日)の日経新聞「心の健康学」で、思い出したことがあります。
「話し上手は聞き上手」です。

記事には、
「話し上手は聞き上手といわれる。
自分は話し下手だといって悩む人は多いが、
日常会話で立て板に水のようによどみなくしゃべれることがよいわけではない。
むしろ相手の話に耳を傾けて、一緒に考えていくことで相手は、
話してよかったという気持ちになる」
とあります。

ああ、その通りですね。

忘れていました。

コミュニケーション系の講師を始めた頃、
この「話し上手は聞き上手」を伝えていました。

人見知りだったり、口下手だったりする人、今でも多いですよね。

実はそういった人の方が、実は傾聴力がある。

伝える力も大事ですが、聴く力も大事です。

記事には
優秀なセールスマンと対峙した大野先生は
「少し『押す』ような話し方を意識的にしたと言っていた。
押すことで私が折れて購入すると考えたようだ。
私は、そうした相手の態度に反発を覚えた」
といっています。

そういった販売の場面のみならず、
自信満々で、自分の優秀さを押してくる人いますね。
男女問わず。

すると、そういった人に対して、私たちは引いてしまうことがあります。

なにごともバランスが大切ですし、
なにとごもほどほどにですね。

口下手、人見知りの人は、自信を持ちましょう。
一方、べしゃりがうまいと思っている人は、自重する意識も必要ですね。



posted by suzumura at 07:41| Comment(0) | TrackBack(0) | コミュニケーション

2022年05月31日

職場のコミュニケーションをcheck


職場のコミュニケーション、できていますか?


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日頃の自分のコミュニケーション、ふりかえってみましょう。
下記の事項に対し、できているなら〇、できていないなら×を着けてみましょう。


■ 私の職場では

1.お互いに元気に挨拶し合っている
2.お互いに声をかけ合うことが多い
3.お互いに相手の話をよく聞いている
4.お互いに協力し合い、助け合っている
5.困っている人に声をかけ助ける人は多い
6.仕事に必要な情報は、きちんと全員に伝わっている
7.ミーティングでは、対面でもリモートでも活発に意見を言い合っている
8.人を傷つけるような発言をする人はいない
9.陰口や悪口は少ない方である
10.お互いに「ありがとう」と言い合っている
11.職場内の上司、メンバーと腹を割って話し合う機会がある
12.孤立している社員はいない
13.相談できる人が一人以上いる
14.信頼関係ができている
15.自分のアイデアや提案を受け入れてくれる



■ 私は部下・後輩に対して

16.いつも自分からあいさつをしている
17.忙しい時でも相手の話を聞いている
18.仕事に必要な情報は必ず全員に伝えている
19.部下や後輩に感謝したり期待することは多い
20.部下や後輩を怒るのではなく叱って育てている
21.部下や後輩の良い点、強みは分かっていて伝えている
22.部下に仕事をわかりやすく教えている
23.指示をするときはその目的をわかりやすく伝えている
24.怒鳴ることはない
25.人の悪口をほとんど言わない


■まとめ

いかがでしたか?

異動が激しい季節を経て、
再度職場でのコミュニケーション、チェックして、どうでしたか?

できていなかったら、意識して取り組んでみましょう。



posted by suzumura at 07:47| Comment(0) | TrackBack(0) | コミュニケーション

2022年04月18日

わかりやすく伝えるコツ



簡潔にわかりやすく具体的に


20220405.JPG

「一体何が言いたいの?」
「えーーっと、結論はなんなの?」
「それで、なにがどうなったの?}

こんな言葉を、部下に投げかけたことはありませんか?
あるいは、自分が上司や顧客から言われてしまったことも・・・

ことほどさように、伝えたいこと、伝えるべきことを、
なかなか相手に伝えられないこと、誰しも経験があるのではないでしょうか。

よくあるのが、自分の状況を分かってもらいたいという気持ちから、
周辺情報や背景について最初に長々と語ってしまう。
そのうちに、聞き手のイライラ感が伝わってきたり。
でもこちらは、うまくまとめられなくて焦ったり。

