2023年06月06日

星野佳路社長「よくよく考えれば・・・」


星野リゾート社長「よくよく考えれば予測できたはすです」

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先日の日経新聞で、ピン!とくるフレーズを見つけました。

日経新聞(2023/6/1)「私のリーダー論」では、
星野リゾートの星野佳道路社長のインタビュー記事が掲載されていました。

テーマは「一人ひとり考える組織に」

星野社長といえば、あの高級旅館、ホテルを全国、いや世界で運営している剛腕社長です。
その発想力とか行動力は、とても参考になり、記事やTV出演をチェックしています。

その星野社長の発言の中に、私的に注目したフレーズがありました。
「ようよく考えれば予想できたはずです」
・・・確かにそうだよな。気がついてもスルーしてしまっているから、と
 気づいた私です。

インタビューでは、「心配に学んだこと」を尋ねています。
星野社長は「失敗というより、対応が遅れたことが何度かあります」と対応。

アフターコロナへの対応のこと。
かいつまんでいうと、
コロナ禍が落ち着き
「旅行需要が回復し、予想を超える数の運営依頼がオーナーさんから舞い込んだ」

好条件だったので多少無理をして依頼を受けたところ、
人材やマーケティングのリソース確保が遅れ、
組織に一時的に大きなストレスを掛けた」
とのことです。
・・・「大きなストレスを掛けた」という言い回しも、独特ですね。

続けて
「コロナ禍の役3年間で施設数は41から67に増えました。
本当に、予測不可能な数字だったかといえばそうではない。
よくよく考えれば予想できたはずです。
リーダーシップでは先々のことをいかに予測し、準備し、
対応できるかが常に問われます」

日頃業務では、さまざまな変更、変化などが日常化し、
常にそれに対応しなければなりません。

思いもよらぬ案件だ、予想だにしない問題だ、とか言ってしまいそうですが、
星野社長の言葉を借りれば、先手先手で見通すことは不可能ではないはずですね。

よくよく考えてみると、私たちの周りで発生する予期せぬ出来事も、
なにかしら兆候があったり、業界や世界を見渡していると予測ができること、
あるのではないでしょうか。

経営環境も社会環境も常に変化し続ける現代、意識してその次を予測することが必須。
と、考えさせられた一文でした。

「よくよく考えたら予測できたはず」と、あとから後悔しないように、
アンテナを張り巡らしておくこと大事ですね。

あなたの、職場、会社、業界、あるいはプライベートで、
次に起こりうること、予測させることは、なんですか?
勝ち残っていくために、生き残っていくために重要な視点です。



posted by suzumura at 09:25| Comment(0) | TrackBack(0) | リーダーシップ

2023年05月15日

オーセンティックリーダーシップ


自分をさらけ出す「オーセンティックリーダーシップ」

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ビジネスシーンで必要なリーダーシップ論は、
時代の変遷に伴い新しい理論が次々に発表されています。
代表的なのは、PM理論、SL理論など。

最近は、「オーセンティックリーダーシップ」なるものが注目されています。

ちょいと前の日経ビジネス(2023.4.17号)では、
著名な「入山章栄氏」の著書
「経営理論をガチで当てはめてみたら自分のちょっとした努力って間違ってなかった」の中で、
紹介されています。


■ オーセンティックリーダーシップとは

端的に言うと、自分をさらけだすリーダーシップ。

これまでは
「みんなを引っ張っていく力強いリーダーが必要だった。
リーダーが上から目線で『俺が俺が』という感じてやっていくと
心理的安全性がなくなり、
メンバーは発言しないからチームが機能しなくなる」

「オーセンティックリーダーシップは、自分そのものをさらけ出すから、
メンバーは『この人は何か頼りないけれど、嘘偽りはない。
じゃあ、サポートしてあげよう』という気持ちになる」

そこで
「組織の求心力や心理的安全性が高くなり、
みんなが多様な意見を言ってくれるようになり、結果的に組織として機能する」

「人の出入りが激しく、変化の激しい時代には、こういうリーダーがすごく重要だと、
経営学では言われている」

・・・確かに。
複雑で不安定な経営環境の中、これまでのリーダーシップのやり方ではう
まくいかない場面が多いようです。

「自分をさらけだすリーダーシップ」か・・・。

ふと、20年前のあたしがこの理論を知っていたら、
もっとうまくいったかもしれないな〜〜と思う今日この頃です。

いずれにしても、ビジネスパーソンとしては、
古典的なものから最新のものまでリーダーシップ理論を学び、
自分にあったリーダーシップを発揮したいものですね。

「オーセンティックリーダーシップ」やってみる?

posted by suzumura at 21:36| Comment(0) | TrackBack(0) | リーダーシップ

2023年03月17日

ホワイトボード、有効に使ってますか?


ホワイトボードでミーティングを活性化

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ビジネスシーンでは、対面でもリモートでも、
ミーティングや打合せ、会議って多いですよね。

生産性が高くないような会議も多いようで、
「時間のムダ」と感じている方も多いのではないでしょか。

そこで質問です。
会議でホワイトボードをうまく使っていますか?
特に単なる報告のための会議ではなく(多くありますが)、
なにかを決めるための会議では、ホワイトボードはとても有効です。
昨今、定着しつつあるリモート会議でもホワイトボード機能を使うことができます。

ただ私の経験では、例えば研修でグループ討議時にホワイトボードを使うように
お願いしていますが、有効に活用できていないケースが多いように見受けられます。

たとえば、出された意見をそのまま記入するだけとか、
板書役が書きに徹して発言しないとか・・・。
これでは効率的な会議運営とはいえないですね。

何度もアップしている「ホワイトボードの使い方」ですが、
改めてホワイトボードの有効な活用法を確認したいと思います。

ホワイトボードを上手く活用することで、時間を削減できたり、
生産性が数倍にもなるとも言われていますよ!!


■ ホワイトボードは会議に不可欠!

生産性の高い会議を行うためには、
参加者の間で目的や会議の進捗、そして結論の共有が大切です。
たくさんの意見が飛び交っても、全員が同じ方向を向き、
流れを共有していなければ有意義な会議にはなりません。

ホワイトボードで重要な情報を共有することで一体感が生まれ、
会議に集中できるというメリットもあります。

1.無駄な発言をカットできる
発言された意見をホワイトボードに書いていくため、似たような発言が出なくなる。
また、似たような発言でも、ホワイトボードに可視化されているため、
すぐに確認して次の話に進むことができる。
⇒ ちなみに、参加者全員に発言を求めたい場合は、
  似たような内容だとしても発言に耳を傾けること。
  異なる見解がある場合は加筆する。

2.すれ違ったままの議論がなくなる
ホワイトボードで議題や意見を確認することができるため、
議論の前提や方向性、認識が理解、共有されやすくなる。
5Wも利用して認識違いを防止しよう。

3.全員が参加しているという一体感を作り出せる
ホワイトボードに意見を書きながら議論すると、
全員の視点がホワイトボードに集まる。
全員が一点を見つめながら話し合うことにより一緒に考えているという一体感が生まれ、
「合意」の結論にも達しやすくなる。

ほかにも、「参加者が顔を上げる」と言う効果もあります。
紙の資料だけでは、みな資料を見て下を向きっぱなしになりがち。
顔を上げることで議論が活発になる。


■ ホワイトボードの役割

@ 会議の目的やゴールを共有する
最初に会議の議題やゴールなどを書いておくことで、
会議の目的やゴールを共有することができる。
口頭のみで説明するよりも、内容が頭に入りやすい。

A 会議の流れを可視化する
議論の流れを可視化するという役割もある。
話し合うべき議題がどの段階まで進んでいるかを全員が共有することができる。

B 決定事項を共有する
決定した内容や、今後の課題や改善策などをホワイトボードに書いておくことで、
決定事項を全員で共有できる。
参加者の誤解や確認漏れを防ぐこともできる。
また、会議終了後のホワイトボードを写真などで残しておくことによって、
議事録の代わりにもなる。


