2025年06月02日

部下からの信頼


部下から信頼されていますか?

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新年度になって2か月経過しました。
あなたのチームはうまくいっていますか?

マネジャーとして、上司として、部下から信頼を得られているでしょうか?
ということで、マネジャーとして現在の自分をセルフチェックしてみてください。


■ 部下から信頼を得られない言動

@ 「自分が若い頃は今よりもっと大変だった」と言って、部下のガンバリを認めようとしない。
A 部下の話を聞こうとしない。
B 部下の話を最後まで聞かずに指示やアドバイスをする。
C 発言と行動が一致しない。
D 理由や目的を伝えることなく、場当たり的な指示を出す。
E 人を傷つけるような言葉を平然と口に出す。
F 「いや」「しかし」「でも」で、話を始める。
G なにかというと自分の過去の成功話をする。
H 他人と比較する。
I 聞かれない限り、情報を教えない。
J 自分の価値観を押し付ける。
K 本人のいないところで批判する。
L えこひいきする。
M 自分が間違っていることがわかっても謝らない。
N 「理屈はいいから、とにかくやれ」と言う。
O 感謝の気持ちを表さない。
P 責任回避する。
Q 他者をほめることはない。
R いつもイライラ、不機嫌な態度をしている。
S 感情が表情や態度に出る。

 
■ おわりに

いかがでしたか?
もしかして、当てはまることがあったら、見直してみませんか?
部下から信頼される上司でありたいねすね。


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2024年08月30日

部下からの信頼


信頼される上司とは?


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部下から信頼されているか? 

これはマネジャーにとっては究極のテーマですね。
能力が高かろうと、知識が豊かであろうと、スキルが最新であろうと、
決断力、行動力が高かろうと、
結局、部下から信頼されていなければ、どうにもなりません。

ま、中には、「信頼できない上司だけれど、保身のため、とりあえず従っとくか」
と考える部下もいるとは思いますが。

講師をしていると、
「ああ、この人は部下から信頼されているんだろうなあ」と心から思える人がいます。
そして、この人の部下は、幸せ者だと。

一方、「この上司の下には、つきたくない」とか「部下は信頼していないだろうなあ」
と実感することもあります。

メンバーたちが気持ちよく働き、かつ成長していくために、
チームとして目標を達成するために、チームが成長していくために、
部下からの信頼は欠かせません。

ということで、部下からの信頼をえるポイントを再確認してみました。


■ 信頼される人間の条件

まずは基本的なこと。
信頼される人間とは?
@ ウソをつかない
A 約束や決まり事を守る
B 他者(部下であろうと下請けであろうと)を尊重している
C ミスや失敗を隠さない
D 間違えたら正直に謝罪する
E 言い訳をしない
F 話していることに一貫性がある
G いざとなっても絶対に逃げない
H すべての責任を負う
I 自分自身のことを話す

さて、あなたは周囲から信頼される人でしょうか?


■ 部下からの信頼される上司とは

つぎに、部下から信頼される上司について考えてみました。

・言行一致である
言っていることとやっていることが同じ。
たとえば部下に書類提出の期限を守れと指示しておきながら、
上司自身は書類提出がいつも遅れているとか。
挨拶をしろとチームのルールを決めておきながら、自分自身は挨拶をしないとか。
こんな上司なら、部下からの信頼は失います。
部下はしっかり上司の発言や行動を観察していますから。

・責任をとる
何かあった場合、たとえば不祥事とか失敗、トラブルなどが発生した場合、
それが部下の行動や判断だったとしても、上司たるもの責任をとる。
そんな覚悟を持って仕事にあたる姿は、信頼をえるでしょう。
どのような責任を取るかはイロイロですが、
降格や左遷を含めて責任をとる覚悟をもってチームを牽引する上司は信頼にあたいします。

・決断力、実行力がある
変化の激しい激動の時代、即断即決が求められます。
今や「5分で決める」ともいわれており、
上司は決断すること、そしてそれを実行することが求められます。
その決断が失敗に終わっても、すぐさま軌道修正することも必要ですね。

・部下を信頼し大切に思っている
自分の上司は、自分を信頼しているだろうか?
自分を大切に思っているだろうか?
部下の立場から見ると、考えなくても常日頃から肌感覚でわかっているはずです。
部下を大切に思い、信頼もしている。
ならば、部下の成長のために厳しいことも伝えるでしょうし、
無理難題を命令することもあるでしょう。
その根底には「愛」がある。

それが伝われば、部下は信頼して取り組むでしょう。

・組織運営や部下育成における軸を持っている
チーム運営や部下の育て方は十人十色。
状況に応じて、その人の特性に応じて変化することもあるでしょう。
自分なりの組織運営や部下育成の軸を持つことも大事です。
ブレない軸ともいえます。
もちろん、その軸についてはわかりやすく部下に説明することも大事です。
環境変化によって軸も変えなければならない場合でも、その都度、伝えることは不可欠ですね。


■ おわりに

マネジャー誰しも、部下から信頼されるように日々取り組んでいることでしょう。

部下との信頼関係、チーム全体の信頼関係の構築は大事ですね。

将来「○○さんの部下でよかった」「○○さんの部下で働いたときは、自分にとって重要だった」
さらに「○○さんのような上司になりたい」と言われるように・・・

さあ、今、できることはなに?


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2024年07月09日

顔つき


顔つきは変わる


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先日、担当する研修で、数年ぶりに出会った人がいます。

その人の顔つきが、違っていた。
つまり、しっかりした顔つきになっていたのです。
ああ、がんばっているなと、思いもひとしおでした。


コロナ禍のこと、鏡に映った自分の顔つきがショボいと、落胆しました。
コロナ禍で仕事もなくなり、感染の心配も重なり、
将来への不安も膨らんだ時期でした。
ほぼ三年も続き、久々に、いや、私の人生で、一番、落ち込んだ日々でした。

そんなショボい自分の顔つきに、愕然となり、このままではいけないな、と思ったしだいです。


事程左様に、人の顔つきって、その人の精神状態を如実に表します。


会社員時代、久しぶりに研修で会うと、顔つきが変わっている人がいます。

なにげない顔つきですが、本人に降りかかっている出来事をはじめ、
本人自身の思い、決意などによって変わってくるものです。

現在、担当する研修でも、フォロー研修などで、はじめてであった顔つきと、
しっかりした顔つきになっている受講者を目にし、すごくうれしい気持ちになります。
がんばってるな、責任感をもって臨んでいるな、いいなあ・・・と。

ということで、部下の顔つき、しっかり観ていますか?
人の感情は、顔つきに現れるものです。

頑張っている、前向き、強い意志、自分の役割をつかんでいるなら、しっかりした顔つき。
不安があるなら、弱々しい顔つき。
不平があるなら、ふてくされたような顔つき。

そんな部下たちの顔つきを、確認し、承認(励まし、評価、受容)の言葉をかけてみませんか?

なお、マネジャーなら、今の自分の顔つきを確認することも必要です。
あなたの顔つきが、部下たち、関係者に大いに影響を与えますから・・・

・・・今の私は・・・
 結構、自由奔放かも・・・



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2024年02月02日

部下からの信頼


部下からの信頼、自信ありますか?


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部下育成をはじめ、部下の離職防止、部下の目標達成、部下のモチベーションアップなど、
マネジャーとして部下に対する責務は多岐にわたります。

部下対応、部下育成は、マネジャーの大きな役割といえます。
そんな部下対応で必要なコトはなんでしょう?