そこで、業を煮やした、あるいは時間のない聞き手から
上記の言葉が発せられるという訳です。

言われた方は、
我にかえって「ああ・・・」と口に出すものの、
はてさて「自分は何を伝えたかったのだろうか?」と途方に暮れる始末。

ビジネスシーンでは、お互いの考えを正しく伝え合わないと、
円滑な運営に支障をきたすことがあります。

そこで、聞き手に、簡潔にわかりやすく、更に具体的に伝える力が求められます。
上司としては、部下に対し、うまく伝える方法を指導することも大切ですね。
部下の将来のためにも。

わかりやすく伝える方法の代表例が「PREP法」というフレームです。

ご存知の方も多いと思います。
おさらいしてみましょう。


■ 「PREP法」とは

「結論・主張(POINT)」
⇒「その理由(REASON)」
⇒「具体例(EXAMPLE)」
⇒「結論(POINT)」の順番で話すことで、
それらの頭文字で表したスキルです。

1.「POINT」=結論・主張・要点
まず、結論や主張を述べます。結論
を最初に伝えることで、聞き手は話の大まかな中身が理解でき、
安心して聞く体制ができます。
・「〜〜の〜〜についてお話します」
・「結論として、〜〜は〜〜ということです」
・「今回の問題は、〜〜だと思います」

2.「REASON」=理由・根拠
主張を述べたあと、その理由や根拠を具体的に述べます。
理由や根拠のない主張は、説得力に欠けてしまいます。
・「なぜならば、〜〜だからです」
・「理由として3つあります。1つ目は・・・」
・「その根拠は、〜〜です」

3.「EXAMPLE」=前例・事例・データ・体験談
伝えたい事柄の、事例や体験談を示すことで説得力が増します。
数字で表すことも、納得性を高めます。
・「たとえば、〜〜とすると〜〜となります」
・「競合他社のA社では、この件は〜〜となっています」
・「この方法を実施すると、売上高が昨年度比〜〜%アップします」

4.「POINT」=結論・主張
最後に、まとめて結論を再度述べることによって
相手に確実に伝わります。
・「ということで、〜〜するべきだと考えます」
・「ぜひ、〜〜の検討をお願いします」
・「従ってこのように〜〜が必要となります」


■ PREP法をつかった例

1.結論・主張
「私が考える職場の活性化策は『オアシス運動』の実施です」

2.理由
「なぜならば『オアシス』の中に、
コミュニケーション円滑に進めるための基本ポイントが入っているからです」

3.具体例
「具体的には
オは、おはようございます。
アは、ありがとうございます。
シは、失礼します。
スは、すみません。
という言葉がけです」

4.結論・主張
「従って、この『オアシス運動』を職場のルールとして実践することで、
メンバー同士のコミュニケーションが良くなり、職場活性化につながると考えます」


■ PREP法のメリット

1.話し手の話のプロセスと聞き手の理解のプロセスが同じなので、
  情報の共有化がしやすい。
2.プレゼンや営業トークとして使われている。
 

■ おわりに

生まれながらにして、
あるいはこれまでの人生で知らず知らずのうちにトレーニングを受けて、
わかりやすく簡潔な主張ができる人がいます。

そう、まさに「わかりやすく伝える力」もトレーニングで高まるのです。

スキルは訓練で身につきます。
要は、「場数」という訳です。

ぜひ、モゴモゴ話していたり、要領を得ない話しぶりの部下には、
この「PREP法」いや、
「PREPスキル」を教えてみませんか?

本人のために、チームのために・・・。


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2022年04月11日

雑談につかえるテーマ



雑談につかえるテーマ「たけしはまる」


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先日、雑談の効果について述べました。

ところが「どんな話をしたらいいかわからない」という人もいます。

そこで、気軽な雑談のテーマになるわかりやすい覚え方をご紹介します。

それが「たけしはまる」です。


■ 「たけしはまる」で始まるテーマ

・「た」・・・食べ物のお話
たとえば、イタリアン、ラーメン屋、街中華、からあげ、ギョーザ、蕎麦屋
なんでもいいですね。
食べ物の話なら、誰でも興味があり、話が弾むこと間違いなし!

