最近の若手社員の傾向とは?
4月も中半。
そろそろ新入社員研修も終わり、新入社員が職場に配属される会社もあるでしょう。
あるいは、ゴールデンウイークの後かも。
いずれにしても、最近の若手社員、新入社員の指導について、
ちょいと心配だと思っている方、多いのでは?
コロナ禍などで採用を手控えて、久々に新人が入ってくるので、
どう指導したらいいのか分からない、などの声も耳にします。
時代は変わり続け、世代によって価値観や仕事への考え方が異なり、
指導の仕方のみならず、コミュニケーションの取り方についても
工夫が必要だといわれています。
そこで、最近の若手社員の傾向について、調べてみました。
様々な情報、指摘がある中、研修講師をしている私として、まとめてみました。
■ 最近の若手社員の意識1.会社や組織のためよりも、社会・世の中、自分のために働きたい20代は他の世代よりも「人や社会の役に立つために働きたい」と考える割合が多く、
かつ自身のスキルアップや成長に対しても意欲的。
若手社員は、テレワーク等で組織やチームメンバーとの繋がりを感じにくくなっており、
仕事を個人的なものとして捉える感覚が従来よりも強まっている。
・・・つまり、まずは会社の存在意義、そして組織や仕事の意義や意味を
明確にすることが大事ですね。
そして、チームワークの大切さや意義も伝えられるといいですね。
2.失敗は避けたいが、成長意欲が低いわけではない最近の新入社員の79.0%が「失敗したくない」と回答しており、
他世代と比較して高い。
一方、自身の成長やキャリアアップに繋がることを重要視し、
自己研鑽も積極的に行っている。
その背景として、コロナ禍以降、自宅で一人で過ごす時間が増えたことや、
生まれ育った時代がずっと不景気続きであり、将来的な不安からという点がある。
ここで注意したいのが、人事担当者や職場の上司、先輩は、
「失敗を恐れずに挑戦することが若手社員にとっての成長につながる」
という考えを持っている人が多いという点。
一方、若手社員は「成長したいし学ぶ意欲もあるが、失敗はできるだけ避けたい」
と考えてる。
・・・つまり、上司や先輩は失敗が若手社員の成長に繋がると考え、
若手社員にむやみに失敗するよう仕向けることは、
若手社員のモチベーションを削ぐことになるので注意が必要。
3.一社にとらわれない意識が強く、自分なりの働き方を模索する20代は他年代と比べて転職に対するイメージがポジティブに変化しており、
「転職を積極的にしていくほうがよい」と捉えている。
とはいえ、20代で実際に転職する若手社員が増加しているわけではない。
すぐに転職という決断をするのではなく、
自分らしい働き方を情報収集しながら模索して、
タイミングが合えば転職をする可能性が高いといえる。
・・・企業によっては若手社員の転職を想定内のこととし、
そのうえで自社での活躍とキャリアアップに基づく指導育成をしているところもあるようです。
若手社員をはじめ、社員の多くが「転職あり」と考える時代です。
会社も、人事も、上司もそのことを念頭に育成する必要がありますね。
・・・あなたの部下も? いやあなた自身も?
4.情報処理能力やサーチ力が高い反面、周囲を巻き込むことは苦手若手社員は、「デジタルネイティブ世代」とも言われ、
物心ついたころからパソコンやスマートフォン、インターネットなどに触れる機会が多く、
分からないことがあったらまずはネットで検索することが当たり前。
そのため、膨大な情報からキーワードを抽出し、正解を見つけ出すことは得意であり、
自分一人で何とか正解を探そうという意識が強い。
一方、若手社員の77.7%が他人からの評価が気になり、
他人からどう思われているのかを気にする傾向がある。
従って、上司や先輩に対し、助けを求めることが苦手だったり、
報連相ができなかったりするなど、周囲を巻き込むことへの苦手意識が強い。
・・・リサーチ力の強さを強みとして生かし、
一方で他メンバーとの話し合いによってより有効な回答が見いだせたり、
リサーチだけではわからない考え方があることを知らせておくことが必要ですね。
自分の偏った見方で進めていく可能性もありますから。
なお、スマートフォン依存に拍車がかかっており、
休憩時間も他者とのコミュニケーションを図らず、
じっとスマートフォンの画面を見続けているという傾向が強いこともあるようです。
ある企業では、休憩中のスマホ禁止指導もあるとか。
休憩中の同僚との雑談の意義も伝えておくといいですね。
5.その他@受け身の傾向がある令和の新入社員には、自発的に行動するよりも相手からのアクションを待つ傾向がある。
そのため仕事においても指示されるのを待ってから動くことが多い。
人よりも目立たないようにし、周囲を気にし過ぎるあまり、
余計なことをしないように、言われた範囲だけをしている可能性もある。
・・・新入社員時代は、上司や先輩は細かく指示を出すことが多くなりますが、
それが続くと新入社員の自発性を削ぐことにもなるので要注意です。
➁心を開く人の範囲が狭い自分の本心を話せる人の範囲が狭いのも新入社員の傾向。
SNSの影響で他の人と違う意見を述べると目立ってしまうため、
苦手な人や意見の異なる人とのコミュニケーションを避ける傾向がある。
・・・ビジネスシーンでは意見の異なる人や苦手な人ともコミュニケーションをとって
仕事を進める必要があります。
苦手な人とのコミュニケーションの意義を伝えておくことが必要です。
➂プレッシャーに弱い新入社員の世代には間違ってはいけないという思い込みから、
自分に強いプレッシャーをかけてしまう傾向がある。
育ってきた社会の状況や学校教育などからの影響を受けているのではないか
と考えられている。
・・・この点も、初めからあまり過度な期待をかけることなく、
都度フォローしていくといいでしょう。
C強い承認欲求を持っているZ世代は、自分を認めてくれるのが当然と考える傾向がある。
SNSに投稿すると「いいね」と承認されると、さらに認められたいという欲求が高まる。
そのため承認されたいという気持ちが強いことも新入社員の特徴。
人に認められるために頑張るけれど、認められないと働く意欲を失いがちになることも。
・・・この承認欲求が満たされないと不満を抱えやすくなるという点には注意が必要です。
日頃から、細かな成長や努力を観察し、都度、認める声掛けが大事ですね。
D報連相に苦手意識を持っている報告・連絡・相談に苦手意識を持つ新入社員が増えている。
他人からどう思われているのかを気にし、
「つまらないことを言っている」と思われたり、間違えていたらどうしようなどと、
考え過ぎてしまう傾向がある。
また報連相をしないで、検索して情報を集め、独りよがりで仕事を進めることも。
・・・報連相の意義やメリットを新人に伝えるとともに、
報連相がしやすい雰囲気づくりも大事ですね。
■ おわりに以上、特徴をあげてみました。
もちろん、すべてのことがすべての新入社員に当てはまる訳ではなく、
個人によってさまざまです。
いずれにしても、
仕事や会社に対する価値観が変わってきていることを押さえておいて、
新入社員が早く職場に溶け込み、楽しく仕事ができ、仕事で成長を実感できるように
気配りを続けることが大切ではないでしょうか。