ずばり、「部下との信頼関係」だと考えます。

ということで、今日は、部下から信頼を得られない言動について、
考えてみましょう。


■ 部下から信頼を得られない言動

・「自分が若い頃は今よりもっと大変だった」と言って、
 部下のガンバリを認めようとしない。
・部下の話を聞こうとしない。
・部下の話を最後まで聞かずに指示やアドバイスをする。
・発言と行動が一致しない。
・理由を告げず、場当たり的な指示を出す。
・人を傷つけるような言葉を平然と口に出す。
・「いや」「しかし」「でも」で、話を始める。
・なにかというと自分の過去の成功話をする。
・他人と比較する。
・聞かれない限り、情報を教えない。
・自分の価値観を押し付ける。
・本人のいないところで批判する。
・えこひいきする。
・自分が間違っていることがわかっても謝らない。
・「理屈はいいから、とにかくやれ」と言う。
・感謝の気持ちを表さない。
・責任回避する。
・人を決してほめない。
・いつもイライラ、不機嫌な態度をしている。
・感情が表情や態度に出る。


■ おわりに

いかがでしたか?
知らず知らずのうちに、このような良くない言動をとっているかもしれません。

また、これはセルフチェックですので、自分のみの一方的な見方。
他者、つまり部下はもっとシビアに見ているかもしれません。

できたら、部下に、自分の日常についてチェックしてもらってもいいかもしれません。
他者からのフィードバック、特に部下からのフィードバックは、
リーダーとしての自分の自己改革に、とても役立ちますから。

なんせ、部下育成やチームビルディングに、信頼は不可欠ですから・・・

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2024年01月12日

サーバントリーダーシップ


サーバントリーダーシップ

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2024年の箱根駅伝は、青山学院大学が優勝しました。
がんばりましたね。
底力がある?

後日、TVでスポーツ解説者の渡辺康之氏が、
「青学の原監督は、これまでのカリスマ性ではなく、サーバントリーダーシップをとっていた」
というような解説をされていました。

「おお、サーバントリーダーシップか!」

サーバントリーダーシップといえば、数あるリーダーシップ理論の中でも、
近年注目されている概念です。

そこで、サーバントリーダーシップについて確認してみましょう。


■ サーバントリーダーシップの提唱者

サーバントリーダーシップという概念は、1970年のアメリカにおいて
「ロバート・K・グリーンリーフ」によって提唱されました。(1977年に書籍化されました)
「真のリーダーはフォロワーに信頼されており、まず人々に奉仕することが先決である」
と提言しています。(フォロワーからの信頼って、重要ですね)
アメリカにおける古くから主流とされてきた強烈な統率力によるリーダーシップではなく、奉仕精神に基づいた概念となっているのが特徴であり、最新のリーダーシップ哲学として注目されています。


■ サーバント・リーダーシップが求められる背景 VUCA時代に注目を集める

従来型のリーダーシップ(権威的・支配的)が大きな効果を発揮した時代は、
大量生産・大量消費が経済の土台を支えており、
業務の効率化こそが生産性の向上に直結する鍵となっていました。
そのため、強力な支配型リーダーシップによる組織運営が、
企業の飛躍的な成長につながっていったのです。

しかし、現代は将来が不確実で予測が難しい「VUCAの時代」です。
VUCAとは「V:変動性」「U:不確実性」「C:雑性」「A:曖昧性」の頭文字を並べた造語です。

VUCAの時代に企業が生き残っていくためには、硬直化した組織を生まれ変わらせ、
臨機応変に環境の変化と向き合い続ける必要があります。

それには、現場レベルで細かな変化を見抜き、
自主的に判断ができるメンバーの存在が欠かせません。

こうしたビジネス環境の変化から、
サーバント・リーダーシップはVUCA時代を生き抜くために有効な方式として考えられているのです。

時代の要請に対応しながら、理想とされるリーダーシップの形は進化を遂げます。


■ 従来型リーダーシップとの違い

伝統的なリーダーシップは、リーダーからのトップダウンによって指示・命令が行われ、
それに部下が従う形で成り立っていました。
この方式のメリットは、とにかく短時間で成果を出せる点にあります。

一方で「指示がなければ動けない人材が増えてしまう」、「組織に新しい考えを取り入れにくい」
といったデメリットもあり、トレンドが激しく移ろう現代のビジネス環境では
競争優位性を失いやすい面もあります。

これに対して、サーバントリーダーシップはまずリーダーが部下の意見を傾聴し、
積極的に奉仕や支援をしながら強みを引き出していく方法です。

なお、
サーバントリーダーシップという言葉を表面的に捉えると、
「部下の言いなりになる」「メンバーに好き放題に発言させる」
といった印象を受けてしまうかもしれません。

しかし、本来は部下の強みや主体性を引き出し、成長へと導いていくことに主眼を置く概念であり、
単に部下を甘やかしたりリーダーの厳しい言葉を封じたりするものではありません。

メンバーそれぞれに自分で考えられる力を身につけさせ、
環境の変化にも負けない柔軟かつ強靭な組織へと発展させていく
ことこそ、
サーバント・リーダーシップの目的といえるでしょう。


■ サーバント・リーダーシップの役割

サーバント・リーダーシップ理論では、
部下やメンバーへの「奉仕」がリーダーの中心的な役割となります。
自分自身の欲求や願望を満たす前に、
部下やメンバーの考えに耳を傾け、悩みや不安を解消することにこそ、
リーダーの存在意義があると考えるのが特徴です。

こうした理由から、サーバント・リーダーシップにおけるリーダーには、
必ずしもカリスマ性や高位の職権を必要としません。
力強い統率力よりも、周囲への奉仕によって安心感や信頼関係を生み出せる力が求められるのです。

■ サーバント・リーダーシップが持つ10の特性
1.傾聴
耳だけではなく目や心もしっかりと相手に傾けて、真摯な態度で話を聴く姿勢。
2.共感
相手の話を相手の立場に立って、相手の気持ちに寄り添いながら理解しようという姿勢。
3.癒やし
心の癒しや安心感を与えるスキル。
3.気づき
物事をありのままに捉え、本質を鋭く見極める能力
4.説得
丁寧な話し合いにより、相手から同意を得られる説得のスキル
5.概念化
目に見える具体的な事象を目に見えない概念とて捉え直すこと
6.先見力
過去の経験や事象と現在の状況を照らし合わせ、将来の出来事を予測する能力
7.執事役
執事のように一歩引いて周囲をサポートする能力
8.人々の成長にかかわる
部下やチームメンバーの成長を考え、積極的に育成を捉えていくこと
9.コミュニティづくり
リーダー自らが主導して、質の高いコミュニティづくりを行うこと


■ おわりに

VUCAという混沌として先が見いだせない今、
メンバーの意見に耳を傾け、自発性を尊重して、
現場主体で臨機応変に対応する組織が求められますね。

サーバントリーダーシップのデメリットも意識しながら、
取り組んでみるのもいいのではないでしょうか。


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2023年09月25日

リーダーシップ PM理論


日本発のリーダーシップ理論「PM理論」

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先週来、代表的なリーダーシップ理論を述べました。
今日は、唯一日本発のリーダーシップ理論です。
超有名な「PM理論」です。


■ PM理論とは(PM Theory of Leadership)

リーダーシップ行動論の1つ。
日本の社会心理学者、三隅二不二(みすみ じゅうじ)が1966年に提唱しました。

PM理論とは、
リーダーシップをP:Performance「目標達成能力」と
M:Maintenance「集団維持能力」の2つの能力要素で構成されると定義しました。

目標設定や計画立案、メンバーへの指示などにより目標を達成する能力(P)と、
メンバー間の人間関係を良好に保ち、集団のまとまりを維持する能力(M)の
2つの能力の大小によって、
4つのリーダーシップタイプ(PM型、Pm型、pM型、pm型)を提示ました。

そしてPとMが共に高い状態(PM型)のリーダーシップが望ましいとしました。


■ PM理論 4つのタイプ

・PM型(P・M共に大きい)
目標を明確に示し、成果をあげられると共に集団をまとめる力もある理想型。

・Pm型(Pが大きく、Mが小さい)
目標を明確に示し、成果をあげるが、集団をまとめる力が弱い。
成果はあげるが人望がないタイプ。

・pM型(Pが小さく、Mが大きい)
集団をまとめる力はあるが、成果をあげる力が弱い。
人望はあるが、仕事は今ひとつというタイプ。

・pm型(Pが小さく、Mも小さい)
成果をあげる力も、集団をまとめる力も弱い。
リーダー失格タイプ。


■ おわりに

PM理論は、納得力があると、私は思っています。

リーダーは大まかにいって、目標達成や業務遂行を優先して考えるタイプと、
人間関係を重視するタイプがいます。
また、環境、状況に応じて、変化もします。

今の自分が、人間関係寄りにいってないか、
もしくは、業績重視い偏っていないか・・・。

ときには確認することもいいでしょう。

PM理論はセルフチェック表があり、現在の自分のタイプ、傾向を知ることができます。
それは、いずれ後日。


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2023年09月21日

ダニエル・ゴールマンのリーダーシップ


ダニエル・ゴールマンの6つのリーダーシップ

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先日は、クルト・レヴィンの古典的リーダーシップ・スタイルを紹介しました。
シンプルに3つのスタイルなので、分かりやすいですよね。