「け」・・・健康関係のお話
健康関係も誰もが興味を持っているテーマです。
ダイエット関係、トレーニング関係などいいですね。

「し」・・・趣味のお話。
なにも高尚な趣味でなくてもいいです。
パチンコ、家庭菜園、ドライブなんかもいいですね。
競馬や競輪も、相手によっては盛り上がる話題でしょう。

「は」・・・流行っていることのお話。
今ならキャンプ関係でしょうか。
あるいは、ワークマンも流行っていますね。
からあげも流行っています。

「ま」・・・マイブームのお話。
つまり、自分がはまっていること。
これも話が弾むでしょう。

「る」・・・ルーツに関する話。
たとえば出身地や出身校の話です。
同郷であると、とても盛り上がります。


■ おわりに

いかがですか?
「覚えやすい!」、「すぐに使える!」と思いますが・・・

いまなら、リモート会議のスタート時にも使えます。
たとえば、「今日は、好きな食べ物を紹介し合いましょう」とか。
場が盛り上がること、間違いなし!!

積極的に雑談して、相手や周りの人と距離を縮めてみませんか?
思わぬメリットがあるかもしれませんよ・・・



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2022年04月04日

ハイブリッド型勤務の課題


ハイブリッド型勤務時代のコミュニケーション

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先日の日経新聞(4月3日)には「勤務『ハイブリッド型』軸に」
という特集がありました。

ハイブリッド型とは、在宅勤務と出社を組み合わせた、
いわば双方のいいとこ取りをした働き方です。

記事には、「米シリコンバレーでオフィスを再開する動きが広がってきた」としています。
コロナ禍が拡大した時点では、
「オフィス不要論」まで言及されたこともありました。
しかし、在宅勤務の弊害もあり、そこでハイブリッド型勤務に使用という訳です。

そこで今日は、テレワークでのコミュニケーションについて考えてみます。


■ テレワークでの課題

@コミュニケーション不足
テレワークでのコミュニケーションの不足は多くの方が実感しておられるでしょう。

2021年6月に「スタッフサービス・ホールディングス」が
若手社員を対象に実施した調査では次のような結果でした。
・ちょっとした相談がができない
・話しかけたり教えてもらったりするタイミングがわからない
・上司や先輩がどう思っているのかわかりづらい
・意思疎通ができているのかわからない
・メールやチャットで何度も聞かないと仕事が進まない

これらを見て、「そうだよなあ」と納得する上司、先輩多いのではないでしょうか。
事程左様に、対面でないとき、コミュニケーション不足は深刻です。

➁モチベーション維持
テレワークが続くと、モチベーションの維持も課題となります。
・仕事のオンとオフの切り替えがうまくできない。
・働きすぎてしまう、反対になかなか仕事に集中できない
・仕事に対するモチベーションの管理が難しい。

また、テレワークの場合、コミュニケーション不足から
自分が適切に評価されているのか、判断しにくくなり、
その結果、モチベーションを維持しにくいと感じる場合もあるようです。

ほかにも、セキュリティー対策も課題です。
この点はハード面の整備とルール作りが必要ですね。


■ コミュニケーション不足の解決策

対面コミュニケーションでも傾聴スキルは大事ですが、
テレワークではより必要になってきます。
1.個人で気を付けること
・大き目の声を発する
・大き目のリアクションをする。うなずく。画面を見る(アイコンタクト)。
・簡潔に分かりやすく伝えることを心掛ける
・できるだけ自分から情報発信する
・感謝を伝える
・チャットの確認を小まめに行う
・スケジュールを積極的に共有する
・仕事の進捗状況を小まめに報告する

2.チームとして
・雑談の時間、アイスブレイクの時間を設ける
・ルールを設ける
例えば
 ・Web会議ではカメラをオンにする(逆にオフでもよい)
 ・チャットの送信時間は〇時〜〇時
 ・チャットで数回のやり取りを要するテーマであればWeb会議をつなぐ
 ・全員参加の朝礼を設定する
 ・会議の最初の〇分は雑談にする
 ・1on1ミーティングを実施する 
  1on1ミーティングはテレワークでも効果バツグンです。
  この機会に、1回10分程度でもいいので「1on1ミーティング」実施してみませんか?