■ ホワイトボードに書いておくべき事項

これは大切です。以下の項目を書いておくだけで会議の質は向上します!
・会議名
・本日のテーマ
・所要時間(開始時間と終了予定時間)
・ゴール(出したいアウトプット)
 
これらを始めに書いておくだけで、脱線や結論が出ないといった問題が減る。
参加者の意識も共有できる。


■ 見やすくてわかりやすくするための書き方


1.発言をそのまま書くのではなく要点だけを書く
よくあるのが出された発言をそのまま書いていくケース。
これでは時間がかかり、議論が中断してしまう可能性がある。
また、言いたいことのポイントがわからなくなることもある。
そこで、要点だけをまとめて簡潔に書く。
発言内容を、一言一句書く必要はなく、箇条書きしながら簡潔になるように工夫する。
ただし、後から見ても内容がわかるように意見をまとめる力も必要。
まとめることが苦手な場合は、まずはキーワードをピックアップし
意図が伝わる程度の文章で書く。
発言をしばらく聞いて、ある程度意図がつかめてから書き始めるといい。
なお、書出したことについて、発言者に内容の確認をとることも効果的。
いずれにしても、発言者が「何と言ったか」ではなく、「何を言いたかったか」を汲み取ることがポイント。

2.見やすい文字で書く
ビジュアル的に「見やすく」書くことも大切。
文字は大きすぎず、小さすぎず、最後列の人が認識できる大きさで。
ホワイトボードに書く文字は「斜体」は見にくい。
あえて丸い文字、あるいは角ばった文字で書くように意識するといい。

3.マーカーの色を使い分けて書く
通常の発言は黒で、重要事項は赤や青などに変えるなど工夫することで
わかりやすくなる。
後から見直しても、何が重要か一目でわかる。

4.強調の技術を用いる
・文字を大きく書く、太字にする
・文字を囲む、下線を引く
・マークをつける
・図やグラフを用いて情報をわかりやすく整理する。


■ おわりに

ダラダラで結論が出ない、誰が何をやるのか決まらない、
など会議の非効率さは、多くのビジネスパーソンが思っていること。

そんな会議の不具合をカイゼンするために効果的なのがホワイトボード。
「スピード」「モチベーションコントロール」「議論の発散と収束」などを意識しつつ、
ホワイトボードを有効活用することが必要ですね。  

また、自分がホワイトボードを使って議論をまとめることによって、
確実にリーダーシップも身につきます。

たとえ失敗したとしても、大丈夫。
しっかりとふりかえることで改善し、かつトレーニングだと認識しましょう。

ということで、あなたも、あなたの部下にもホワイトボード書きを指名してみませんか?

・・・この、ホワイトボードの使い方、レクチャーとワークしたいです!!

posted by suzumura at 18:58| Comment(0) | TrackBack(0) | リーダーシップ

2023年02月17日

板書役


板書役を有効活用

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先日(2023/2/14)の日経新聞「就活のリアル」面で、
「グループ討議での役回り」というテーマが取りあげられていました。

・・・この「就活のリアル」は、毎回欠かさず読んでいます。
就活へのアドバイスを通じてビジネスのいろいろな側面の最新情報が得られます。


この記事内容をかいつまんでいうと。

就活ではグループディスカッションの場面も多い。
そんな中、就活生からこんな意見があった。
「書記のなり手がいなくて、しかたなく引き受けたが、
ほとんど発言できずに落ちたようだ」

就活のグループディスカッションでは、
司会や書記など役割が決められることも多い。
書記役でもしっかりと発言しなければ、印象が薄くなり損をする。

そこで、筆者(ハナマルキャリア総合研究所の上田晶美)は、
2つの対策を提示しています。
1.途中で話合いを整理したり促したりして、司会のような立ち回りをする。
2.最後の発表を書記が引き受ける。

こうすることで、発言不足を撤回でき、自らまとめるので発表しやすく、
かつ存在感が高まるという訳です。


私が担当する研修でも、グループディスカッションを多く取り入れています。
そして、役割分担することも促しています。
つまり、司会進行、板書(ホワイトボード記入)、発表、タイムキーパーなどで、
交替で担当し、積極的なグループ討議を体験してもらいます。

そんなグループディスカッションについて、
受講者から次のようなアンケート回答がありました。
「グループディスカッションの場合、板書役では板書に集中すべきと考え、
発言しなかった」

実は、講師としては、板書役でもグループディスカッションでの発言が少ないのは、
積極性や自主性が低いと映っていました。
・・・私的には、どんな役割でも積極的に発言して議論を前進させ、
議論の目標を達成することが必要と考えています。

中には、進行役を抑えて、板書しながら議論を進める逸材もいますが、
多くはあまり、ほとんど発言しません。
やはり、遠慮しているのでしょうね。

そこで思い出すのが、
私の好きな「ホワイトボード前に立つ」というリーダーシップ育成論です。
出典は「採用基準」伊賀泰代著。

タイトルは「採用基準」ですが、
内容はリーダーシップに関するもので、非常に役立ちます。

その中に「マッキンゼー流リーダーシップの学び方」という章があり、
そのひとつに「ホワイトボードの前に立つ」が取りあげられています。
リーダーシップを学べる機会とし、新人コンサルタントに課せられるというのです。

本書には
「ホワイトボードの前に立って議論のリーダーシップをとるには、
会議の参加者が発する意見を全体像の中でとらえ、
議論を整理して議論のポイントを明確にしたり、
膠着した議論を前に進めるために視点を展開したりと、
さまざまなスキルが求められる。
このホワイトボードの前に立つという経験を通して、
新人コンサルタントはディスカッション・リーダーとしての訓練を積んでいく」

ここ、いいですねえ。大好きです。

ということで、結論。

マネジメントとしては、
部下育成のために、ミーティングなどで部下に順番に
ホワイトボードの前に立つことを奨励してはいかがでしょう。
「ファシリテーション」についても説明しておくとよりいいですね。

もちろん、自身が研修に参加しグループ討議の場面があったら、
積極的に板書役を買って出て、出された意見をサクサクとまとめたり、
発言者に内容を確認したりして議論を前進させる力を発揮するのもいいですね。

ホワイトボードの前に立つ。
です。



posted by suzumura at 22:29| Comment(0) | TrackBack(0) | リーダーシップ

2022年12月15日

緊急ではないが重要なこと


緊急ではないけれど、重要なことを後回しにしていない?


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多忙なビジネスパーソンの私たち。
ついつい、緊急なタスクを優先がちですね。

とにかく、目の前の業務をこなし続けなきゃならない。
そうしなければ、仕事がまわらなくなる。

そんな声を、研修でも耳にします。

確かに確かに、緊急な業務をとりあえずこなさなければならないのが、現状でしょう。

でも、ここでちょいと立ち止まって考えてみてもいいのではないでしょうか。

例えば、
・この業務は、本当に重要なのだろうか?
・・・もしかして、客観的に見てみると、重要でもなければ、緊急でもないかもしれません。

・この緊急で重要だと考える業務は、自分が担当しなければならないのだろうか?
・・・ついつい、責任感の強い自分は、自分がやらなければならないと考えてしまう。
けれど、実は、部下などに委ねてもいいのかもしれない。
部下に任せたら、部下の向上や自信につながるかもしれない。

・この業務は、本当に緊急なのだろうか?
・・・客観的に見てみよう。もしかして、今すぐやらなくてもいいかもしれない。

などなど。

そして、今日、言いたいことは、
そんな緊急で重要なこと(と思い込んでいること)を優先しがちな昨今、
実は緊急ではないが重要なことを後回しにしていないか、ということです。

もしかして、それは緊急ではないと、自分で思い込んでいるかもしれません。
実は実は、それは、非常に緊急で重要なことかもしれません。

それは、人間関係です。

もちろん、顧客との人間関係、信頼関係構築は、必要だという認識は高いでしょう。

が、社内の関連部署との信頼関係も、この経営環境の変化が激しい時代、大切です。

さらには、グループ会社、つまり子会社との関係。
なおざりにしていませんか?
自分たちがあるのは、子会社の人たちがあってこそのものです。

さらにさらに、部下。
部下のやる気、意識、モチベーション。
また、キャリアビジョン。

気づいているけれど、後回しにていませんか?