今日は、それを発展させたダニエル・ゴールマンの理論です。


■ ダニエル・ゴールドマンの6つのリーダーシップ・スタイル

ダニエル・ゴールマンは、クルト・レヴィンから約50年ほど後に活躍した米国の心理科学者です。
1995年に発表されたベストセラー『EQ・こころの知能指数』などの著書でも知られています。

彼は、リーダーシップを下記の6つのスタイルに分類しています。
1.ビジョン型リーダーシップ(Visionary Leadership)
2.コーチ型リーダーシップ(Coaching Leadership)
3.関係重視型リーダーシップ(Affiliative Leadership)
4.民主型リーダーシップ(Democratic Leadership)
5.ペースセッター型リーダーシップ(Pacesetting Leadership)
6.強制型リーダーシップ(Commanding Leadership)

簡単に説明します。

1.ビジョン型リーダーシップ(Visionary Leadership)
共通の夢に向かってメンバーを動かしていく前向きなスタイル。
組織としての「ありたい姿」をメンバーに語りゴールを示すことはしますが、
到達までの方法はメンバーの自主性に任せます。

2.コーチ型リーダーシップ(Coaching Leadership)
リーダーがコーチ的な役割を担い、メンバーの考えや目標を尊重しながら、
個々の成長を促すことで組織を成功へ導くスタイル。
この場合、リーダーとメンバーの対話を十分に行うことが重要です。

3.関係重視型リーダーシップ(Affiliative Leadership)
メンバーと同じ目線に立ち、信頼を得ることで、
チームの人間関係を良好に保つことを優先するスタイル。
仕事を進める上では、人間関係の悪化が大きな障害になることがありますが、
そうならないようにするためのスタイルであると言えます。

・関係重視型リーダーシップの長所
メンバーのメンタルヘルス改善につながり、組織全体のモラルを高めるのに有効です。
また、一旦壊れてしまった信頼関係を修復させ、
意思の疎通を改善させたい場合に効果を発揮するといわれています。

4.民主型リーダーシップ(Democratic Leadership)
組織の意思決定にメンバー個々の意見を反映させ、
チーム全体の合意を得た上で仕事を進めるスタイル。
結果よりも、メンバーとの合意というプロセスを重視します。

5.ペースセッター型リーダーシップ(Pacesetting Leadership)
リーダーが自ら高いレベルの手本を示すことで、
メンバーのパフォーマンス向上を図るスタイル。
リーダーが示したものと同様の成果を、メンバーに目指すよう期待することで、
組織目標の達成を図ります。

・ペースセッター型リーダーシップの短所
メンバーへの期待が高くなり過ぎたり、
リーダーの思いやりが欠如すると信頼関係が損なわれます。
また、リーダーが何でも一人で行ってしまうと、メンバーの成長が阻害される懸念があります。

6.強制型リーダーシップ(Commanding Leadership)
レヴィンの「専制型リーダーシップ」と同様に、
リーダーが明確な指示を行うことによりメンバーをコントロールし、
最短で目的の達成を図るスタイル。


■ おわりに

状況が多様になった昨今、リーダースタイルにも多様化が求められているのでしょうか。

あたらめて、今の業界状況や、メンバーの状態を確認してみる。

それに応じたリーダーシップ・スタイルは、なに?

ちょいと考えさせられますね。



posted by suzumura at 18:49| Comment(0) | TrackBack(0) | リーダーシップ

2023年09月19日

リーダーシップ・スタイルを考える


クルト・レヴィンの3つのリーダーシップ・スタイル


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研修を担当していると、受講者それぞれに個性や特徴があることがわかります。
そして、各人のリーダーシップ・スタイルもさまざまであることが見てとれます。

私が参考にしているのが、古典的な「3つのリーダーシップ・スタイル」理論。

私が30代前半のとき、研修を受けて初めて知ったリーダーシップ・スタイルです。

ちなみに、
リーダーシップ理論は、時代の流れや研究者ごとに、
様々な解釈、理論、方法論が定義され、求められる能力も変遷してきています。

混沌とした不確実時代の中で企業が成長し続けるために、
先端企業では
「役職者のみならず、新入社員でも必要なときにはリーダーシップをとるべきだ」
という考え方があ ります。

組織を、到達すべき目的や目標、ビジョンに導くためには、
他者(部下、後輩、同僚、関係先、上司)を動かし、意識や行動の改革に導くなど、
他者に何らかの影響を与えなければなりません。

さて、それではクルト・レヴィンの3つのリーダーシップを簡単にご紹介します。

 
■ クルト・レヴィンの3つのリーダーシップ・スタイル

古典的で有名なリーダーシップ理論です。

米国心理学者「クルト・レヴィン」は1939年、
リーダーシップのタイプを専制型・放任型・民主型の3つに分類しました。
レヴィンは「民主型リーダーシップ」が、
作業の質・作業意欲・有効な行動等の点で最も有効である」と結論づけています。

・専制型リーダーシップ
専制型リーダーシップは、
メンバーの行動全てにリーダーが上から指示出したり決定を行うスタイルです。
リーダーは、目標設定からスケジュール管理に至るまで細部にわたり
コントロールできるため、
失敗を最小限にすることができるでしょう。

このスタイルは、集団・メンバーが未熟で安定していない状態や、
緊急に意思決定を下す必要がある状況には有効であるといわれています。

しかし、メンバーが自分で考えて行動する機会が失われるため、
長期間このスタイルを続けると、メンバーの自立心が育たないことが懸念されます。

・放任型リーダーシップ
放任型リーダーシップとは、メンバーの行動にリーダーは関与せず、
全てを任せるスタイルです。
すると、メンバーそれぞれが自由な発想で行動できるため、
メンバーのスキルが高い場合には個々の能力を最大限に活かすことができるでしょう。

このスタイルは、研究開発部門など、メンバーや集団のレベルが高い
専門家集団に効果的とされています。

しかし、一般的にはチームとしてのまとまりが得られず、
協調性が失われる場合があります。
また、自己管理能力の低いメンバーについては
モチベーションの低下や生産性の悪化が起こる可能性があります。

・民主型リーダーシップ
民主型リーダーシップとは、
メンバーが自分達で決定できるようにリーダーがサポートするスタイルです。

あらゆる決定は集団討議によって行われ、必要に応じてリーダーは助言を与えるなどし、
意思決定がスムーズに行われるよう導きます。

組織としての目標にメンバーの意見が取り入れられるため、
個々の積極性が高められ、チームに一体感が生まれるでしょう。

しかし、作業計画やスケジュール管理もメンバーに任されるため、
短期間で確実に成果を求められる場合にはやや不向きであると言えます。


■ おわりに

レヴィンの3つのリーダーシップ・スタイルも、
メンバーの能力や経営環境に応じて変化させることも必要ですね。

ところで、今、あなたはどんなリーダーシップ・スタイルですか?

リーダーシップ・スタイルを身につけて、
状況に応じて使い分けられるようになるといいですね。



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2023年07月11日

部下からの信頼


信頼される上司とは?

20230702空雲.JPG


自分は部下から信頼されているか?

