職場の風通しをよくする方法
コミュケーション研修をしていると、
「職場の風通しが良くない」といった声を耳にすることがあります。
概ね、中堅クラスから。
あるいは、「風通しの良い職場をつくるべき」だといった意見も出てきます。
一般的に言って、不祥事や事故が発生した職場、
あるいはメンタル疾病が多い職場、
退職者が多い職場は、
「風通しの悪い職場」であると、指摘されることは多いものです。
そうした状況でなくても、
自分の職場は「風通しが悪い」と感じている社員もいるでしょう。
今日は、理想の職場「風通しの良い職場」について考えてみたいと思います。
■ 風通しの良い職場とは「風通しの良い職場」とは、
一般的には、
メンバーがお互いを尊重し合い、
円滑なコミュニケーションが行われていて、
信頼関係も構築されている職場である、
といえるでしょう。
また、「職場の心理的安全性」にもつながりますが、
「相談や質問がしやすい職場」、「活発なあいさつや会話が行われる職場」、
「お互いに感謝の気持ちをもっている職場」であるともいえます。
最近の例でいうと、部下が上司の顔色をうかがわなくてもネガティブ情報を
気兼ねなく伝えられる、あるいは指摘できるという状況は重要なことです。
「ちょっとおかしい」、「法令違反のようだ」、「下請けに過度に負担をかけている」
と気がついても、上司に言えない職場は、まさに「風通しの悪い職場」であるといえます。
また、上司同士がいがみあっていたり、
他部門とコミュニケーションがとれておらず対立が続いているといった状態も、
「風通しが良い」とはいえないでしょう。
また、次のような指摘もあります。
・転職者の4割以上が、前職では「オープンに話す雰囲気がなかった」と回答。
・転職者が新しい職場を選ぶうえで「心理的安全性を重要視する」と回答した人が8割。
自分に置き換えて考えても、
大企業で高収入だとしても「風通しの悪い職場」を選ぶよりは、
中小企業で賃金はある程度低くなったとしても「風通しの良い会社」を選ぶでしょうね。
たぶん・・・。
■ 風通しの良い職場にするための方法では、風通しの良い職場にするためにはどうしたらいいでしょう?
1.あいさつの励行まず、風通しが良い職場を目指すには、あいさつの励行から始めましょう。
朝出社したら、お互い目をあわせて元気よく「おはよう」と言い合うことを
習慣にしたいものです。
★注意点
この施策は、まずトップ自らが社員に積極的に「おはよう」とあいさつをすることが肝要。
トップが取り組んでいることなら、社員の進んで実践するはずです。
逆に、トップ自らあいさつせずに、社員に挨拶励行を指示するのは・・・?
2.雑談しやすい場を作る仕事が忙しいと、社員同士は業務だけの関わりになってしまいます。
そこで、社員の雑談が生まれるような場を作るといいですね。
たとえば、カフェスペースや、おやつの時間を設けるなど。
このような場があることで、業務のちょっとした相談や、業務以外の雑談につながります。
イノベーションを生むアイディアは、何気ない雑談から生まれることもあるといわれています。
所属する部署以外の人と関わる機会も、積極的に作っていくことも必要です。
情報交換の効果もあります。
★注意点
雑談ばかりしていては仕事に支障が出る場合があるでしょう。
そのため、雑談の時間を決めておくとか、カフェスペースを利用できる時間を決めておくことも
いいですね。
また、雑談がほかの社員にとってうるさく感じる可能性もあるでしょう。
そうした場合は、カフェスペースを離れた場所に設置するといった工夫も必要です。
3.社員同士の交流イベントを開催する社員同士の価値観や人となりを知るために、公式・非公式でイベントを開催する方法もあります。
イベントの例として、運動会・飲み会・誕生日会・取引先や地域住民も含めた交流会など。
昨今では、職場のメンバーが勤務時間外に集まることを受け容れないメンバーもいます。
そこで、「社員の誕生日を教え合う(くれぐれも月日のみで、年はのぞく)」といったような、
社員同士の話題となるきっかけを提供する方法もいいかもしれません。
★注意点
社内行事に社員を強制的に参加させると、労働に該当し、
賃金の支払い対象になる可能性もあるので注意が必要。
詳しくは、人事部や社会保険労務士などの専門家に相談しましょう。
4.チャットツールを活用する業務コミュニケーションツールをチャットツールに切り替え、
さらにチャットツール上に雑談ができるチャンネルを作るという企業もあるようです。
そうした雑談チャンネルでは、業務以外のテーマとして、
社員が趣味で行っている活動などが投稿され、反応もスタンプで返していました。
社員同士が直接会って話す機会が減っても、それぞれの人柄を知ることができる場として
機能しています。
★注意点
チャットツールは気軽に連絡が取れるというメリットがある一方で、
労働時間以外にもメッセージの受信通知が来てしまうなど、
プライベートと仕事の領域が曖昧になるというデメリットが指摘されています。
使用する時間などの運用ルールを定めておくとよいでしょう。
■ おわりにあなたの職場は「風通しの良い職場」ですか?
あなたの部下たちは、自部署の風通しが良い、と思っているでしょうか?
今一度、自職場の風通しについて、考えてみることもいいでしょう。
そのうえで、できることからやってみることをお勧めします。
部下のアイデアを聞いてみるのも一考です。