ぜひとも、重要だけども緊急ではない、と思っている事。
思い込んでいる事。

このさい、見直してみませんか?

私が心配しているのは、放置している部下のことです。

posted by suzumura at 15:24| Comment(0) | TrackBack(0) | リーダーシップ

2022年12月02日

OJTを見直す


OJTは、部下育成の基本

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世の中、さまざまな育成スキルが提唱されています。
そんな中、王道の指導スキルは「OJT」と言えるでしょう。

まずは復習から。

■ OJTとは

オン・ザ・ジョブ・トレーニング(On-the-Job Training)。

OJT指導者(上司・先輩)がOJT対象者(部下・後輩)に対して、
日常業務の中で、仕事を通して職務遂行に必要な基本能力(知識・技能・態度など)を
「意図的」「計画的」「段階的」「重点的」に習得させる育成方法です。

その基本は・・。
第一次世界大戦時、米国で、
造船所の従業員教育の責任者を命じられたチャールズ・R・アレンが
開発した訓練法が土台とされています。

ちなみに、人材育成の3本柱は、
OJT(職場内指導)、OFF-JT(外部研修参加など職場外研修)と、
SD(自己啓発)となっています。


■ OJTのポイント

この4つのポイントはおさえておきたいですね。

1.意図的に教える 目的をもって教える。
2.計画的に教える いつまでに、何を、どこまで身につけてほしいかなどを、計画する。
3.段階的に教える 部下のレベルに合わせ、段階的にレベルアップする。
4.重点的に教える 期限内にどうしても身につけてほしい知識や技能を、重点的に教える。


■ OJT「基本的6つのステップ」 

第1ステップ「育成目標の設定」(OJT目標)
  組織目標を踏まえ「育成目標(あるべき姿)」を設定する。
第2ステップ「必要能力と対象者の現状把握」
  育成目標を達成するために必要な知識・能力などを
  分析(棚卸)するとともに、対象者の現状レベルを把握する。
第3ステップ「育成計画の作成」
  @必要能力と現状とのギャップをうめるための「課題=習得すべき事項」を設定する。
  A指導方法(どうやって)と期限(いつまでに)を設定(期間は1年間、半年、3か月)。
第4ステップ「上司の承認、対象者との話し合い」
  @「育成計画表」を上司に報告し、助言、承認を得る。
  AOJT対象者に説明し、要望など把握する。
第5ステップ「実践」  
  計画にもとづいて実施する。
第6ステップ「評価」  
  期限が終了したら評価(対象者と指導者双方)したうえで、上司に報告する。

そして次の「目標」を設定する。


■ おわりに

指導育成の基本は「OJT」!

どなたもご存知だと思いますが、
改めてその基本を押さえておくことも、いいでしょう。





posted by suzumura at 18:04| Comment(0) | TrackBack(0) | リーダーシップ

2022年08月08日

優れたリーダーの行動特性


優れたリーダーには共通した行動特性がある


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PCを整理していたら、興味深い記述を発見!
やや古い資料(2015年)ですが、現代にも通ずると思います。
参考にしてみてはいかがでしょう?


■ 優れたリーダーに共通する8つの行動特性

1.戦略志向
 広範囲で複雑、しかも分析的かつ概念的な考え方をしている。
2.市場に対する洞察力
 市場を深く理解しており、それが事業にどのような影響を及ぼすか、
 きちんと把握している。
3.結果志向
 事業目標を目に見える形で達成する、という固い意思がある。
4.顧客への影響力
 顧客サービスに情熱を持って取り組んでいる。
5.コラボレーションと巻き込み力
 自分の指揮系
 統の外にいる人々まで含め、仕事仲間やパートナーと上手に共同作業ができる。
6.人材育成
 トップレベルの人材を育てるなど、自社の実力を高める能力がある。
7.チーム・リーダーシップ
 それぞれのチームに目を配り、目標を与え、
 仕事のできるチームに育てることができる。
8.チェンジ・リーダーシップ
 組織を変革し、新しい目標に舵を切り直させる能力がある。

設問1・・・上記の中で今の自分が持っている行動特性はなんですか?
設問2・・・足りないと思われる行動特性はなんでしょう?
設問3・・・今後どのような行動特性、つまり能力を高めたいと思いますか?


■ おわりに

リーダー論もリーダーシップ論も、百花繚乱。
そして時代の変遷に応じて、解釈のしかたも変わっていきます。
とはいえ、
今の自分に必要だと思われる能力を確認しつつ、
身につけていく姿勢、必要ですね。


posted by suzumura at 07:27| Comment(0) | TrackBack(0) | リーダーシップ

2022年07月26日

PM理論


今の自分のリーダーシップ行動特性を確認しよう

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今の自分はリーダーとして
人間関係を重視しているか、課題達成を重視しているのか、
定期的にチェックしてみませんか?


■「PM理論」による4つのリーダーシップ行動チェック

リーダーシップ行動理論の代表とされるのが、
1966年に社会心理学者「三隅二不二(みすみ-じふじ)」によって提唱された
「PM理論」です。

社会人であれば一度は耳にしたことがある、ともいわれています。
PM理論はわかりやすく汎用性も高いため、
提唱後60年近く経った今でも様々な場面で用いられています。

リーダーシップとは、Performance「目標達成機能」と
Maintenance「集団維持能機能」の2つの能力要素で構成されるとし、
「PM型」が最も理想的と定義しました。

・「P機能」・・・成果を上げるために発揮されるリーダーシップのこと。
目標設定や計画立案、メンバーへの指示などによって目的達成、課題解決を図り、
業績や生産性を高める機能を指す。

・「M機能」・・・集団をまとめるために発揮されるリーダーシップのこと。
人間関係を良好に保ち、チームワークを維持・強化する機能を指す。

この「P」と「M」の2つの能力の大小によって、
4つのリーダーシップタイプ(PM型、Pm型、pM型、pm型)に分け、
PとMが共に高い状態(PM型)のリーダーシップが望ましいとされています。
それでは、セルフチェックしてみましょう。

■ PM機能のチェックリスト

次の各項目について、普段の行動について当てはまるものに
チェックをしてみてください。

<P機能>
@(  )目標を明確にし、部下に目標をたえず意識させている
A(  )目標達成のための計画を立てている
B(  )部署としての方針を決め、それを徹底させている
C(  )何をどのようになすべきかを決定している
D(  )目標達成のための方法を具体化し、それを部下にしっかり理解させている
E(  )部下に役割を割り振り、それぞれの役割分担を明確にしている
F(  )部下に行動の開始や役割の遂行を促している
G(  )それぞれの部下の仕事の進捗状況を把握している
H(  )仕事の進み具合について、部下から報告を求めている
G(  )自分が部下たちに何を期待しているのかを知らせている
I(  )目標達成の過程で生じた問題点を明確化し
 その対処法についてアドバイスを与えている
J(  )規則やルールとして決まっていることを、部下に徹底させている
K(  )自分自身の向上のため、専門知識や技能の習得に励んでいる
L(  )それぞれの部下の成果を正確に把握し、正当に評価するようにしている

<M機能>
@(  )部下たちから気軽に話せると思われている
➁(  )快適かつ友好的な雰囲気の醸成・維持に配慮している
B(  )変更があればあらかじめ部下たちに知らせている
C(  )自分がとる措置について、その理由を説明している
D(  )部下相互の情報交換、交流を促進している
E(  )少数派にも発言の機会を与えるよう配慮している
F(  )部内でいざこざが生じたときは仲裁する
G(  )集団の和を乱す部下に対しては適切な対処をしている
H(  )部下一人ひとりの意見を尊重し、自主性・当事者意識をもたせている
I(  )部下一人ひとりの気持ちに配慮し、不平・不満に耳を傾ける
J(  )悩みや迷いを抱える部下の相談に乗る
K(  )このチームで良かったと思えるような気配りをする
L(  )部署の代表として、必要なときは他の部署の人たちとの交渉を行う


■ まとめ

P機能(目標達成機能)とM機能(集団維持機能)のどちらのチェックが多かったですか?
このチェックをするだけで、今の自分がどの機能に重点を置いているかがわかります。

三隅二不二氏は、その2機能のバランスが取れている状態が理想的だとしました。
今の自分の足りない面は改善し、あるいは右腕とされる部下に補完してもらう。
そして強みは強化する。
リーダーとしての自分の今を再確認してみませんか?

