部下をほめよう!
研修講師を担当していると、
風通しがよくて協力関係もできている部署もあれば、そうでない部署もあります。
また、上司に対し尊敬し信頼している部下もいれば、
反面教師として反発している部下もいます。
組織運営が難しい時代ですが、そんな中でも部下のやる気を引き出すのは上司の役目。
部下のやる気を引き出す方法の一つが、「部下をほめる」ことです。
誰しも、ほめられて悪い気はしないでしょう。
私自身も、ほめられると、うれしくなります。
今日は、「部下のほめ方」について考えてみましょう。
■ 「ほめる」は部下の承認欲求を満たす
承認欲求は、人の根源的な欲求の1つ。
ここ数年、注目されている概念ですね。
人はほめられると、脳内にドーパミン(快楽物質)が分泌され、
脳が直接的に快楽を感じるといわれています。
つまり、部下をほめることは、部下ががんばったことへの報酬となり、
「次もがんばろう!」という挑戦意欲につながります。
優秀なマネジャーはこの承認欲求を理解し、
「ほめる」をうまく使って部下の動機づけをしているといわれています。
とはいえ、部下をほめようと考えても、
「ほめるポイントが見つからない」というマネジャーも多くいます。
そんなときは、ほめる(称賛)だけでなく、承認(認める)を理解するといいでしょう。
■ ほめ方の種類・・・ほめる(称賛)と承認(認める)
称賛とは、ほめたたえること。
行為や行為の成果が素晴らしいものであるとたたえること。
一方、承認とは、良いことを良いと認めること。
誰かと比較して素晴らしいかどうかと考えるのではなく、
良いと感じたことを素直に良いと伝えれば良いのです。
承認欲求とは、他者から認められたいという欲求。
良いことを良いと認める「承認」にも、ほめるのと同じ効果があります。
■ 承認の5段階
@ 結果承認・・・成果や結果を認める
A プロセス承認・・・仕事の過程(プロセス)を認める
B 行動承認・・・望ましい行動を認める
C 意識承認・・・意識や取り組み姿勢を認める
D 存在承認・・・存在自体を認める
@からDの順番で承認レベルを下げていくと、
承認できるポイントを見つけやすくなります。
それでは、詳しく見ていきましょう。
1.結果承認・・・成果や結果を認める
・仕事の結果(目標達成、受注、プロジェクト完遂)をほめる、労う
・成長(技術的、精神的)を伝える
・仕事の出来栄えを伝える
・成果への貢献度を伝える、感謝する
2.プロセス承認・・・仕事の過程(プロセス)を認める
・仕事の進め方、段取りをほめる
・思考プロセス(考え方)が良いと伝える
・途中経過が順調であることを伝える
・結果には繋がらなかったが、それまでの良い仕事ぶりを認める
3.行動承認・・・望ましい行動を認める
・良い行動をほめる
・仕事ぶりを伝える
・行動に共感する
・貢献行動への感謝する
・模範となる行動を他メンバーに紹介する
4.意識承認・・・意識や取り組み姿勢を認める
・問題意識や着眼点を認める
・挑戦心や変化させようとする姿勢を認める
・他者への気遣いや配慮を認める
5.存在承認・・・存在自体を認める
・信頼を伝える、存在に感謝する
・仕事を任せる(裁量、権限を与える)
・相談する、意見を求める
・周囲からの評判を伝える
・他者に紹介する
■ おわりに
「ほめるポイントが見つからない」という場合、
部下の良いところを良いと認める「承認」なら、できそうですね。
良いところを見つけるためには、日ごろの観察がとても重要です。
よく観察して、部下の良いところを伝えてあげてください。
これまで承認していなかったマネジャーから承認されると、
最初は部下は戸惑うでしょう。
下心があるとか、裏があるとか…。
それにめげずに、自然体で承認の言葉をかけることで、
部下のモチベーションはあがり、チームワークにもつながること間違いなしです!!
今日から、実践してみませんか?