■ おわりに

確かに、在宅勤務と出社を組み合わせた「ハイブリッド型」は重宝ですね。
まだまだ試行錯誤の段階でしょうが、
イロイロ工夫して働きやすい環境を整えていくことが大切です。

この機会にメンバーから要望や不満を改善策を出してもらうのもいいでしょう。
それだけで、チームワークも高まるというものです。


posted by suzumura at 08:34| Comment(0) | TrackBack(0) | コミュニケーション

2022年03月03日

アサーティブ・コミュニケーション


言うべきことを適切に伝える


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昨日(2022/3/2)では、アンガーマネジメントについて考えました。

人間につきもののイライラや怒り。

その怒りを、そのまま出してしまうことで、気まずい思いをしたり、
その後の関係に悪影響があったりすること、誰にもあることです。

そこで、イライラや怒りを感じたときは、
@その自分の怒りに気づく、
➁6秒間、待つ、
Bその場を離れたりする、
そんなご提案をしました。

あるいは、自分の怒りを相手に伝えることで、
自分を含め、相手や組織にメリットがある、と思えるなら、
その怒りをうまく相手に伝えることも提案しました。

では、どのようにしてうまく伝えるのでしょう。

その答えが、今注目されている
「アサーション」、「アサーティブ・コミュニケーション」です。


■ アサーティブとは

アサーティブ(Assertive)とは、日本語で「自己主張する」こと。

怒りの場面のみならず、
会議やミーティングなどで多勢に無勢で言いたいことも言えず、
納得できないまま終わってしまうこと、あるのではないでしょうか。

あるいは、
メンバーの中に自信満々で強引な人がいて、
その人が自分の意見で周りの人を強制的に説き伏せ、
周りを不快な気持ちにさせることも。

このように、言うべきことを言えないために、
あるいは言うべきことを過剰に言いすぎるために、
トラブルを招いている人は少なくありません。

自己主張しすぎるために、結果「パワハラ」と言われてしまうこともあります。
当の本人は、まったくの無自覚なのですが。

ということで、言うべきことをきちんと伝える方法を
考えてみます。
それが、最近注目されている「アサーティブ・コミュニケーション」
です。


■ アサーティブ・コミュニケーションとは?

繰り返しますが、
アサーティブ(Assertive)とは、日本語で「自己主張すること」。

しかし、ここでいう自己主張とは、
単に自分の意見だけを押し通すことではありません。

自分の意見や要望を適切に伝えて、
相手を尊重しながら問題解決にもっていくことです。


■ アサーティブ・コミュニケーションの3つのタイプ

● ノン・アサーティブ・コミュニケーション
自分の考えや気持ちを尊重しないまま、
あるいは表現しない(表現できていない)状態でのコミュニケ―ションです。
必要以上に相手の要求を受け入れてしまいがちなので、
ストレスを抱えてしまう原因になります。
また、曖昧な言葉で相手を混乱させてしまうこともあります。

● アグレッシブ・コミュニケーション
自分の考えや意見を過剰に優先させてしまうコミュニケーションです。
相手の主張を無視したり、威嚇的な態度や論理的でない主張をしたりしてしまうため、
その場では主張を通すことができても、
長期的には周りから近寄りたくない、関わりたくない存在
となってしまうことも多々あります。

● アサーティブ・コミュニケーション
自分の考えを主張し、相手の考えも尊重することができる
コミュニケーションです。
お互いの納得と理解のもとに業務を進められるので
組織のチームワークを高める土壌を築くことができます。


できるなら、三番目の「アサーティブ・コミュニケーション」が望ましいですね。
今のあなたは、この3つのコミュニケーションタイプのうち
どれに当てはまりますか?

パワハラにならない自己主張、
パワハラをはねつける自己主張、
今のビジネスシーンでは大切なことです。
では、その「アサーティブ・コミュニケーション」の方法とは?