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2022年06月16日

フォロワーシップ


フォロワーシップも重要な機能


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リーダーシップについては、80年以上も前からさまざまな研究がなされ、
多くの理論が提唱されています。

ビジネスパーソンなら、イロイロ学んでおられることでしょう。
でも、どのリーダーシップ論が正しいのか?
私的には「PM理論」と「SL理論」が基本だと思っています。
が、イロイロありすぎて、わからない・・・となる。

そこで、神戸大学名誉教授で、有名な「金井壽宏」教授は、
「リーダーシップとは、正解はなく、
自分で持論を作ってそれを実行するというもの」
との発言があります。
確かに、外部環境や内部環境、そして職場環境や存在するメンバーによって
リーダーシップって、変わってきますものね。

さて。

一方、最近、組織においては、
リーダーシップのみならずフォロワーシップの重要性についても
注目されています。


■ フォロワーシップとは

組織としての成果を最大化するために、
チームメンバーがリーダーを支援する機能のこと。


1990年代になると、組織力の向上のためにはチーム全体の力が必要であり、
リーダーシップ論だけでは不十分だという考えが生まれ始めました。

カーネギーメロン大学ロバート・ケリー教授の研究によると、
組織が出す結果に対してリーダーが及ぼす影響力は1〜2割程度、
残りの8〜9割はフォロワーの力に左右されると示されています。


■ フォロワーの5つのタイプ

上記バート・ケリー教授は、フォロワーの5タイプを
提唱しました。

横軸と縦軸のフレームで考えます。

横軸:貢献力
・自らの実力を発揮してリーダーを支援し、 組織の目的達成に貢献する力のこと。
・評価の基準は「積極的に関与・貢献しているか?」

縦軸:批判力(提言力)
・指示を受けるだけではなく、自らの意見を述べたり、
必要であればリーダーの方針を正すことのできる力。
・評価の基準は「主体的に行動しているか?依存的であるか?」

それぞれの軸の能力を高低で2分し、4つのタイプに分けます。
最後に、それぞれの力が「中程度」となる5つ目のタイプがあります。

@ 模範型フォロワー「協働者」 
・貢献力「高」(積極的)、批判力「高」(主体的)の理想的なタイプ
・主体的、かつ積極的に動ける良きフォロワーであるだけでなく、
 時にリーダーシップを発揮する事もできる。

A 孤立型フォロワー「破壊者」
・貢献力「低」(消極的)、批判力「高」(主体的)の評論家タイプ。
・批判するばかりで自らは積極的に動かないため、周囲から孤立する事も多い。
・リーダーやメンバーと信頼関係を築くことが出来れば、
 「協働者」となるポテンシャルも持っている。

B 順応型フォロワー「従事者」
・貢献力「高」(積極的)、批判力「低」(依存的)のイエスマンタイプ。
・一見よきフォロワーに見えるが、リーダーへの依存度が高いため、
 このタイプが多い組織は発展性が低くなることがある。
・指示通り都合よく動いてくれるので、
 このタイプばかりを重宝するリーダーが多いことが問題視されている。

C 消極型フォロワー「逃避者」
・貢献力「低」(消極的)、批判力「低」(依存的)の強制労働者タイプ。
・自ら考えることをせず、指示されたことを嫌々ながら最低限こなすだけの人々。
・フォロワーシップの考え方には当てはまらない組織との関わり方といえる。

D 実務型フォロワー「実践者」
・貢献力、批判力ともに「中」の凡庸なタイプ。
・自らの業務の範囲内でフォロワーシップを発揮する。
・このタイプは、ストレッチした目標に挑戦することで、
 「協働者」を目指したいところ。

【設問】
1.あなたの部下、後輩たちはどのタイプに入るでしょう?
2.それぞれのタイプに当てはまる、部下、後輩を
  どのように育成していけばよいでしょう?


■ おわりに

 中堅社員という立場では、フォロワーになる回数の方が、
リーダーになる回数よりも多いことは確か。

 そこで、質問です。
皆さんの部下、後輩は、自分の意見をきちんと伝えられているでしょうか?
それとも、反対だけして後は知らぬ振りをしたり、
表面上は黙ってリーダーに従いながら、
陰では同僚と愚痴を言いあったりしているでしょうか?

部下、後輩としては、批判(提言)するというのは勇気がいることであり、
嫌われて今後の活動に影響が出るのではないかと不安になるかもしれません。

それでも、貢献する力と批判する力(提言する力)をバランス良く発揮して
組織の成果を出そうとする、良き協働者を目指すことが求められます。

それが、本人のリーダーシップ養成にもつながります。

タイプに合わせた「指導、育成」、心掛けたいですね!!

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2022年04月19日

SL理論による部下育成


部下に合わせた指導法


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先日、部下の能力とやる気に合わせた指導法
「Will/Skillマトリックス」をご紹介しました。

同じように部下の状況に合わせた指導法「SL理論」も知っておくと便利です。


■ SL理論(シチュエーショナルリーダーシップ理論)とは?

SL理論とは、1977年にポール・ハーシーとケネス・ブランチャートが提唱した、
リーダーシップ条件適応理論で、三大リーダーシップ理論の一つとして有名です。
@「SL理論」 ➁「PM理論」 ➂「マネジリアル・グリッド理論」

チーム内の多様な人材(部下)に対して、一律に指導するのではなく、
部下それぞれの状況に合わせて4つのリーダーシップを発揮すべきという理論です。
いわば、部下に合わせた指導方法といえます。


■ 指導方法を4つの枠で考える

SL理論の分割の定義については様々な解釈がありますが、
今日は「部下育成」に絞って解説します。

部下について「サポートやコミュニケーションの必要性」と「業務指示の必要性」
の大小に合わせて4分類します。

それぞれを「教示型・説明型」「説得型・コーチ型」「援助型」「委任型」とし、
対応した指導を行います。

S1:教示型・説明型指導
一般的に新人や未経験者を対象にしたものです。
仕事に対して具体的な指示と確認、管理を細かく行います。
慣れてきたら、サポートはそこまで行わずに
まずは当人にやりきってもらいます。

S2:説得型・コーチ型指導
ある程度仕事に慣れてきた人向けのものです。
コミュニケーションを密に行い、仕事の意義や目的を伝えるとともに
部下からの質問に納得がいくように答えていくことで、
部下の仕事への責任感が芽生えたり、
リーダーシップを醸成します。

S3:参加型指導
業務を遂行する能力は高いけれど、
自分で意思決定できないという部下向けのものです。
仕事を遂行する能力は高いので、業務への指示は具体的には行わず、
重要なポイントや意思決定における基準を伝えたり、
部下に自信を持ってもらうために不安なことを解消したり、
承認したりすることなどを通して支援していきます。

S4:委任型指導
仕事を遂行する能力や意欲が高く、
指向性や判断基準など説明をする必要がないベテラン社員向けのものです。
部下と話し合って目標や課題の共通認識を持ち、
目標達成や課題解決のための仕事の進行を任せて、
成果の報告をしてもらうという関わり方をします。


■ おわりに

部下の業務能力や心理状態は多種多様で、刻々と変化しています。

日頃からよく観察しながら、部下に合わせた指導を行い、
また部下の状況変化に合わせて指導法も変化させる必要性があります。

指導法を変化させる場合は、その理由を明確に伝え、
部下のモチベーションの維持向上と、能力向上を支援することも大切ですね。


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2022年02月09日

リーダーの役割



リーダーが果たすべき役割とは?