これはマネジャーにとっては究極のテーマですね。

いくら能力が高かろうと、知識やスキルが豊かであろうと、
戦略力、問題解決力、決断力、行動力が高かろうと、
結局、部下から信頼されていなければ、どうにもなりません。

ま、中には、
「信頼できない上司だけれど、保身のため、ま、とりあえず従っとくっか」、
と考える部下もいるとは思いますが。

私が研究講師をしているとき、
「ああ、この人は部下から信頼されているんだろうなあ」と心から思える瞬間があります。
この人の部下は、幸せ者だと。

一方、「この上司の下には、つきたくない」とか
「部下は信頼していないだろうなあ」と実感することもあります。

ことほどさように、部下たちに気持ちよく働いてもらうために、
部下たちを確実に成長させるために、
組織としてより良い結果をだすために、
部下からの信頼は欠かせません。

ということで、部下からの信頼をえるポイントを再確認してみました。


■ 信頼される人間の条件

まずは基本的なこと。
信頼される人間とは?

@ ウソをつかない
A 約束や決まり事を守る
B 他者(部下であろうと下請けであろうと)を尊重している
C ミスや失敗を隠さない
D 間違えたら正直に謝罪する
E 言い訳をしない
F 話していることに一貫性がある
G いざとなっても絶対に逃げない
H すべての責任を負う
I 自分自身のことを話す

さて、あなたは周囲から信頼される人でしょうか?


■ 部下からの信頼される上司とは
つぎに、部下から信頼される上司について考えてみました。

・言行一致である
言っていることとやっていることが同じ。
たとえば部下に書類提出の期限を守れと指示しておきながら、
上司自身は書類提出がいつも遅れているとか。
挨拶をしろとチームのルールを決めておきながら、
自分自身は挨拶をしないとか。

こんな上司なら、部下からの信頼は失います。
部下はしっかり上司の発言や行動を観察していますから。

・責任をとる
何かあった場合、たとえば不祥事とか失敗、トラブルなどが発生した場合、
それが部下の判断だったとしても、上司たるもの責任をとる。
そんな覚悟を持って仕事にあたる姿は、信頼をえるでしょう。
TVドラマでも「とにかくやってみよう。すべての責任は自分が負う」と
啖呵を切る上司が出てきます。
どのような責任を取るかはイロイロですが、
降格や左遷を含めて責任をとる覚悟をもってチームを牽引する上司は、
信頼にあたいするでしょう。

・決断力、実行力がある
昨今の変化の激しい、激動の時代、即断即決が求められます。
今や「5分で決める」ともいわれており、上司は決断すること、
そしてそれを実行することが求められます。
決められない上司は、目も当てられません。
決めても行動できない上司も同様です。
その決断が失敗に終わったとしたら、すぐさま軌道修正することも必要ですね。

・部下を信頼し大切に思っている
自分の上司は、自分を信頼しているだろうか?
自分を大切に思っているだろうか?
部下の立場からすると、考えなくても常日頃から肌感覚でわかっているはずです。
部下を大切に思い、信頼もしている。
ならば、部下の成長のために厳しいことも伝えるでしょうし、
無理難題を命令することもあるでしょう。
その根底には「愛」がある。
それが伝われば、部下は信頼して取り組むでしょう。

・組織運営や部下育成における軸を持っている
チーム運営や部下の育て方は十人十色。
状況に応じて、またその人の特性に応じて育成方法も変わってくるでしょう。
それでも、自分なりの組織運営や部下育成の軸を持つことが大事です。
ブレない軸ともいえます。
もちろん、その軸についてはわかりやすく部下に説明することも大事です。
環境変化によって軸も変えなければならない場合でも、
その都度、伝えることは不可欠ですね。


■ おわりに

マネジャーとなれば、部下から信頼されるように日々取り組んでいることでしょう。
とにもかくても部下との信頼関係、チーム全体の信頼関係の構築は大事ですね。

将来、部下だった人から
「○○さんの部下でよかった」
「○○さんの部下で働いたときは、自分にとって重要だった」
さらに「○○さんのような上司になりたい」と言われるように・・・

さあ、今、できることはなに?


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2023年06月06日

星野佳路社長「よくよく考えれば・・・」


星野リゾート社長「よくよく考えれば予測できたはすです」

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先日の日経新聞で、ピン!とくるフレーズを見つけました。

日経新聞(2023/6/1)「私のリーダー論」では、
星野リゾートの星野佳道路社長のインタビュー記事が掲載されていました。

テーマは「一人ひとり考える組織に」

星野社長といえば、あの高級旅館、ホテルを全国、いや世界で運営している剛腕社長です。
その発想力とか行動力は、とても参考になり、記事やTV出演をチェックしています。

その星野社長の発言の中に、私的に注目したフレーズがありました。
「ようよく考えれば予想できたはずです」
・・・確かにそうだよな。気がついてもスルーしてしまっているから、と
 気づいた私です。

インタビューでは、「心配に学んだこと」を尋ねています。
星野社長は「失敗というより、対応が遅れたことが何度かあります」と対応。

アフターコロナへの対応のこと。
かいつまんでいうと、
コロナ禍が落ち着き
「旅行需要が回復し、予想を超える数の運営依頼がオーナーさんから舞い込んだ」

好条件だったので多少無理をして依頼を受けたところ、
人材やマーケティングのリソース確保が遅れ、
組織に一時的に大きなストレスを掛けた」
とのことです。
・・・「大きなストレスを掛けた」という言い回しも、独特ですね。

続けて
「コロナ禍の役3年間で施設数は41から67に増えました。
本当に、予測不可能な数字だったかといえばそうではない。
よくよく考えれば予想できたはずです。
リーダーシップでは先々のことをいかに予測し、準備し、
対応できるかが常に問われます」

日頃業務では、さまざまな変更、変化などが日常化し、
常にそれに対応しなければなりません。

思いもよらぬ案件だ、予想だにしない問題だ、とか言ってしまいそうですが、
星野社長の言葉を借りれば、先手先手で見通すことは不可能ではないはずですね。

よくよく考えてみると、私たちの周りで発生する予期せぬ出来事も、
なにかしら兆候があったり、業界や世界を見渡していると予測ができること、
あるのではないでしょうか。

経営環境も社会環境も常に変化し続ける現代、意識してその次を予測することが必須。
と、考えさせられた一文でした。

「よくよく考えたら予測できたはず」と、あとから後悔しないように、
アンテナを張り巡らしておくこと大事ですね。

あなたの、職場、会社、業界、あるいはプライベートで、
次に起こりうること、予測させることは、なんですか?
勝ち残っていくために、生き残っていくために重要な視点です。



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2023年05月15日

オーセンティックリーダーシップ


自分をさらけ出す「オーセンティックリーダーシップ」

20230420黄色花.JPG


ビジネスシーンで必要なリーダーシップ論は、
時代の変遷に伴い新しい理論が次々に発表されています。
代表的なのは、PM理論、SL理論など。

最近は、「オーセンティックリーダーシップ」なるものが注目されています。

ちょいと前の日経ビジネス(2023.4.17号)では、
著名な「入山章栄氏」の著書
「経営理論をガチで当てはめてみたら自分のちょっとした努力って間違ってなかった」の中で、
紹介されています。


■ オーセンティックリーダーシップとは

端的に言うと、自分をさらけだすリーダーシップ。

これまでは
「みんなを引っ張っていく力強いリーダーが必要だった。
リーダーが上から目線で『俺が俺が』という感じてやっていくと
心理的安全性がなくなり、
メンバーは発言しないからチームが機能しなくなる」

「オーセンティックリーダーシップは、自分そのものをさらけ出すから、
メンバーは『この人は何か頼りないけれど、嘘偽りはない。
じゃあ、サポートしてあげよう』という気持ちになる」

そこで
「組織の求心力や心理的安全性が高くなり、
みんなが多様な意見を言ってくれるようになり、結果的に組織として機能する」

「人の出入りが激しく、変化の激しい時代には、こういうリーダーがすごく重要だと、
経営学では言われている」

・・・確かに。
複雑で不安定な経営環境の中、これまでのリーダーシップのやり方ではう
まくいかない場面が多いようです。

「自分をさらけだすリーダーシップ」か・・・。

ふと、20年前のあたしがこの理論を知っていたら、
もっとうまくいったかもしれないな〜〜と思う今日この頃です。

いずれにしても、ビジネスパーソンとしては、
古典的なものから最新のものまでリーダーシップ理論を学び、
自分にあったリーダーシップを発揮したいものですね。

「オーセンティックリーダーシップ」やってみる?

posted by suzumura at 21:36| Comment(0) | TrackBack(0) | リーダーシップ

2023年03月17日

ホワイトボード、有効に使ってますか?