■ アサーティブ・コミュニケーションの実践ステップ

1.事実を整理する
アサーティブなコミュニケーションを交わすには、
状況をきちんと理解し理論的に説明する必要があります。
冷静に状況を確認し、相手が納得できるようにプライオリティや
メリット、デメリットなどを伝えます。
これには、訓練が必要で、常に意識するだけで効果はバツグン!です。
自分の周りに、いつもイライラさせる人がいるなら、
今からトレーニングしましょう!

イライラする原因を明確にします。

例えば、急な依頼を受けたとき、
相手はあなたの忙しさをきちんと把握していないかもしれません。

今の自分は他の急用で手一杯。
そんな断らなければならない理由がある場合は、
急な依頼の他にどんなタスクがあるのか
プライオリティも含めて説明できるように整理します。

そうすれば「今、忙しいんだから無理です!」とすぐに突っぱねたり、
逆に受けられないのに言い出せず受けてしまったりといった、
どちらかが納得できない不本意な結果を防げます。

自分の現状を具体的に整理して説明することが大事です。
あくまでも冷静に。

となると、特に忙しい時は、自分の仕事とその優先順位を頭で整理しておいて、
いつ何時でも他者に説明できる状態にしておいたほうがいいですね。
これは、仕事の整理と効率化にも役立ちます。

2、事実(と感情)を伝える
状況が整理できたら、
事実を元にそれに対し自分がどう思っているのか伝えます。
発生している事実、つまり自分が抱えている仕事と相手からの要望に対し、
真剣な表情で主語を自分にしてどう感じているかを伝えます。

また、今抱えている案件の重要度と緊急度を伝え、
指示された仕事を含め優先順位を相手に委ねることもあるでしょう。

(3)要求を伝える
事実を伝えたら、最後に要求を伝えます。
それに対する相手の反応は、YESやNOだけとは限りません。
お互いが納得できるラインを探ることが、ビジネスシーンでは適切でしょう。
相手から反対されたら「代替案」「将来のメリット」などを出すなど
建設的な解決に向かえるようにする。

ほかにも
(4)態度や表情も重要
話している内容がアサーティブでも、眉間にしわをよせていたり、
目をみていなかったり、ぞんざいな態度、表情では台無し。
また、無意識に笑ってしまうのもNG。
真摯に向き合う態度、表情が求められる。


■ おわりに

アサーティブ・コミュニケーションを意識すると
いいこといっぱいです。

ストレスをためない、
パワハラにならない、
自由闊達なチームになる。
などなど。

今日は意識して、アサーティブ・コミュニケーションを
とってみませんか?

アサーティブ・コミュニケーションには、事実以外に感情をうまく伝えることも含まれます。
それは後日・・・

あなたも、アサーティブ・コミュニケーションを身につけて、
ストレスが少なく、かつ自分の成長が期待できる会社生活、送りませんか?


posted by suzumura at 14:21| Comment(0) | TrackBack(0) | コミュニケーション

2022年03月02日

怒りをうまく対処する



「アンガーマネジメント」再確認


20220203夕方@.JPG


ここ数年、「アンガーマネジメント」もしくは「アンガーコントロール」
といった怒りを鎮める方法が注目されています。

このブログでも、数回アップしています。

「あおり運転」をはじめ、お店や公共交通機関でのトラブル、無差別事件など、
怒りの爆発事例が続いています。

みんな「怒り」や「ストレス」を抱えているんだよなア、と思います。

特にコロナ禍で、ストレスの増加が加速していますね。
不条理な、まさに疫病神です。

一般的な日常でも「怒り」が発生しやすい状況にあるのではないでしょうか。

「ついカッとなって・・・」、
あるいは「溜まっていた怒りがつい爆発してしまって・・」、そんな声も耳にします。

「怒り」を爆発させることが本当の解決策か?