20220121太陽.JPG


私は研修講師として、階層別研修やリーダー研修を担当することがあります。
それらの研修では、リーダーの役割を確認することからスタートします。

リーダーの役割を実践しておられる人も多いのですが、
忘れている、おろそかになっていることがある、と言う声も聞きます。

定期的にリーダーの役割やリーダーに求められる能力を再確認することも
必要だと考えます。

ということで、今日は、リーダーの役割をおさらいします。

ちなみに、リーダーの役割は、
多くの研修機関で様々な切り口で論じられています。
一つの考え方として参考にしていただければ幸いです。


■ リーダーの4つの役割

リーダーには、組織の中の責任ある存在として全力で仕事に取り組み、
積極的に人や事柄に関わって、高い成果を求めていく姿勢が求められます。

ビジネスパーソンとしては「目標を達成すること」が重要課題のひとつです。

また、リーダーならば「組織目標の達成」とともに、
「職場力の強化」も求められます。
この2点を達成するために必要なのが、次の4つの役割です。

1.目標達成のマネジメント
目標達成に向けて確実に仕事を回す。
・目指す姿の実現に向けて、目標を設定して実行し、
 評価していくプロセスを実践する。
・職場目標を達成するために何をすべきか考え、具体的な計画に落とし込む。
・期限内に完了させるよう、進捗状況を管理する。
・状況に合わせて的確な判断をして決定し、変化に対応する。

2.職場の問題解決
目標達成の過程において発生した問題の解決や問題の防止、
潜在的な問題の発見・解決を図っていく。
・必要な情報や事実を収集し、現場で何が起こっているかを把握する。
・発生した問題のみならず、潜在的な問題を把握し、
 問題の本質を明らかにするととともに的確な判断をして解決する。
・発生した問題を繰り返さないように、カイゼン、定着、ルール化を図る。

3.部下の育成
部下の特徴を把握して育成計画を立て、成長を促す視点から
業務の分担や目標設定を行い、その完遂・達成や学ぶプロセスを支援していく。
・業務遂行における計画や手順を明確にして、具体的に部下に指示を出す。
・部下の技能、技術やモチベーションに合わせた指導をする。
・部下に合わせた承認(叱りる、ほめるなど)を行い成長を促す。
・部下からの意見やアイデアが言い出しやすい雰囲気を作り、とりあげる。
・仕事の意義や目的とともに、部下に何を期待しているかを伝える。

4.イキイキとした職場づくり
チームの業務が円滑に進むように協働する関係づくりや、
お互いに励まし合い、刺激し合い、向上を図ってく切磋琢磨の関係づくりをする。
・職場・仕事のありたい姿・理想像を、部下に伝える。
・職場内で活発なコミュニケーションが行われるよう率先して取り組む。
・メンバー同士、お互いに認め合い、助け合う雰囲気作りをする。
・メンバー全員が、仕事にやりがいを感じ、
 前向きに取り組むような環境づくりをする。
・新しいことにチャレンジすることを推奨し、そのメリットも
 部下に分かりやすく説明する。

【設問1】
上記4つの役割の中で、今、一番力を入れていることはなんですか?
その理由は?

【設問2】
最近、なおざり(深く心にとめないさま。本気でないさま。いいかげん)
になってしまっている役割はなんですか?
その理由はなんでしょう?


■ 参考「リーダーの役割を達成するために必要な5つの能力」
・課題形成力 = 何をすべきかを設定していく力
・課題遂行力 = どうすべきかを考え、やり遂げていく力
・対人対応力 = 関係者を巻き込んでいくコミュニケーション力
・知識・技術・技能 = 担当する業務遂行に必要な知識、技術、技能
・執務姿勢 = 自主的・主体的に取り組み、やり遂げていこうとするマインド


■ おわりに

コロナ禍もあり、多忙な中で、おろそかになっている役割、ありませんか?

もちろん、状況や変化に応じて、それぞれの注力度合は変わってくるものです。
とはいえ、リーダーとしては、4つの役割を意識して
日々業務に取り組むことが必要ではないでしょうか。

ちなみに、「目標達成」「問題解決」「部下育成」「職場環境整備」は、
役職が上がっていっても求められる役割です。

異なるのは、それぞれの責任範囲が広大になっていくということであり、
自分が直接担当するのではなく、部下に委ねてマネジメントし、
達成するということです。

今一度、リーダーの役割確認してみませんか!

posted by suzumura at 20:22| Comment(0) | TrackBack(0) | リーダーシップ

2021年08月18日

リーダーの悪い癖


悪い癖に気づく


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先日、とある企業での打ち合わせでのこと。

担当者は聡明な女性主任。
上司の男性課長が同席していました。

その男性課長の言動が、ちょいと気になりました。

いわゆる「マウンティング」。

・・・
★「マウンティング」とは(netによると)
自分の優位性を誇示するような言動のこと。
「私のほうが優れているんだぞ」と、相手を見下す行為全般を指す。
元々マウンティングとは、サルやゴリラ、チンパンジーといった類人猿が
相手よりも自分のほうが優位に立っていることを示すために、
後ろからまたがる行動。
マウンティングのマウントとは、英語の「またがる」という意味を持つ。

この類人猿の行動が転じて、相手よりも優位に立ちたいがために、
さりげなく自慢話をするなどの行動をマウンティングと呼ぶ。
・・・

女性主任と相談して提出した研修企画に対し、
アレコレ(イチイチ)指摘をしながら(ごもっとも)、
改善策(持論)を展開します。

参考になる意見はあるものの、
その物言いがまさに「マウンティング」と感じたのでした。

リーダーとしての責任感があったのでしょうが、
自分では気づかないうちにマウンティングする上司って、多いですよねえ。

部下としては、うんざりかもしれません。

あなたも、もしかして、気づかないうちに・・・?

そこで、今日は、こんなチェックリストをご紹介します。


■ 部下の協力が得られなくなる20の悪癖

出典:「コーチングの神様が教える『できる人』の法則 
マーシャル・ゴールドスミス著

今の自分に当てはまるものに〇をつけてください。

1.極度の負けず嫌い
2.何かひとこと価値を付け加えようとする
3.善し悪しの判断をくだす
4.人を傷つける破壊的コメントをする
5.「いや」「しかし」「でも」で文章を始める
6.自分がいかに賢いかを話す
7.腹を立てているときに話す
8.否定、もしくは「うまくいくわけないよ。その理由はね」と言う
9.情報を教えない
10.きちんと他人を認めない
11.他人の手柄を横取りする
12.言い訳をする
13.過去にしがみつく
14.えこひいきする
15.すまなかったという気持ちを表さない
16.人の話を聞かない
17.感謝の気持ちを表さない
18.八つ当たりする
19.責任回避する
20.「私はこうなんだ」と言いすぎる


■ ありがちな点の解説

1.極度の負けず嫌い
  何を犠牲にしても、どんな状況でも、まったく重要でない場合でも、
  勝ちたいと思う気持ち。
2.善し悪しの判断をくだす
  他人を評価して、自分の基準を他人に押し付けようとする気持ち。
3.人を傷つける破壊的コメントをする
  不要な皮肉や痛烈なコメントをする。
  そうすれば自分が切れ者で機知のある人に見えると思う。
4.自分がいかに賢いかを話す
  他人が考える以上に私は賢いんだと見せたい欲望がある。 
5.人の話を聞かない
  職場の人に対して敬意を払わない、もっとも受動攻撃的な形。


■ おわりに

もしかして、自分の言動は「マウンティング」になっているかもしれない。
だから、部下たちの反応はイマイチなんだ・・・なんてね。

特にリーダーとしては、気をつけた方がいいですね。

もちろん、上司と部下の間だけでなく、先輩と後輩、そして同僚同志、
もしくは取引先との間でも気をつけた方がいいですね。

おっと、ここで注意しなければならないのは、
今回のチェックは、自分で思ってるだけ。

他者からは、もっと厳しい意見がでるかも・・・

とするなら、同じ質問を部下に投げかけてみるのも手です。

無記名で・・・

勇気ありますか?