ホワイトボードでミーティングを活性化

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ビジネスシーンでは、対面でもリモートでも、
ミーティングや打合せ、会議って多いですよね。

生産性が高くないような会議も多いようで、
「時間のムダ」と感じている方も多いのではないでしょか。

そこで質問です。
会議でホワイトボードをうまく使っていますか?
特に単なる報告のための会議ではなく(多くありますが)、
なにかを決めるための会議では、ホワイトボードはとても有効です。
昨今、定着しつつあるリモート会議でもホワイトボード機能を使うことができます。

ただ私の経験では、例えば研修でグループ討議時にホワイトボードを使うように
お願いしていますが、有効に活用できていないケースが多いように見受けられます。

たとえば、出された意見をそのまま記入するだけとか、
板書役が書きに徹して発言しないとか・・・。
これでは効率的な会議運営とはいえないですね。

何度もアップしている「ホワイトボードの使い方」ですが、
改めてホワイトボードの有効な活用法を確認したいと思います。

ホワイトボードを上手く活用することで、時間を削減できたり、
生産性が数倍にもなるとも言われていますよ!!


■ ホワイトボードは会議に不可欠!

生産性の高い会議を行うためには、
参加者の間で目的や会議の進捗、そして結論の共有が大切です。
たくさんの意見が飛び交っても、全員が同じ方向を向き、
流れを共有していなければ有意義な会議にはなりません。

ホワイトボードで重要な情報を共有することで一体感が生まれ、
会議に集中できるというメリットもあります。

1.無駄な発言をカットできる
発言された意見をホワイトボードに書いていくため、似たような発言が出なくなる。
また、似たような発言でも、ホワイトボードに可視化されているため、
すぐに確認して次の話に進むことができる。
⇒ ちなみに、参加者全員に発言を求めたい場合は、
  似たような内容だとしても発言に耳を傾けること。
  異なる見解がある場合は加筆する。

2.すれ違ったままの議論がなくなる
ホワイトボードで議題や意見を確認することができるため、
議論の前提や方向性、認識が理解、共有されやすくなる。
5Wも利用して認識違いを防止しよう。

3.全員が参加しているという一体感を作り出せる
ホワイトボードに意見を書きながら議論すると、
全員の視点がホワイトボードに集まる。
全員が一点を見つめながら話し合うことにより一緒に考えているという一体感が生まれ、
「合意」の結論にも達しやすくなる。

ほかにも、「参加者が顔を上げる」と言う効果もあります。
紙の資料だけでは、みな資料を見て下を向きっぱなしになりがち。
顔を上げることで議論が活発になる。


■ ホワイトボードの役割

@ 会議の目的やゴールを共有する
最初に会議の議題やゴールなどを書いておくことで、
会議の目的やゴールを共有することができる。
口頭のみで説明するよりも、内容が頭に入りやすい。

A 会議の流れを可視化する
議論の流れを可視化するという役割もある。
話し合うべき議題がどの段階まで進んでいるかを全員が共有することができる。

B 決定事項を共有する
決定した内容や、今後の課題や改善策などをホワイトボードに書いておくことで、
決定事項を全員で共有できる。
参加者の誤解や確認漏れを防ぐこともできる。
また、会議終了後のホワイトボードを写真などで残しておくことによって、
議事録の代わりにもなる。


■ ホワイトボードに書いておくべき事項

これは大切です。以下の項目を書いておくだけで会議の質は向上します!
・会議名
・本日のテーマ
・所要時間(開始時間と終了予定時間)
・ゴール(出したいアウトプット)
 
これらを始めに書いておくだけで、脱線や結論が出ないといった問題が減る。
参加者の意識も共有できる。


■ 見やすくてわかりやすくするための書き方


1.発言をそのまま書くのではなく要点だけを書く
よくあるのが出された発言をそのまま書いていくケース。
これでは時間がかかり、議論が中断してしまう可能性がある。
また、言いたいことのポイントがわからなくなることもある。
そこで、要点だけをまとめて簡潔に書く。
発言内容を、一言一句書く必要はなく、箇条書きしながら簡潔になるように工夫する。
ただし、後から見ても内容がわかるように意見をまとめる力も必要。
まとめることが苦手な場合は、まずはキーワードをピックアップし
意図が伝わる程度の文章で書く。
発言をしばらく聞いて、ある程度意図がつかめてから書き始めるといい。
なお、書出したことについて、発言者に内容の確認をとることも効果的。
いずれにしても、発言者が「何と言ったか」ではなく、「何を言いたかったか」を汲み取ることがポイント。

2.見やすい文字で書く
ビジュアル的に「見やすく」書くことも大切。
文字は大きすぎず、小さすぎず、最後列の人が認識できる大きさで。
ホワイトボードに書く文字は「斜体」は見にくい。
あえて丸い文字、あるいは角ばった文字で書くように意識するといい。

3.マーカーの色を使い分けて書く
通常の発言は黒で、重要事項は赤や青などに変えるなど工夫することで
わかりやすくなる。
後から見直しても、何が重要か一目でわかる。

4.強調の技術を用いる
・文字を大きく書く、太字にする
・文字を囲む、下線を引く
・マークをつける
・図やグラフを用いて情報をわかりやすく整理する。


■ おわりに

ダラダラで結論が出ない、誰が何をやるのか決まらない、
など会議の非効率さは、多くのビジネスパーソンが思っていること。

そんな会議の不具合をカイゼンするために効果的なのがホワイトボード。
「スピード」「モチベーションコントロール」「議論の発散と収束」などを意識しつつ、
ホワイトボードを有効活用することが必要ですね。  

また、自分がホワイトボードを使って議論をまとめることによって、
確実にリーダーシップも身につきます。

たとえ失敗したとしても、大丈夫。
しっかりとふりかえることで改善し、かつトレーニングだと認識しましょう。

ということで、あなたも、あなたの部下にもホワイトボード書きを指名してみませんか?

・・・この、ホワイトボードの使い方、レクチャーとワークしたいです!!

posted by suzumura at 18:58| Comment(0) | TrackBack(0) | リーダーシップ

2023年02月17日

板書役


板書役を有効活用

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先日(2023/2/14)の日経新聞「就活のリアル」面で、
「グループ討議での役回り」というテーマが取りあげられていました。

・・・この「就活のリアル」は、毎回欠かさず読んでいます。
就活へのアドバイスを通じてビジネスのいろいろな側面の最新情報が得られます。


この記事内容をかいつまんでいうと。

就活ではグループディスカッションの場面も多い。
そんな中、就活生からこんな意見があった。
「書記のなり手がいなくて、しかたなく引き受けたが、
ほとんど発言できずに落ちたようだ」

就活のグループディスカッションでは、
司会や書記など役割が決められることも多い。
書記役でもしっかりと発言しなければ、印象が薄くなり損をする。

そこで、筆者(ハナマルキャリア総合研究所の上田晶美)は、
2つの対策を提示しています。
1.途中で話合いを整理したり促したりして、司会のような立ち回りをする。
2.最後の発表を書記が引き受ける。

こうすることで、発言不足を撤回でき、自らまとめるので発表しやすく、
かつ存在感が高まるという訳です。


私が担当する研修でも、グループディスカッションを多く取り入れています。
そして、役割分担することも促しています。
つまり、司会進行、板書(ホワイトボード記入)、発表、タイムキーパーなどで、
交替で担当し、積極的なグループ討議を体験してもらいます。

そんなグループディスカッションについて、
受講者から次のようなアンケート回答がありました。
「グループディスカッションの場合、板書役では板書に集中すべきと考え、
発言しなかった」

実は、講師としては、板書役でもグループディスカッションでの発言が少ないのは、
積極性や自主性が低いと映っていました。
・・・私的には、どんな役割でも積極的に発言して議論を前進させ、
議論の目標を達成することが必要と考えています。