爆発させた直後はスッキリするかもしれないけれど、後からの後悔はつきもの。
取り返しのつかないこともあるでしょう。

また、日頃から怒りを溜めているタイプの人もいるでしょう。
それが爆発しないこと、あるいはうまく対処できる策を身につけた方がいいですね。

そこで今日は「アンガーマネジメント」を簡単におさらいします。


■ アンガーマネジメントとは?


直訳すると「怒りの管理方法」。
怒りの感情と上手に付き合うための心理教育または心理トレーニングとして、
1970年代にアメリカで生まれました。

当初は犯罪者のための矯正プログラムなどとして活用されていましたが、
時代と共に一般化され、企業の研修などにも取り入れられるようになりました。

・・・確かに、犯罪の奥には強い怒りがあるものですから・・・
ウクライナ侵攻も?


■ アンガーマネジメント解説

アンガーマネジメントが注目されるようになってから、
さまざまな方法が提唱されています。
その中の基本をお伝えします。

1.怒りを静める「6秒ルール」
「6秒ルール」は、定番です。
誰しも、イライラする出来事に遭遇することがあるもの。
そんなときに一番やってはいけないのは、反射的に怒りを表現すること。
怒りを表現することで、より自分も、そして相手もヒートアップさせてしまう。

そこでイラッとしたら、6秒間だけ待ってみる。
人は怒りが生まれてから6秒あれば理性が働くといわれている。
つまり、「人間の怒りは6秒で収まる」という訳です。

そこで、
「1、2、3……」とゆっくり数えている間に、
少しずつ気持ちが落ち着いてきて、冷静に考えることができる。

6秒の間に深呼吸をしたり、心を無にして思考を止めたりするのも効果的。

一度、試しにイラっと来たら6秒待ってみてください。
あるいはその時の状況を心の中で半数してみるのも手。
たとえば
「えっ!なんつう言い方すんの?腹立つ〜。ああイラっとしてんだオレ」
で、あっという間に6秒です。

「えっ!なんでやれんの?教えたでしょ!あっ私イライラしてる」

トレーニング的に、やってみてもいいでしょう。
いつやるか?今です!!(古っ・・)

2.結果を予想し対処する
6秒待っても収まらないときは、こんな手もあります。
「自分の怒り」を表に出すことの結果を予想する。
 @ 相手のためになるか?
 A 自分のためになるか?
 B 組織のためになるか?   

その結果、
「相手や自分、組織のためになる」と思うなら、
冷静に客観的に自分の想いを相手に伝える。

「相手や自分、組織のためにはならない」というなら
会話を打ち切ってその場から離れる。

怒りの感情が外に出る前に、トイレに移動したり、飲み物を買いに出てみたりする。
「悪い、ちょっとトイレに行ってくるわ」
「飲み物買ってくるから、ちょっと待って」

また、目を閉じたり、深呼吸したりしてみる。

いずれも、怒りの場から移動したり、気をそらすことで冷静になることができる。
冷静になると、冷静な判断や議論もできるというものです。

■ 6秒ルールが効かなければ

友人たちとの雑談で「アンガーマネジメント」が話題になり、
「6秒ルール」の話になりました。
すると、いつも「6秒数えても、怒りは治まらないよね」ということになります。

そんな時、私は、
「自分なりの怒りの鎮め方」を持っていた方がいいと思います。

「6秒ルール」でもいいし、
「席をはずす」でもいいし、
「目を閉じる」でも、「深呼吸する」でもいいでしょう。

あるいは「怒りの結果予想」も。

状況に応じて、使い分けてもいいですね。

自覚も必要ですね。
自分は怒りやすいタイプであるという自覚があれば、対処法も考えられます。
くれぐれも「パワハラ」にならないように。


■ おわりに

ストレスフルな時代です。

ストレスが溜まってくると、イライラしやすい。
疲れてくると、イライラしやすい。
うまくいかないと、イライラしてしまう・・・などなど。

一方、
ときには、心からの怒りを相手にうまく伝えることも
必要です。
その伝え方は、後日。

いずれにしても、
不用意な怒りを発し、
自分も相手も傷つくことのないようにしたいですね。

さて、あなたのアンガーマネジメント法は?



posted by suzumura at 10:19| Comment(0) | TrackBack(0) | コミュニケーション

2022年02月28日

部下のモチベーションをあげるには?