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2021年04月09日

管理・監督者の役割


管理者・監督者の役割、行動の再確認


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この四月、
管理者、監督者に昇進された方も多いのではないでしょうか。

そこで、管理、監督者に求められる役割や行動について確認してみます。


■ 管理・監督の役割行動

1.目標達成のマネジメント
担当部署の目標達成のために、
PDCA(計画⇒実行⇒ふりかえり⇒改善)を回し、
業務の進捗を管理する。

2.職場の問題解決
目標達成の過程において発生した問題の解決や、問題発生の防止、
潜在的な問題の発見や改善を行う。

3.部下の育成
メンバー一人ひとりに合わせた教育指導、キャリア開発を行い、
リーダーを育成する。
目標達成に向けてメンバーの意識を高めていく。

4.職場運営とチームづくり
目標達成に向けてチームが一丸となって取り組むように働きかける。
また、関係者を巻き込んで,チームの業務が円滑に進むよう協働を促す。

これら、4つの役割・行動の基本であり、不可欠な能力が
「リーダーシップ」「コミュニケーション力」です。


■ 管理・監督者に求められる能力・マインド

・課題形成力・・・何をすべきかを設定していく力
・課題遂行力・・・どうすべきかを考え、やり遂げていく力
・対人対応力・・・コミュニケーションを通じて関係者を巻き込み、
        動かしていく力
・テクニカルスキル・・・担当する業務遂行に必要な専門的な知識、技術、技能
・執務姿勢・・・自主的・主体的に取り組み、やり遂げていこうとするマインド


■ おわりに

上記の役割や能力・マインドは、どの階層にも当てはまり、
階層によって責任範囲が拡がっていくと考えると納得できると思います。

さあ今のあなたは、「4つの役割行動」、「5つの能力、マインド」できていますか?

だれしも得意、不得意はあるものです。

それでも、管理・監督者を拝命したら、
できている点は、さらにうまくいくように磨き上げ、
できていないと思われる点は、意識して改善、向上することが必要ですね。

「あなたの部下でよかった」
「あなたに育てられた」
と、部下から言われるように!




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2021年01月13日

部下からの信頼



信頼される上司とは?


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ある人を見ていて、「ああ、この人は部下から信頼されているなあ」
と心から思える瞬間があります。
この人の部下は、幸せ者だと・・・。

一方、「この上司の下には、つきたくない」とか
「部下は信頼していないだろうなあ」と実感することもあります。

ことほどさように、
仕事をうまく進めるために、部下たちに気持ちよく働いてもらうために、
組織としてより良い結果をだすためには、
部下からの信頼は欠かせません。

ということで、部下からの信頼をえるポイントを押さえてみました。


■ 信頼される人間の条件

まずは基本的なことから。
信頼される人間とは?

・うそをつかない
・約束や決まり事を守る
・ミスや失敗を隠さない
・他者を尊重している
・自分自身のことを話す
・言い訳をしない
・話していることに一貫性がある
・いざとなっても絶対に逃げない

いかがでしょう?
「自分自身のことを話す」という自己開示も、
相手を信頼しているからこそ話すわけであって、
相手から信頼されると、自分も相手を信頼できるなあと
思えるものです。

さて、あなたは周囲から信頼される人でしょうか?


■ 部下からの信頼される上司とは

つぎに、部下から信頼される上司について考えてみました。

・言行一致である
言っていることとやっていることが同じ、ということ。
たとえば部下に休憩時間を守れと指示しておきながら、
上司がダラダラと時間を超えて休憩しているようなら、
部下からの信頼は失います。

最近の例では、「○人以上の会食は控えるように」と言ったさきから、
自身が多人数の会食に参加する。
この言行不一致が今回の感染拡大の一つだと思えてしまいます。
ちなみに、年末の「勝負の三週間」は失敗だったとして、
次に「真剣勝負の三週間」を掲げていましたが、それも失敗。
そのことは今、まったく取り上げられていないようです。
突き詰めて言うと、これまでの策は・・・

・責任をとる
何かあった場合に上司として責任ととる。
たとえば不祥事とか失敗、トラブルなどが発生した場合、
それが部下の判断、行動だったとしても、上司たるもの責任をとる。
そんな覚悟を持って仕事にあたる姿は、信頼にたりますね。

・決断力、実行力がある
昨今の変化の激しい、激動の時代、即断即決が求められます。
今や「5分で決めるべき」などともいわれており、
上司には決断すること、そしてそれを実行することが求められます。

決められない上司。目も当てられませんね。
その決断が失敗だったら、すぐさま軌道修正することも必要ですね。

・部下を信頼し大切に思っている
自分の上司は、自分を信頼しているだろうか?
自分を大切に思っているだろうか?

部下の立場なら、考えなくても常日頃から肌感覚でわかっています。

部下を大切に思い、信頼もしている。
ならば、部下の成長のために厳しいことも伝えるでしょうし、
無理難題を命令することもあるでしょう。

その根底には「愛」がある。
それが伝われば、部下は信頼して取り組むでしょう。

・組織運営や部下育成における軸を持っている
チーム運営の仕方や部下の育て方は十人十色。
状況に応じて変化、修正することもあるでしょう。

自分なりの組織運営や部下育成の軸を持つこと大事です。
ブレない軸ともいえます。
もちろん、その軸についてはわかりやすく部下に説明することも必要です。
環境変化によって軸も変えなければならない場合でも、
その都度、伝えることは不可欠ですね。


■ おわりに

他にも、部下から信頼されるために取り組んでいることもあるでしょう。

とにもかくにも、特にコロナ禍の今、
部下との信頼関係、チーム全体の信頼関係の構築は大事ですね。

将来
「○○さんの部下でよかった」
「○○さんの部下で働いたときは、自分にとって重要だった」
さらに「○○さんのような上司になりたい」
と言われるように・・・

さあ、今、できることはなに?




■ぶれない軸と明確な意志を持っているか?
5分で決められないことは、何日考えても決められない。突き進む覚悟と勇気を持つ!

posted by suzumura at 08:29| Comment(0) | TrackBack(0) | リーダーシップ

2020年11月27日

愛をもって接したい



愛情をもって対応しているか?

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先日、とある研修で、
声が大きく押しも強いと見受けられるA課長が参加していました。

言い方は強気で、ある意味、自分の見解を押しつけていたり、
決めつけていたりしています。

そんな強気のA課長ですが、なぜか憎めない。

その理由は、A課長の発言には「愛」を感じられるからです。

「そんなん、違うだろう!」
「これはこうやってこうやるんだ」
「おれなら、こうやるよ。うまくいくから」
「おれなら、こう考えるよなあ」

リーダーならだれでも口に出すような強気な発言ですが、
なぜか「愛」を感じるのです。

そうなんです。

部下をふくめ相手に対し、
愛情をもって接し、発言すると、それは相手に伝わるものなのです。

私自身、先日の研修で気づいたことがあります。
それは新入社員のフォローアップ研修でした。
受講生に対し、成長してもらいたい、ステップアップしてほしい、
気づいてもらいたいと思いながら、研修を進めていました。

途中で、気づきました。
「ああ、私、彼ら(受講者)に愛情をもって接しているなあ」と。
・・・手前みそで申し訳ございません・・・


では、以前の研修ではどうだったか?

実は、リモート研修で、
顔も見えず、発言も聞こえず、一方的に説明することが主体でした。

そのとき、私は受講生に愛情を持っていたか?

NON。

といえるでしょう。

とにかく、この不自由な研修をなんとかやりきらなければ、
という気持ちだけでした。

受講者は、どれほどの気づきを得、どれほどの満足を得たのでしょう?
それは・・・私の方では計り知れませんが、不十分だったと思います。

ことほどさように、
関係する相手に対して「愛情をもって接する」こと、大事ですね。

特に今の「コロナ禍 第三波」
対面でのコミュニケーションが減少している今、
部下をはじめ、関係する人々に愛情をもって接すること、大切だとおもいませんか?

