色々な効果が期待できる
「ブレスト」と「KJ法」
私が若手の会社員時代の研修で問題解決手法として学んだのが
「ブレスト=ブレーンストーミング」と「KJ法」です。
ご存知の方も多いでしょう。
以降、社内勉強会などでも、ブレストとKJ法の良いところを融合させ、
問題解決に当たってきました。
研修講師になってからも、それらのメリットを生かせる場面では、
積極的に実施しています。
考えてみると、私的には「ブレスト+KJ法」が好きなようです。
理由は、
@全員が意見を出せる(口下手な人でも)
➁思いもよらぬアイデアが出まれる
Bメンバー同士の距離が縮まる
から。
今日は、その「ブレスト」と「KJ法」をご紹介します。
・・・ちょいと長いのですが、ご勘弁を・・・
■ ブレストとはブレストとは、ブレーンストーミング(brainstorming)の略。
1953年ころ(?)米国の広告代理店の副社長
「アレックス・F・オズボーン」が考案したアイデアを出しある会議の一種。
「頭」に「嵐」を巻き起こしアイデアを出すことから
「ブレーンストーミング」と名付けられたようです。
概要は、複数の参加者が自由にディスカッションを行い、
アイデアをどんどん出していくことで、新しい考え方や解決策を導き出していく手法。
従来の会議などとは違って、
既存概念や先入観にとらわれずに自由に発言することで、
お互いの発想を利用して新たなアイデアを生み出すことができる
という考えに基づくものです。
■ ブレーンストーミングの効果1.さまざまな考えが得られる特定の問題に対し、想定外のアイデアやクリエイティブな解決法を
手に入れることができる。
ひとつのアイデアから連鎖反応が起きたり、
一人では考えつかないアイデアが効率的に早く収集できる。
2.スキルアップが図れる制約を受けず、他メンバーの意見やアイデアを聞くことができるため、
刺激を受け、参加者一人ひとりの能力を大きく向上させるきっかけになる。
メンバーのクリエイティブな創造性が開発される。
3.信頼感生まれ、チームがまとまる他者の考えを共有することでチームの結束を固め、目標達成への意欲を高める。
■ブレーンストーミングの4つのルール1.批判厳禁・・・どんな意見が出てもそれを批判しない
2.自由奔放・・・奔放な発想を歓迎し、トッピな意見でもかまわない。
3.量を好む・・・数で勝負。たくさんの量から質のよいものが生まれる。
4.便乗発展・・・他者の意見に便乗して、発展させていく。
その他にも
1.すぐに結論を出さない
2.質にこだわりすぎない
などもあります。
■ ブレーンストーミングの進め方1.テーマ選定と現状把握、理由の共有(10分程度)
2.アイデア出しと収束作業(30分〜40分)
3.アクションプランの設定(10分程度)
合計、1時間程度です。
■ ブレーンストーミングが失敗する理由1.アイデアが出ない
2.質問自体がそぐわない
3.発言する人が偏る
4.緊張して発言しづらい(上の立場にいる人が参加している)
5.アイデアがまとまらない
■ KJ法上記ブレストの欠点を補う方法のひとつにKJ法があります。
KJ法も、問題解決のアイディアを出す手法のひとつです。
KJ法の呼び名は、考案者・川喜田二郎氏のイニシャルを由来とします。
(川喜田二郎氏の著書「発想法(中公新書、1967年)、
続・発想法(中公新書、1970年)」は有名)
私は、ブレーンストーミングをKJ法の手法で展開しています。
★ 私の進め方1.テーマ決定(ブレストと同様)
模造紙やWBを使う場合は、上にテーマを書出し、常に共有できるようにします。
2.アイデア記入
まず全員が、テーマに沿った意見やアイデアを、カード(ポストイットが効果的)
に書き出します。所要時間10分程度。
この際「一人10枚以上書こと」などをルールとして伝えると、
無理くりにもアイデアを考え、創造性につながります。
また、事前にテーマを伝えてアイデアを書いてもらっておくと、
意見が出やすく時間短縮にもなります。
3.カード読み上げ
一人ずつ、カードを読み上げ、カードに書かれた言葉の理由や背景も語ります。
この際、一人一枚ずつ、順番に読み上げると、発言の偏りを防げます。
なお、他メンバーの発言で閃いたことがあればその場で追加してもらいます。
(便乗発展、便乗歓迎の精神で)
4―@アイデア収束
全部のカードが出そろったら、似たような意見をまとめて、
分類したり、図解して、全員が見やすいように整理します。
次に、まとめられたカード群を表す言葉(表札という)を中テーマとし、
大きめのカードに書いて貼ります。
4−➁カード読み上げと収束の合体型
私は、研修の場などで、
一人がカードを読み上げた後、似たようなカードを持つ人が発表していく
という手法を使っています。
もちろん理由や背景も同時に発表してもらいます。
こうすると、時間短縮になります。
また、最初は同じような意見だ思っても、
発表するうちに違う意味合いがある場合もあり、盛り上がります。
4−Bテーマ再設定
全員が発表した後、さらに討議を発展させたいテーマを選定し、
そのテーマに対して同じ要領で討議を進めます。
これらを繰り返し、最終的な結論(合意形成)に結びつけます。
5.アクションプラン
問題解決の場合は、必ずアクションプランに結びつけましょう。
最終的に合意形成された解決手法について、
基本的には「5W1H」でまとめます。
誰が、どこで、どのように、いつまでになどを決めます。
せっかく多様な意見が出され、合意形成されても、
アクションプランにつなげないと、実践が伴わず、
ただの井戸端会議になってしまいます。
■ 応用ブレストやKJ法の進め方はとてもシンプルです。
更に効果的にするためには「アイデアの数量目標を高めにする」、
「いいね!と声を掛け合う」
「多グループで実施する場合は数を競い合う」などの方法もあります。
また、ブレスト(KJ法)が終わった段階ではまさに玉石混交と言った状態といえます。
そこから使えるアイデアにするには、
「効果性」「実現性」「新規性」などの評価基準を設けて、
みんなで投票して取捨選択するやり方もいいですね。
■ おわりにすでに、ブレストもKJ法も職場で活用しておられる方も多いでしょう。
組織変更などがあり、最近忘れていたという方もいるかもしれません。
Zoomを使ってのブレストも有効ですね。
柔軟なアイデアを引き出し、メンバーの創造力を向上させ、
メンバー同士の距離を縮める、ブレスト(KJ法)、ぜひ実践してみませんか?
何度もいいますが、私が好きな問題解決法です。