「認めまくる」という説


20220217樹.JPG


先日うっかり、以前購入したものと同じ本を買ってしまった私。
大嶋祥誉著
「マッキンゼーのエリートが大切にしている39の仕事の習慣」です。

2014年に購入したもの。
ちなみに、その本にいくつもポストイットが貼り付けてあることから、
参考になったようです。
で、改めて読み返してみると・・・。
若手・新入社員向けの働き方の教科書といえるのではないでしょうか。
そうはいっても、若手・新人でない私にも参考になる箇所も多くありました。

その中の一つをご紹介します。


■ 部下の能力を引き出すコツ(私がキャプションしました)

著者「大嶋祥誉」さんは、「できる上司」の特徴を次のように述べています。

マッキンゼーでは上司にとって重要な仕事ひとつは「部下の能力を引き出す」こと。
マッキンゼーの「できる上司」の特徴。
1.部下を認める。
2.部下に共感する。
3.部下をインスパイア(刺激)する。

部下の能力を最大限引き出すためには、部下を「認める」ことが何より大切。
「認める」と「褒める」は大きく違う。
「認める」とは、その人の存在そのものを認めること。
 その人のすばらしさを知っているということ。
「褒める」は、こちらが期待したことを、
 その部下が達成したときに行うもので、いわば条件つき。

人は条件好きで褒められるより、
存在そのものを認めてもらっていると感じたときにこそ、
やる気のスイッチがオンになる。
そして成長していく。

部下を成長させる上司とは、部下を「認める」上司のことだ。

その上で、「簡単な方法」を言及しています。
部下をとにかく認めて、認めて、認めまくること。
「この部下の強みは何か?」を、最低10個リストアップする。
そしてその強みを、部下自身に伝えてみる。

「○○君はいつも元気で、周りを明るくしてくれるね。それは君の才能だよ」

その結果、
「部下は、認められている、共感を得られたと考え、
居心地がよくなって能力が引き出される。
認めてくれた上司を信頼するようにもなる」
としています。

みなさんはいかがでしょう?

私が研修で「部下を認めることが大事」的なことを伝えると、
多くは「部下を認めるとつけあがる」という発言が必ず出てきます。

それでも、つけあがって、いい気になって、思いあがったとしても、
いいのではないかと思うのです。

それで本人のモチベーションがあがって仕事に前向きに取り組むとなれば、
ハッピーだと思うのです。

で、もし羽目を外しすぎたら、キッチリと注意したり、
叱ったりすればいいのですから。


■ 部下を認めるポイント

続いて、次のように述べています。

大切なのは、成果を出したから認めるのではなく、
その部下のありのままの存在を認め、
それをちゃんと知っているよ、感謝しているよ、と伝えること。

つい怒ってしまいがちな上司は、
一度、相手が誰であろうと「過剰に認める」くらいの勢いで接してみよう。
その部下が、現状ではバリュー(価値)を出せていなかったとしても、
ひとつや2つ、得意なこと、がんばっていることが必ずあるはず。

(例えば)
「返事が快活、笑顔がステキ、服や持ち物のセンスがいいなど、
なんでもいいのでいいところを見つけ、そこをまず、きちんと認めること。
問題点を指摘するのは、そのあとで十分。
認められた部下は、どこを認められようと、
テンションが上がることで結果として全体的なバリューの向上が期待できる。


■ おわりに

まずは、自分の部下一人一人の良いところ、10点以上挙げることできますか?
日頃から部下一人一人を観察していないと、厳しいかも。

ともあれ、部下を認めて、認めて、認めまくる。
褒めるのではなく、認める。
やってみてもいいかもと思います。

コロナ禍でコミュニケーション不足もある日常。
外見でもいいので、見つけて認める。
ちょっとしたあなたの一言が、部下のモチベーションをあげるでしょう。
もしかしたら、あなたの一言が、部下の転機になるかもしれません!!



posted by suzumura at 21:18| Comment(0) | TrackBack(0) | コミュニケーション