中には、進行役を抑えて、板書しながら議論を進める逸材もいますが、
多くはあまり、ほとんど発言しません。
やはり、遠慮しているのでしょうね。

そこで思い出すのが、
私の好きな「ホワイトボード前に立つ」というリーダーシップ育成論です。
出典は「採用基準」伊賀泰代著。

タイトルは「採用基準」ですが、
内容はリーダーシップに関するもので、非常に役立ちます。

その中に「マッキンゼー流リーダーシップの学び方」という章があり、
そのひとつに「ホワイトボードの前に立つ」が取りあげられています。
リーダーシップを学べる機会とし、新人コンサルタントに課せられるというのです。

本書には
「ホワイトボードの前に立って議論のリーダーシップをとるには、
会議の参加者が発する意見を全体像の中でとらえ、
議論を整理して議論のポイントを明確にしたり、
膠着した議論を前に進めるために視点を展開したりと、
さまざまなスキルが求められる。
このホワイトボードの前に立つという経験を通して、
新人コンサルタントはディスカッション・リーダーとしての訓練を積んでいく」

ここ、いいですねえ。大好きです。

ということで、結論。

マネジメントとしては、
部下育成のために、ミーティングなどで部下に順番に
ホワイトボードの前に立つことを奨励してはいかがでしょう。
「ファシリテーション」についても説明しておくとよりいいですね。

もちろん、自身が研修に参加しグループ討議の場面があったら、
積極的に板書役を買って出て、出された意見をサクサクとまとめたり、
発言者に内容を確認したりして議論を前進させる力を発揮するのもいいですね。

ホワイトボードの前に立つ。
です。



posted by suzumura at 22:29| Comment(0) | TrackBack(0) | リーダーシップ

2022年12月15日

緊急ではないが重要なこと


緊急ではないけれど、重要なことを後回しにしていない?


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多忙なビジネスパーソンの私たち。
ついつい、緊急なタスクを優先がちですね。

とにかく、目の前の業務をこなし続けなきゃならない。
そうしなければ、仕事がまわらなくなる。

そんな声を、研修でも耳にします。

確かに確かに、緊急な業務をとりあえずこなさなければならないのが、現状でしょう。

でも、ここでちょいと立ち止まって考えてみてもいいのではないでしょうか。

例えば、
・この業務は、本当に重要なのだろうか?
・・・もしかして、客観的に見てみると、重要でもなければ、緊急でもないかもしれません。

・この緊急で重要だと考える業務は、自分が担当しなければならないのだろうか?
・・・ついつい、責任感の強い自分は、自分がやらなければならないと考えてしまう。
けれど、実は、部下などに委ねてもいいのかもしれない。
部下に任せたら、部下の向上や自信につながるかもしれない。

・この業務は、本当に緊急なのだろうか?
・・・客観的に見てみよう。もしかして、今すぐやらなくてもいいかもしれない。

などなど。

そして、今日、言いたいことは、
そんな緊急で重要なこと(と思い込んでいること)を優先しがちな昨今、
実は緊急ではないが重要なことを後回しにしていないか、ということです。

もしかして、それは緊急ではないと、自分で思い込んでいるかもしれません。
実は実は、それは、非常に緊急で重要なことかもしれません。

それは、人間関係です。

もちろん、顧客との人間関係、信頼関係構築は、必要だという認識は高いでしょう。

が、社内の関連部署との信頼関係も、この経営環境の変化が激しい時代、大切です。

さらには、グループ会社、つまり子会社との関係。
なおざりにしていませんか?
自分たちがあるのは、子会社の人たちがあってこそのものです。

さらにさらに、部下。
部下のやる気、意識、モチベーション。
また、キャリアビジョン。

気づいているけれど、後回しにていませんか?

ぜひとも、重要だけども緊急ではない、と思っている事。
思い込んでいる事。

このさい、見直してみませんか?

私が心配しているのは、放置している部下のことです。

posted by suzumura at 15:24| Comment(0) | TrackBack(0) | リーダーシップ

2022年12月02日

OJTを見直す


OJTは、部下育成の基本

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世の中、さまざまな育成スキルが提唱されています。
そんな中、王道の指導スキルは「OJT」と言えるでしょう。

まずは復習から。

■ OJTとは

オン・ザ・ジョブ・トレーニング(On-the-Job Training)。

OJT指導者(上司・先輩)がOJT対象者(部下・後輩)に対して、
日常業務の中で、仕事を通して職務遂行に必要な基本能力(知識・技能・態度など)を
「意図的」「計画的」「段階的」「重点的」に習得させる育成方法です。

その基本は・・。
第一次世界大戦時、米国で、
造船所の従業員教育の責任者を命じられたチャールズ・R・アレンが
開発した訓練法が土台とされています。

ちなみに、人材育成の3本柱は、
OJT(職場内指導)、OFF-JT(外部研修参加など職場外研修)と、
SD(自己啓発)となっています。


■ OJTのポイント

この4つのポイントはおさえておきたいですね。

1.意図的に教える 目的をもって教える。
2.計画的に教える いつまでに、何を、どこまで身につけてほしいかなどを、計画する。
3.段階的に教える 部下のレベルに合わせ、段階的にレベルアップする。
4.重点的に教える 期限内にどうしても身につけてほしい知識や技能を、重点的に教える。


■ OJT「基本的6つのステップ」 

第1ステップ「育成目標の設定」(OJT目標)
  組織目標を踏まえ「育成目標(あるべき姿)」を設定する。
第2ステップ「必要能力と対象者の現状把握」
  育成目標を達成するために必要な知識・能力などを
  分析(棚卸)するとともに、対象者の現状レベルを把握する。
第3ステップ「育成計画の作成」
  @必要能力と現状とのギャップをうめるための「課題=習得すべき事項」を設定する。
  A指導方法(どうやって)と期限(いつまでに)を設定(期間は1年間、半年、3か月)。
第4ステップ「上司の承認、対象者との話し合い」
  @「育成計画表」を上司に報告し、助言、承認を得る。
  AOJT対象者に説明し、要望など把握する。
第5ステップ「実践」  
  計画にもとづいて実施する。
第6ステップ「評価」  
  期限が終了したら評価(対象者と指導者双方)したうえで、上司に報告する。

そして次の「目標」を設定する。


■ おわりに

指導育成の基本は「OJT」!

どなたもご存知だと思いますが、
改めてその基本を押さえておくことも、いいでしょう。





posted by suzumura at 18:04| Comment(0) | TrackBack(0) | リーダーシップ

2022年08月08日

優れたリーダーの行動特性


優れたリーダーには共通した行動特性がある


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PCを整理していたら、興味深い記述を発見!
やや古い資料(2015年)ですが、現代にも通ずると思います。
参考にしてみてはいかがでしょう?


■ 優れたリーダーに共通する8つの行動特性

1.戦略志向
 広範囲で複雑、しかも分析的かつ概念的な考え方をしている。
2.市場に対する洞察力
 市場を深く理解しており、それが事業にどのような影響を及ぼすか、
 きちんと把握している。
3.結果志向
 事業目標を目に見える形で達成する、という固い意思がある。
4.顧客への影響力
 顧客サービスに情熱を持って取り組んでいる。
5.コラボレーションと巻き込み力
 自分の指揮系
 統の外にいる人々まで含め、仕事仲間やパートナーと上手に共同作業ができる。
6.人材育成
 トップレベルの人材を育てるなど、自社の実力を高める能力がある。
7.チーム・リーダーシップ
 それぞれのチームに目を配り、目標を与え、
 仕事のできるチームに育てることができる。
8.チェンジ・リーダーシップ
 組織を変革し、新しい目標に舵を切り直させる能力がある。

設問1・・・上記の中で今の自分が持っている行動特性はなんですか?
設問2・・・足りないと思われる行動特性はなんでしょう?
設問3・・・今後どのような行動特性、つまり能力を高めたいと思いますか?


