オフボーディング
先日、日経新聞「退職代行 新人が利用する訳」を紹介しました。
日経新聞には、東京都立大学大学院の西村史准教授が「オフボーディングの導入」
を指摘していました。
最近、注目されている「オフボーディング」。
ちなみに「オフボーディング」に対比されているのが「オンボーディング」です。
今日は、「オフボーディング」について考えてみましょう。
■ オフボーディングとはオフボーディングは、社員が円満退職できるようにサポートする取り組みのことです。
例えば、退職面談を実施して、退職理由や転職活動状況をヒアリングした上で
可能な限りサポートします。
また、退職の意志表示から退職までスムーズに物事が運ぶように、退職手続きや引継ぎ業務を円滑に進めていきます。
■ オフボーディングが注目される理由・雇用の流動性終身雇用制度が崩れ始めて、人々のキャリアに対する意識も多様化し、転
職が身近なものとなり、雇用の流動性が高まりました。
そんな中、退職者との関係性を良好に保ち、
企業にポジティブな印象を持ってもらうためにオフボーディングが注目され始めました。
企業に対してポジティブな印象を持ってもらえば、
退職後にネガティブな口コミを投稿されずに済みます。
また、退職者と連絡を取り合える関係でいれば、
再雇用や副業人材として働いてもらうこともできるでしょう。
雇用の流動性が高まる現代において、
オフボーディングは企業にとって欠かせない取り組みとなっています。
・SNSの普及SNSの普及により、個人が自由に情報を発信できるようになりました。
退職時に不快な思いをした場合、SNSに悪い評判が書かれてしまう恐れがあります。
ネガティブ情報が拡散されると、企業イメージが低下して採用活動やビジネス機会、
既存社員のエンゲージメント低下に悪影響を及ぼす恐れがあります。
そのため、オフボーディングにより退職する社員の満足度を高め、
SNSでのネガティブな発言を防ぐ取り組みが注目されています。
・アルムナイ(企業の退職者)活用の浸透近年、企業でアルムナイ活用が浸透してきています。
アルムナイを副業人材として採用したり、ビジネス協業先にしたりといった動きが
活発化してきています。
自社で働いた経験のあるアルムナイは、企業文化や仕事内容を熟知しており、
それらの知見を活かしながら協力してもらえることもメリットです。
しかし、アルムナイから協力を得るためには良好な関係が欠かせません。
つまり、アルムナイ活用の浸透と共にオフボーディングが注目を浴びてきました。
■ オフボーディングに取り組むメリット・口コミ対策ができるオフボーディングに取り組んで、退職者を可能な限りサポートし円満退職できれば、
ネガティブな口コミを書かれるリスクを抑えられます。
・アルムナイネットワークを構築できるアルムナイネットワークとはアルムナイと企業が連絡しあう場です。
退職者の再雇用や業務委託などで新しい関係を築けたり、
自社を理解している立場から新たな視点のアドバイス、
新規顧客の紹介などのビジネス機会を得ることができます。
近年、アルムナイネットワークを立ち上げる企業が増えてきました。
・職場改善ができるオフボーディングを行い、退職する社員から退職理由を聞くことで、
職場環境に潜む問題点を発見することができます。
職場環境の改善には、在籍中の社員の満足度にも繋がります。
・業務の引継ぎをしてもらえるオフボーディングを通じて、企業が自分に対して配慮してくれていることを実感できれば、
気持ちよく会社を辞めたいという心理が働き、
後任者の育成に積極的に協力しようという意欲につながるのです。
そのため、業務の引継ぎを入念にしてもらえるようになります。
・企業ブランディングに繋げられるオフボーディングに取り組めば、
社員一人ひとりを大切にするという企業文化を醸成することで、
企業のブランドイメージを向上させることができます。
企業の評判が良くなれば、求人活動が円滑に進み、優秀な人材の採用に繋がります。
■ オフボーディングの具体例@退職面談を実施するまずは、社員から退職の意志表示をされたら退職面談を実施します。
退職面談の目的は3つです。
・退職理由を把握して退職を引き止める
・社員の転職活動の状況を聞いてサポートする
・会社への不満をフィードバックしてもらい職場改善する
これらの目的を達成するためには、社員に本音を話してもらう必要があります。そのため、退職面談時はリラックスできる場所で行い、面談する人は共感と傾聴を意識して話を聞くようにしましょう。
A退職者の送別会を実施する退職する社員の同意を得た上で、退職者の送別会を実施します。
送別会は退職する社員への感謝を伝える良い機会です。
食事をしたり、記念品やメッセージカードを贈ったりしましょう。
同僚からのメッセージ動画を上映するなど工夫すると、
コミュニケーションが深まり、退職者と良好な人間関係を築きやすくなります。
B退職手続きを行う退職日に円満退職できるように、退職手続きを行います。
雇用契約を正式に解除するため、退職する社員に貸していた備品を返却してもらいます。
会社側は給与や賞与を精算して支払い、
健康保険・厚生年金被保険者資格喪失届を渡します。
■ オフボーディングを行う際のポイント・退職することを否定しない
・転職を最大限サポートする
・普段から面談する習慣をつくる
■ まとめオフボーディングとは、社員が会社を辞めるときに円満退職できるようにサポートすること。
雇用の流動性が高まり、退職者を社外人的資源と捉える動きが出てきたことから
オフボーディングが注目を浴びるようになりました。
先に挙げた、オフボーディングの方法は、以前から通常行われていることです。
しかし、最近は、それさえも拒否したいという思いを抱く社員も出ているようです。
先輩社員が気持ちよく退職していったなどの例があると(SNSで共有している)、
安心して退職することができるでしょう。
このように、今や退職する社員に対しても配慮する必要が出てきました。
そして、そもそも職場内の人間関係、
ことに上司とメンバーたちの人間関係が良いことが前提になるでしょう。
あなたは、部下から信頼されていますか?
このことから考える必要があるようです。