愛があれば、相手に通じる・・・

そんなことを実感する今日この頃です。


posted by suzumura at 06:27| Comment(0) | TrackBack(0) | リーダーシップ

2020年07月08日

変革型リーダーシップ


今こそ求められる変革型リーダーシップ

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これまでさまざまなリーダーシップ理論が提要され、
環境変化の激しい昨今では「変革型リーダーシップ」も注目されています。

今のコロナ禍。
まさしく「変革型リーダーシップ」が求められているのではないでしょうか。
私としては、コロナ禍がひと段落したら(定着したら?)、
専門家の方々は新たなリーダーシップ理論を構築されると思います。
ちょいと楽しみ。

さて、「変革型リーダーシップ」については
多くの専門家が自論を展開しています。

今日は、私の定番
「ビジネス心理学100本ノック」榎本博明著(日経文庫)
から引用したいと思います。


■ 業務処理型から変革型へ

かいつまんでいうと。

「かつての産業構造が安定していた時代であれば、
日常業務を滞りなく能率的にこなしていくように促す
業務処理型のリーダーシップが求められていた。
しかし昨今のように産業構造が目まぐるしく変動する時代では、
部下に与えた課題の遂行を促すだけでなく、
組織としての動きを臨機応変に修正し、
どんな課題を与えるかを絶えず見直していかなければならない」

「ゴールに向け部下を駆り立てるのが従来型のリーダーシップに対し、
どこにゴールを設定するかを絶えず検討し、
最適のゴールに向かえるように修正をしていく視点が必要である」

確かに確かに。
最近でいうと、
2019年末に設定した目標や計画も、
さらに2020年3月末に修正した目標、計画も、
さらに修正する必要がでてきました。
そして、今後どうなるかもわからない時代です。
一寸先は闇?かチャンスか?

本書には変革型リーダーシップの5つの視点が提示されています。


■ 変革型リーダーシップ 5つの視点
1.組織の中だけでなく、組織を取り巻く環境にも目を向ける。
2.技術革新がもたらす人々のライフスタイルや欲求の変化にも目を向ける。
  ・・・いまやこの2つ視点は、否応なしに必要ですね。
3.組織の発展のためにめざすべき方向性についてビジョンをもつ。
  ・・・変革型リーダーシップを提言する専門家は、
     この「ビジョン」をもつことの必要性を強調しています。
4.慣習にとらわれずに、組織の発展のために必要な組織変革に目を向ける。
5.組織内の人間関係も大切だが、大きな視野に立って決断する。

こうしてみてみると、すべての項目が今の「コロナ禍」での
リーダーシップに必要なことばかりですね。


■ まとめ

上記の5つの視点を、すでに取り入れておられる方も多いでしょう。
取り入れざるを得ない状況になっていますから。

つまり、環境変化に応じて、あるいは環境変化を予測して、
素早く手を打つ。
躊躇なく計画や目標の変更をする。
そして的確なビジョンを掲げ、組織内でしっかり共有する。

さらには最悪の事態を想定して、
大きな視野に立っての決断というのも必要でしょう。

自分の変革型リーダーシップが試されるときです。
それは経験と学びにつながります。

もしあなたが、あなたの会社の社長(あるいは部長、課長)だとしたら、
どんな手を打ちますか?
変革型リーダーシップの視点で考えてみませんか?
すると、新しい何かが見えてくるはずです!!


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2020年06月05日

リーダーシップのライフサイクル論


緊急時のリーダーシップについて考える

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先日は、日本の古典的かつ現代でも通用するリーダーシップ理論
「PM理論」を考えました。

今日は、その続き。

「リーダーシップはメンバーの状況に合わせて変えていくもの」
という考え方です。


■ SL理論

「シチュエーショナル・リーダーシップ」
Situational Leadership Theory
の略です。

1977年、米国の心理学者「ハーシィとブランチャード」は、
チームの成熟度によってリーダーシップのスタイルを変える必要があるという
「リーダーシップ条件適応理論(ライフサイクル論)」を提唱しました。

SL理論は、集団の成熟に伴い4つの段階で構成されています。

1.教示的リーダーシップ
チームの成熟度が低い場合は、具体的に指示し事細かに監督する。
意思決定はリーダーが行う。

2.説得的リーダーシップ
チームが多少仕事に慣れてきたら、指示的な行動が中心となるものの、
自分の考えを説明し、部下の気持ちに配慮し、疑問にも応える。

3.参加的リーダーシップ
さらにチームが成熟してきたら、
メンバーの仕事力は高まっているため、
指示的な行動を減らし、部下を認め、意見を聞き、
部下が適切な問題解決や意思決定ができるよう
モチベーションを高めることを重視する。

4.委任的リーダーシップ
チームの成熟度が高い段階に達したら、部下の主体性や自立性を尊重し、
部下と話し合って合意の上で目標や課題を決め、
部下に任せて成果の報告を求める。


■ 個人の成熟度にも対応

「ビジネス心理学100本ノック」榎本博明著(日経文庫)にも
掲載されています。

部下個々の個性や価値観や、習熟度が多様化している今、
集団の成熟度のみならず、部下ひとりひとりの能力、習熟度にあわせ、
柔軟にリーダーシップを切り替えていく必要があるといわれています。

たとえば、新入社員や異動間もない若手社員には、
明確な方向付けや指示を中心としたリーダーシップを発揮して
グイグイ引っ張っていく必要があります。

一方、年上の部下、定年後再雇用の部下には、徐々に自由度を高め、
少しずつ権限を委譲し、責任を持たせ、自覚と自主性を促すことで、
モチベーションを高めることが必要になってくるでしょう。

一般的には、次のように区分けされています。
1.教示的リーダーシップ・・新入社員向き
2.説得的リーダーシップ・・若手部下向き
3.参加的リーダーシップ・・中堅部下向き
4.委任的リーダーシップ・・ベテラン部下向き


・・・私的には、上記のように経験別での区分けは
今や通用しないと思いますが。


■ おわりに

コロナ禍で、在宅勤務、リモートワークなど
今までと違った働き方が強いられる今。

これまで表面化しなかった部下それぞれの能力も見えてきているのでは
ないでしょうか。

そんなときこそ、それぞれの部下の能力に応じた
個別のリーダーシップスタイルが効果を発揮すると思います。

部下の能力を4つのタイプに分析してみてはいかがでしょう?


posted by suzumura at 07:25| Comment(0) | TrackBack(0) | リーダーシップ

2020年06月01日

PM理論


リーダーシップに必要な能力

2020525青空.JPG


6月になりました。

コロナ禍の中、徐々に日常が戻ってきている感もあります。
とはいえ、完全に元通りになるとも思えません。

そんな今、再度「リーダーシップ」について考えたいと思います。
今日は、有名な日本発のリーダーシップ論「PM理論」です。

■ PM理論とは

社会心理学者「三隅二不二(みすみ・じゅうじ)」は、
リーダーシップとは、Performance「課題達成能力」と
Maintenance「組織維持能力」の2つの能力要素で構成されるとしました。

1966年に提唱されました。
50年以上も前の理論ですが、言い回しをその時々の社会情勢に合わせて変え、
今なお、リーダーシップを代表する理論をされています。

P=Performance。
日本語での表現には諸説ありますが「課題達成能力」です。
チームの目標達成に向けて、計画を立案し、仕事を指示して、
成果が出るように導く能力です。

M=Maintenance。
「組織維持能力」で、メンバーのやる気を引き出し、
人間関係を良好に保ち、集団のまとまりを維持する能力です。

「P」と「M」の2つの能力の大小によって、
4つのリーダーシップタイプ(PM型、P型、M型、pm型)に分けて、
解説されています。

今日は、各項目をセルフチェックしてみましょう。

■ PM理論チェックリスト

あなたの今のの行動をふりかえってみましょう。

<P能力>
@目標を明確にし、部下に目標をたえず意識させる
A目標達成のための計画を立てる
B部署としての方針を決め、それを徹底させる
C目標達成のための方法を具体化し、
 それを部下にしっかり理解させる
D部下に役割を割り振り、それぞれの役割分担を明確にする
E部下に行動の開始や役割の遂行を促す
F仕事の進み具合について、部下から報告を求める
Gそれぞれの仕事の進捗状況を把握している
H自分が部下たちに何を期待しているのかを知らせる
I目標達成の過程で生じた問題点を明確化し
 その対処法についてアドバイスを与える
J部下の仕事ぶりに対して、気のついた点をフィードバックし
 向上を促す
K自分の方針や姿勢を、部下全員にきっちりと打ち出す
L規則やルールとして決まっていることを、部下に徹底させる
M情報源・アドバイザ―としての役割を果たすべく、
 専門知識や技能の習得に励む
Nそれぞれの部下の成果を正確に把握し、正当に評価する