■ おわりに

リーダー論もリーダーシップ論も、百花繚乱。
そして時代の変遷に応じて、解釈のしかたも変わっていきます。
とはいえ、
今の自分に必要だと思われる能力を確認しつつ、
身につけていく姿勢、必要ですね。


posted by suzumura at 07:27| Comment(0) | TrackBack(0) | リーダーシップ

2022年07月26日

PM理論


今の自分のリーダーシップ行動特性を確認しよう

20220722夏空.JPG


今の自分はリーダーとして
人間関係を重視しているか、課題達成を重視しているのか、
定期的にチェックしてみませんか?


■「PM理論」による4つのリーダーシップ行動チェック

リーダーシップ行動理論の代表とされるのが、
1966年に社会心理学者「三隅二不二(みすみ-じふじ)」によって提唱された
「PM理論」です。

社会人であれば一度は耳にしたことがある、ともいわれています。
PM理論はわかりやすく汎用性も高いため、
提唱後60年近く経った今でも様々な場面で用いられています。

リーダーシップとは、Performance「目標達成機能」と
Maintenance「集団維持能機能」の2つの能力要素で構成されるとし、
「PM型」が最も理想的と定義しました。

・「P機能」・・・成果を上げるために発揮されるリーダーシップのこと。
目標設定や計画立案、メンバーへの指示などによって目的達成、課題解決を図り、
業績や生産性を高める機能を指す。

・「M機能」・・・集団をまとめるために発揮されるリーダーシップのこと。
人間関係を良好に保ち、チームワークを維持・強化する機能を指す。

この「P」と「M」の2つの能力の大小によって、
4つのリーダーシップタイプ(PM型、Pm型、pM型、pm型)に分け、
PとMが共に高い状態(PM型)のリーダーシップが望ましいとされています。
それでは、セルフチェックしてみましょう。

■ PM機能のチェックリスト

次の各項目について、普段の行動について当てはまるものに
チェックをしてみてください。

<P機能>
@(  )目標を明確にし、部下に目標をたえず意識させている
A(  )目標達成のための計画を立てている
B(  )部署としての方針を決め、それを徹底させている
C(  )何をどのようになすべきかを決定している
D(  )目標達成のための方法を具体化し、それを部下にしっかり理解させている
E(  )部下に役割を割り振り、それぞれの役割分担を明確にしている
F(  )部下に行動の開始や役割の遂行を促している
G(  )それぞれの部下の仕事の進捗状況を把握している
H(  )仕事の進み具合について、部下から報告を求めている
G(  )自分が部下たちに何を期待しているのかを知らせている
I(  )目標達成の過程で生じた問題点を明確化し
 その対処法についてアドバイスを与えている
J(  )規則やルールとして決まっていることを、部下に徹底させている
K(  )自分自身の向上のため、専門知識や技能の習得に励んでいる
L(  )それぞれの部下の成果を正確に把握し、正当に評価するようにしている

<M機能>
@(  )部下たちから気軽に話せると思われている
➁(  )快適かつ友好的な雰囲気の醸成・維持に配慮している
B(  )変更があればあらかじめ部下たちに知らせている
C(  )自分がとる措置について、その理由を説明している
D(  )部下相互の情報交換、交流を促進している
E(  )少数派にも発言の機会を与えるよう配慮している
F(  )部内でいざこざが生じたときは仲裁する
G(  )集団の和を乱す部下に対しては適切な対処をしている
H(  )部下一人ひとりの意見を尊重し、自主性・当事者意識をもたせている
I(  )部下一人ひとりの気持ちに配慮し、不平・不満に耳を傾ける
J(  )悩みや迷いを抱える部下の相談に乗る
K(  )このチームで良かったと思えるような気配りをする
L(  )部署の代表として、必要なときは他の部署の人たちとの交渉を行う


■ まとめ

P機能(目標達成機能)とM機能(集団維持機能)のどちらのチェックが多かったですか?
このチェックをするだけで、今の自分がどの機能に重点を置いているかがわかります。

三隅二不二氏は、その2機能のバランスが取れている状態が理想的だとしました。
今の自分の足りない面は改善し、あるいは右腕とされる部下に補完してもらう。
そして強みは強化する。
リーダーとしての自分の今を再確認してみませんか?

posted by suzumura at 15:53| Comment(0) | TrackBack(0) | リーダーシップ

2022年06月16日

フォロワーシップ


フォロワーシップも重要な機能


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リーダーシップについては、80年以上も前からさまざまな研究がなされ、
多くの理論が提唱されています。

ビジネスパーソンなら、イロイロ学んでおられることでしょう。
でも、どのリーダーシップ論が正しいのか?
私的には「PM理論」と「SL理論」が基本だと思っています。
が、イロイロありすぎて、わからない・・・となる。

そこで、神戸大学名誉教授で、有名な「金井壽宏」教授は、
「リーダーシップとは、正解はなく、
自分で持論を作ってそれを実行するというもの」
との発言があります。
確かに、外部環境や内部環境、そして職場環境や存在するメンバーによって
リーダーシップって、変わってきますものね。

さて。

一方、最近、組織においては、
リーダーシップのみならずフォロワーシップの重要性についても
注目されています。


■ フォロワーシップとは

組織としての成果を最大化するために、
チームメンバーがリーダーを支援する機能のこと。


1990年代になると、組織力の向上のためにはチーム全体の力が必要であり、
リーダーシップ論だけでは不十分だという考えが生まれ始めました。

カーネギーメロン大学ロバート・ケリー教授の研究によると、
組織が出す結果に対してリーダーが及ぼす影響力は1〜2割程度、
残りの8〜9割はフォロワーの力に左右されると示されています。


■ フォロワーの5つのタイプ

上記バート・ケリー教授は、フォロワーの5タイプを
提唱しました。

横軸と縦軸のフレームで考えます。

横軸:貢献力
・自らの実力を発揮してリーダーを支援し、 組織の目的達成に貢献する力のこと。
・評価の基準は「積極的に関与・貢献しているか?」

縦軸:批判力(提言力)
・指示を受けるだけではなく、自らの意見を述べたり、
必要であればリーダーの方針を正すことのできる力。
・評価の基準は「主体的に行動しているか?依存的であるか?」

それぞれの軸の能力を高低で2分し、4つのタイプに分けます。
最後に、それぞれの力が「中程度」となる5つ目のタイプがあります。

@ 模範型フォロワー「協働者」 
・貢献力「高」(積極的)、批判力「高」(主体的)の理想的なタイプ
・主体的、かつ積極的に動ける良きフォロワーであるだけでなく、
 時にリーダーシップを発揮する事もできる。

A 孤立型フォロワー「破壊者」
・貢献力「低」(消極的)、批判力「高」(主体的)の評論家タイプ。
・批判するばかりで自らは積極的に動かないため、周囲から孤立する事も多い。
・リーダーやメンバーと信頼関係を築くことが出来れば、
 「協働者」となるポテンシャルも持っている。

B 順応型フォロワー「従事者」
・貢献力「高」(積極的)、批判力「低」(依存的)のイエスマンタイプ。
・一見よきフォロワーに見えるが、リーダーへの依存度が高いため、
 このタイプが多い組織は発展性が低くなることがある。
・指示通り都合よく動いてくれるので、
 このタイプばかりを重宝するリーダーが多いことが問題視されている。

C 消極型フォロワー「逃避者」
・貢献力「低」(消極的)、批判力「低」(依存的)の強制労働者タイプ。
・自ら考えることをせず、指示されたことを嫌々ながら最低限こなすだけの人々。
・フォロワーシップの考え方には当てはまらない組織との関わり方といえる。

D 実務型フォロワー「実践者」
・貢献力、批判力ともに「中」の凡庸なタイプ。
・自らの業務の範囲内でフォロワーシップを発揮する。
・このタイプは、ストレッチした目標に挑戦することで、
 「協働者」を目指したいところ。

【設問】
1.あなたの部下、後輩たちはどのタイプに入るでしょう?
2.それぞれのタイプに当てはまる、部下、後輩を
  どのように育成していけばよいでしょう?


