2019年04月15日

学びのゾーン


人によって学べる状況は異なる

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この4月から、新しい部下が配置されたという
リーダーの方も多いでしょう。

部下の指導と育成は、リーダーの喫緊の課題で、
しかもチームの業績向上にも欠かせません。

ところが、
最近は、部下育成、部下指導といっても、
そんなに簡単ではありませんね。

今の部下たちは、能力も経験も、価値観もまったく異なっています。
従って、指導育成方法も個別対応しなければならない、
いうのが現状です。

部下指導にはいくつかのスキル、フレームワークが
世に出ています。

そんな中で、
人材開発や組織開発の第一人者である中原淳先生の教えを
ご紹介しましょう。

著書「フィードバック」(2017年)PHPビジネス新書で、
部下育成のための仕事の与え方について
部下の3つの心理空間を説明しています。

で、NETを調べてみたら、
より参考になる記載があったので、そこからも引用します。

http://www.nakahara-lab.net/2013/04/post_1992.html

ご興味のある方は、どうぞ。


■ 学習者の3つの心理的空間

学習者(会社では部下・後輩など)が今立っている空間を、
「3つのゾーン」にわけます。
(3つのゾーンは、同心円の図形)

・Comfort Zone(快適空間:コンフォートゾーン
 同心円の中心の領域に位置するゾーン。
・Stretch Zone(背伸び空間:ストレッチゾーン)
 コンフォートゾーンの外側のゾーン。
・Panic Zone(混乱空間:パニックゾーン)
 同心円の一番外側のゾーン。

・「快適(コンフォート)空間」
文字通り、学習者にとって何のストレスのない、
心理的安全の支配する空間。
この空間にいる学習者は、
未知のものに出会うこともなく、挑戦もない。

裏返して言えば、この空間では「学習」は起こらない。
日常のオペレーションやルーティンがそこを支配し、
昨日のように今日も流れていくという状態。

・「背伸び(ストレッチ)空間」
学習者が様々な未知のものに出会い、
それへの適応や対処を求められる空間。

「ストレッチ」という言葉の示すとおり、
学習者には「挑戦」が求められ、かつ、失敗するリスクも生まれる。

「挑戦」や「失敗」を裏返して言えば、
そこには「学び」があるということ。

この空間は、
「Growth Zone(成長空間)」「Learning Zone(学習空間)」
ともよばれている。

・「混乱(パニック)空間」
未知のものに出会う頻度や対処の難しさ・複雑さが格段にあがり、
学習者はいわばカオスに投げ込まれたようなものといえる。
高い不確実性、高い不透明性が眼前に広がっている状態。

そこでは「失敗するリスク」が高すぎて「恐怖」が支配し、
とても冷静になることはできず、学ぶこともできない。
あるのは、ただただ「パニック」。
それ以上でも、それ以下でもない。


■ 学びとリスクの関係

この同心円の3つのゾーンは、
学びとリスクが微妙なバランスの上に立っている、
ということを教えてくれると、中原先生。

つまり、
リスクが高すぎては「混乱空間」になってしまい、
人は恐怖におののく。

とはいえ、リスクが低すぎては、つまり「快適」すぎてしまっては、
人は日常のルーティンに流されていくだけ。

いずれにしても、この2つのゾーンでは、学ぶことはできない、
と指摘しています。

また、
非常に興味深いのが「コンフォートゾーン」。
ここの空間は快適で、一見「ノーリスク」「ゼロリスク」のように
見えるかもしれないが、
それは長期的にみれば、「非常にリスクの高い空間」であるといえる。

なぜなら、そこには「快適さ」が支配しており、
学習者に「学び」や「進歩」がない。

従って、いずれ環境が変化し、適応や革新をもとめられた際には、
学習者は、もっとも「脆弱な立場」に置かれやすい、
ということを意味する。

リスク論をひくまでもなく、
この世界に「ノーリスク」「ゼロリスク」の「地平」は存在しない。

短期的には一見「リスクがない」と思われるものほど、
長期的には「リスキーであること」が、この世の中には多いもの。
「ゼロリスク」とは、見方をかえれば「ハイリスク」のことである。

・・・ああ、確かにですね。
今やIT化、AI化の急激な進歩により、
人の仕事がなくなっていくとさえ言われています。
快適な現状に甘んじていると・・・・どうなるか。
イメージできますね。


■ 中原先生の締め

中原先生は大学教授であるため、
学習者、つまり学生さん向けに説明していますが、
企業で働く人にも当てはまるとしています。


この3つのゾーンの理論は、
「ビジネスパーソンの能力形成・キャリア形成」においても、
フレームワークとして参照が可能なのではないかと思う。

あなたが、指導側にいるのならば、
学習者(部下、後輩)にとってちょうどよい「ストレッチゾーン」を
いかにセットするかがポイントになるのかもしれない。

また、あなたが学習者側にいるならば、
自分を適切な「ストレッチゾーン」に導くことが求められる。

ともかく、「最近、何か、快適だなー」と思ったら、
それは「学び」から遠ざかっている証拠かもしれない。

あなたが今たっているのは「快適空間」ですか?
「背伸び空間」ですか?
それとも「混乱空間」ですか?
そして人生は続く

・・・と締めくくっています。


■ おわりに

今や、変化や競争が激しく、かつ人手不足であるビジネスシーンにおいて、
快適ゾーンにいる、といえる人は少ないかもしれません。

一方、パニックゾーンにいる人は、多いかも。

あなたの部下が、パニックゾーンにいるとしたら、
早急に手を打つ必要がありますね。

人によって、この3つの空間での立ち位置はそれぞれ。
部下、後輩に合わせた仕事と良いリスクを与えることが
求められます。

もちろん、
自分自身の成長のためにもリスクって、
必要ですね。


posted by suzumura at 09:22| Comment(0) | TrackBack(0) | セルフコーチング
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