<M能力>
@快適かつ友好的な職場の雰囲気の醸成・維持に配慮する
A変更があればあらかじめ部下たちに知らせる
B自分がとる措置について、その理由を説明する
C部下相互の情報交換、交流を促進する
D少数派にも発言の機会を与えるよう配慮する
E部内外でいざこざが生じたときは仲裁する
F集団の和を乱す部下に対しては適切な対処をする
G部下一人ひとりの意見を尊重し、
 自主性・当事者意識をもたせる
H部下一人ひとりの気持ちに配慮し、不平・不満に耳を傾ける
I悩みや迷いを抱える部下の相談にのる
J全員の部下から信頼を得られるように行動している
K部下たちを公平に扱う
Lチームの代表として、必要なときは他チームとの交渉を行う
M昇進や昇給など、部下の将来について気を配る
Nこのチームで良かったと思えるような、働きかけをする


■ おわりに

いかがでしたか?
コロナ禍の下、状況に合わせた能力発揮が求められます。

このチェックリストは、定期的に実施することをお勧めします。


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2020年01月08日

原監督「君臨型」リーダーとは?


学生の状態に応じてリーダータイプを変更した原監督


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お正月の箱根駅伝で優勝した青学の原監督、すばらしい!!
今年は、箱根駅伝のすべてですごかったですねえ。
何度見ても(TV番組で)感動します。

原監督はその後のTV出演などで、「君臨型でやった」
発言されています。

リーダー像やリーダーシップ論については、
昔からさまざまな理論が発表されています。
そして現代も新しいリーダーシップ理論が
次々に提示されてきています。

そこで、原監督の「君臨型」をふまえ、
基本的なリーダー像を確認してみましょう。


■ レヴィンの3つのリーダーシップ類型

米国心理学者「クルト・レヴィン」は、
1939年リーダーシップのタイプを
「専制型・放任型・民主型」の3つに分類した。

レヴィンは、民主型リーダーシップが、
作業の質・作業意欲・有効な行動等の点で最も有効である、
と結論づけている。

すごく昔のことですね。
太古の昔から、どのように部下を束ねるか?
どのようにリーダーシップをとるのか?
どういうリーダーになったら組織はうまくいくのか?
など、大きなテーマだったのですね。

レヴィンの3つのタイプのリーダーシップタイプは、
古くからの有名な理論で、ご存知の方も多いでしょう。

私も初めての外部研修に参加をした30年程前に教えられ、
ずっと覚えています。


■ 専制型リーダーシップ

・リーダー中心型であらゆる決定はリーダーが行う。
・仕事の細部にまで口を出し、指示命令に従うことを要求する。

<効果的な状況>
・集団・メンバーが未熟で安定していない状態
・緊急に意思決定を下す必要がある状況

<デメリット>
部下は自分で考える能力が身につきにくく、
離職率も高いとされている。

・・・まさに、この「専制型」が原監督の「君臨型」だと思います。
効果的な状況から考えても、
原監督がいう「ダメダメ4年生」が対象だったことから、
納得できますね。


■ 放任型リーダーシップ

・メンバー中心で、あらゆる決定はメンバー個々に任せられる。
・リーダーは、仕事の割り当て手順などに口出しはしない。
・メンバーの行動に関与しない。
・リーダーはメンバーの一員として最小限しか参加しない。

<効果的な状況>
・メンバーや集団のレベルが高い専門家集団
・研究開発部門、クリエイティブ部門、コンサルティングなど

<デメリット>
業績にもメンバーにも無関心と映り、
士気の低下、リーダーへの信頼感低下、チームワーク低下を招く。


■ 民主型リーダーシップ

・リーダー・メンバー共に参画し、
 あらゆる決定は話し合って結論を出す。
・仕事の割り当て、手順も、リーダーは助言するものの、
 多くは集団討議で決定する。

<効果的な状況>
・通常の業務において最も望ましいタイプとされている。
・メンバーの能力がある程度確保され、
 メンバーの自主性、自立性を尊重したい場合。
・賛同やコンセンサスを得たいとき、メンバーから提案を得たいときに有効。

<デメリット>
話し合いに時間がかかる、責任の所在が不明確になるといった
欠点がある。


■ おわりに

リーダー像は、時代の変遷によってさまざまに変化、進化してきています。

今は、
「変革型リーダー」
(変革を実現するために、リーダーはビジョンを掲げて共有し、
部下の能力を引き出して組織学習を促進する)

「サーバント・リーダーシップ」
(リーダーとは、まず相手に奉仕し、その後相手を導くものである、
という実践哲学のもとに発揮される)
などが有名ですね。

いずれにしても、
部下やチーム、外部環境などの様々要因によって、
適切なリーダーシップをとることが必要でしょう。

原監督もこれまでは、
学生に任せる「民主型リーダー」だったと推測します。
その理由は、
学生たちの自主性を重んじ、かつ学生の意識や能力が高かったからでしょう。

今年度の4年生に対し、思い切って、
これまで自分が否定してきた「君臨型」を実践するとは、
すばらしいと思います。

なんだか、講演が聞きたくなってきました。

さあ、あなたの今のチーム、メンバーはどのような状況でしょうか?

その状況に対し、どういったリーダー型で臨めばいいと思いますか?

新年です。
新たなリーダー型を発揮してもいいかもしれません。
もちろん、その理由と目的を伝え、共有することも必要ですね。
でないと、部下たちは驚いたり、とまどってしまいますから。
posted by suzumura at 07:25| Comment(0) | TrackBack(0) | リーダーシップ

2019年12月11日

役職につかない方がいい人?


役職につくと・・・

2019125紅葉のなごり.JPG

「なんで、あの人が〜〜部長になるの?」
とか
「ええ!あの人が課長に?信じられない!」
なんて声をよく耳にします。

私自身も会社勤務時代、
度々、このような思いをしました。

まあ、部下から見える上司像と、
トップが見る人物像は異なるものですが。

先日、ネット購読している「PHP研究所の人材開発メルマガ」
の中に
「人事部も気づいている!上司になってはいけない人たち」
がありました。

どうも、「10月〜11月人気ランキング1位」だそうです。
PHPビジネス新書『上司になってはいけない人たち』
本田有明著の引用。

ちなみにPHP研究所のこのメルマガ、とても参考になります。
興味のある方はチェックを。

そこで、私が考える「役職に向かない人」を
ピックアップしてみました。


■ 鈴村が考える上司になってはいけない人

・言行一致でない人
・他者(部下など)に責任を押しつける人
・他者(部下など)の成果を自分のモノにする人
・判断や決断ができない人
・自分の思いつきで部下をふりまわす人
・極端な人見知りの人
・えこひいきする人
・方針やビジョンが語れない人
・自分はいつも正しいと思い込んでいる人
・部下の育成ができない人
・ハラスメント体質の人

また、とあるネット(出典不明)で
以下の定義もありした。

■ 上司に向かない人

・部下を育てる意欲も能力もない=≪危険レベル1≫
・会社や部下の文句ばかりをいう=≪危険レベル2≫
・その場そのときの気分で、言うことが違う=≪危険レベル2≫
・部下の意見や提言を無視する=≪危険レベル3≫
・自分の好みで部下を選別・排除する=≪危険レベル4≫
・ハラスメント(いじめ)による事件を起こす=≪危険レベル5≫
・部下を不正に巻き込もうとする=≪危険レベル∞≫

・・・ああ、納得ですねえ


■ おわりに

完璧な人間、完璧な上司はいません。
が、自分の弱点は把握しておいた方がいいですね。

「あなたの部下でよかった」と言われるように・・・



posted by suzumura at 03:44| Comment(0) | TrackBack(0) | リーダーシップ