■ おわりに

 中堅社員という立場では、フォロワーになる回数の方が、
リーダーになる回数よりも多いことは確か。

 そこで、質問です。
皆さんの部下、後輩は、自分の意見をきちんと伝えられているでしょうか?
それとも、反対だけして後は知らぬ振りをしたり、
表面上は黙ってリーダーに従いながら、
陰では同僚と愚痴を言いあったりしているでしょうか?

部下、後輩としては、批判(提言)するというのは勇気がいることであり、
嫌われて今後の活動に影響が出るのではないかと不安になるかもしれません。

それでも、貢献する力と批判する力(提言する力)をバランス良く発揮して
組織の成果を出そうとする、良き協働者を目指すことが求められます。

それが、本人のリーダーシップ養成にもつながります。

タイプに合わせた「指導、育成」、心掛けたいですね!!

posted by suzumura at 11:11| Comment(0) | TrackBack(0) | リーダーシップ

2022年04月19日

SL理論による部下育成


部下に合わせた指導法


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先日、部下の能力とやる気に合わせた指導法
「Will/Skillマトリックス」をご紹介しました。

同じように部下の状況に合わせた指導法「SL理論」も知っておくと便利です。


■ SL理論(シチュエーショナルリーダーシップ理論)とは?

SL理論とは、1977年にポール・ハーシーとケネス・ブランチャートが提唱した、
リーダーシップ条件適応理論で、三大リーダーシップ理論の一つとして有名です。
@「SL理論」 ➁「PM理論」 ➂「マネジリアル・グリッド理論」

チーム内の多様な人材(部下)に対して、一律に指導するのではなく、
部下それぞれの状況に合わせて4つのリーダーシップを発揮すべきという理論です。
いわば、部下に合わせた指導方法といえます。


■ 指導方法を4つの枠で考える

SL理論の分割の定義については様々な解釈がありますが、
今日は「部下育成」に絞って解説します。

部下について「サポートやコミュニケーションの必要性」と「業務指示の必要性」
の大小に合わせて4分類します。

それぞれを「教示型・説明型」「説得型・コーチ型」「援助型」「委任型」とし、
対応した指導を行います。

S1:教示型・説明型指導
一般的に新人や未経験者を対象にしたものです。
仕事に対して具体的な指示と確認、管理を細かく行います。
慣れてきたら、サポートはそこまで行わずに
まずは当人にやりきってもらいます。

S2:説得型・コーチ型指導
ある程度仕事に慣れてきた人向けのものです。
コミュニケーションを密に行い、仕事の意義や目的を伝えるとともに
部下からの質問に納得がいくように答えていくことで、
部下の仕事への責任感が芽生えたり、
リーダーシップを醸成します。

S3:参加型指導
業務を遂行する能力は高いけれど、
自分で意思決定できないという部下向けのものです。
仕事を遂行する能力は高いので、業務への指示は具体的には行わず、
重要なポイントや意思決定における基準を伝えたり、
部下に自信を持ってもらうために不安なことを解消したり、
承認したりすることなどを通して支援していきます。

S4:委任型指導
仕事を遂行する能力や意欲が高く、
指向性や判断基準など説明をする必要がないベテラン社員向けのものです。
部下と話し合って目標や課題の共通認識を持ち、
目標達成や課題解決のための仕事の進行を任せて、
成果の報告をしてもらうという関わり方をします。


■ おわりに

部下の業務能力や心理状態は多種多様で、刻々と変化しています。

日頃からよく観察しながら、部下に合わせた指導を行い、
また部下の状況変化に合わせて指導法も変化させる必要性があります。

指導法を変化させる場合は、その理由を明確に伝え、
部下のモチベーションの維持向上と、能力向上を支援することも大切ですね。


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2022年02月09日

リーダーの役割



リーダーが果たすべき役割とは?

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私は研修講師として、階層別研修やリーダー研修を担当することがあります。
それらの研修では、リーダーの役割を確認することからスタートします。

リーダーの役割を実践しておられる人も多いのですが、
忘れている、おろそかになっていることがある、と言う声も聞きます。

定期的にリーダーの役割やリーダーに求められる能力を再確認することも
必要だと考えます。

ということで、今日は、リーダーの役割をおさらいします。

ちなみに、リーダーの役割は、
多くの研修機関で様々な切り口で論じられています。
一つの考え方として参考にしていただければ幸いです。


■ リーダーの4つの役割

リーダーには、組織の中の責任ある存在として全力で仕事に取り組み、
積極的に人や事柄に関わって、高い成果を求めていく姿勢が求められます。

ビジネスパーソンとしては「目標を達成すること」が重要課題のひとつです。

また、リーダーならば「組織目標の達成」とともに、
「職場力の強化」も求められます。
この2点を達成するために必要なのが、次の4つの役割です。

1.目標達成のマネジメント
目標達成に向けて確実に仕事を回す。
・目指す姿の実現に向けて、目標を設定して実行し、
 評価していくプロセスを実践する。
・職場目標を達成するために何をすべきか考え、具体的な計画に落とし込む。
・期限内に完了させるよう、進捗状況を管理する。
・状況に合わせて的確な判断をして決定し、変化に対応する。

2.職場の問題解決
目標達成の過程において発生した問題の解決や問題の防止、
潜在的な問題の発見・解決を図っていく。
・必要な情報や事実を収集し、現場で何が起こっているかを把握する。
・発生した問題のみならず、潜在的な問題を把握し、
 問題の本質を明らかにするととともに的確な判断をして解決する。
・発生した問題を繰り返さないように、カイゼン、定着、ルール化を図る。

3.部下の育成
部下の特徴を把握して育成計画を立て、成長を促す視点から
業務の分担や目標設定を行い、その完遂・達成や学ぶプロセスを支援していく。
・業務遂行における計画や手順を明確にして、具体的に部下に指示を出す。
・部下の技能、技術やモチベーションに合わせた指導をする。
・部下に合わせた承認(叱りる、ほめるなど)を行い成長を促す。
・部下からの意見やアイデアが言い出しやすい雰囲気を作り、とりあげる。
・仕事の意義や目的とともに、部下に何を期待しているかを伝える。

4.イキイキとした職場づくり
チームの業務が円滑に進むように協働する関係づくりや、
お互いに励まし合い、刺激し合い、向上を図ってく切磋琢磨の関係づくりをする。
・職場・仕事のありたい姿・理想像を、部下に伝える。
・職場内で活発なコミュニケーションが行われるよう率先して取り組む。
・メンバー同士、お互いに認め合い、助け合う雰囲気作りをする。
・メンバー全員が、仕事にやりがいを感じ、
 前向きに取り組むような環境づくりをする。
・新しいことにチャレンジすることを推奨し、そのメリットも
 部下に分かりやすく説明する。

【設問1】
上記4つの役割の中で、今、一番力を入れていることはなんですか?
その理由は?

【設問2】
最近、なおざり(深く心にとめないさま。本気でないさま。いいかげん)
になってしまっている役割はなんですか?
その理由はなんでしょう?


■ 参考「リーダーの役割を達成するために必要な5つの能力」
・課題形成力 = 何をすべきかを設定していく力
・課題遂行力 = どうすべきかを考え、やり遂げていく力
・対人対応力 = 関係者を巻き込んでいくコミュニケーション力
・知識・技術・技能 = 担当する業務遂行に必要な知識、技術、技能
・執務姿勢 = 自主的・主体的に取り組み、やり遂げていこうとするマインド


■ おわりに

コロナ禍もあり、多忙な中で、おろそかになっている役割、ありませんか?

もちろん、状況や変化に応じて、それぞれの注力度合は変わってくるものです。
とはいえ、リーダーとしては、4つの役割を意識して
日々業務に取り組むことが必要ではないでしょうか。

ちなみに、「目標達成」「問題解決」「部下育成」「職場環境整備」は、
役職が上がっていっても求められる役割です。

異なるのは、それぞれの責任範囲が広大になっていくということであり、
自分が直接担当するのではなく、部下に委ねてマネジメントし、
達成するということです。

今一度、リーダーの役割確認してみませんか!

posted by suzumura at 20:22| Comment(0) | TrackBack(0) | リーダーシップ