2023年03月20日

賃上げは嬉しいことだけど


賃上げは嬉しいけど、他の満足感も必要

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このところの物価上昇などを踏まえ、賃金を上げる企業が増えています。
いまのところ、大手企業が報道されていますが、御社はいかが?

社員にとっては、すごく嬉しいことですよね。
なんだかワクワクしますし、仕事へのやる気も上がる、というもの。

そこで思い出すのが、仕事に対する満足要因と不満要因という有名な理論です。
これは、
米国の臨床心理学者フレデリック・ハーズバーグが提唱した「二要因理論」なるもの。


■ 二要因理論「衛生要因と動機付け要因」

ハーズバーグは、
業務に対する不満をもたらす要因と満足をもたらす要因は異なるとし、
不満をもたらす要因を「衛生要因」、
満足をもたらす要因を「動機づけ要因」と定義しました。

・動機付け要因
仕事の満足に関わるのは、「達成すること」「承認されること」「仕事そのもの」
「責任」「昇進」など。
これらが満たされると満足感を覚えるが、
欠けていても職務不満足を引き起こすわけではないとされる。

・衛生要因
仕事の不満足に関わるのは「会社の政策や管理方式」「監督」「給与」「対人関係」
「作業条件」「職場環境」など。
これらが不足すると職務不満足を引き起こす。
とはいえ、満たしたからといっても満足感につながるわけではない。
単に不満足を予防する意味しか持たないとされる。


■ まとめ

ハーズバーグは、このように仕事に対する満足と不満足をもたらす要因は異なっており、
不満足の原因(衛生要因)に働きかけて職場の不満を取り除いても、
真の動機づけにはならない。
動機づけ要因への働きかけが重要であると指摘し、
「職務充実=動機づけ要因」の必要性を説いています。

したがって、賃金を上げたとしても、
喜びやモチベーションアップは一過性のものであって、
その高くなった賃金が当たり前となり、
その後さらに高い賃金を望むようになるでしょう。

モチベーション・マネジメントの観点からは最低限、衛生要因を満たすのが必須の条件として、
その上で動機づけ要因を満たすように、
仕事の与え方や業績評価お仕方を工夫する必要があるということになります。

なおハーズバーグは、「職場の人間関係」を衛生要件に位置づけていますが、
関係性を大切にする私たち日本人にとって、職場の人間関係は非常に重要であり、
職場の人間関係がモチベーションアップの要因となっています。


■ おわりに

確かに、「人間関係」は重要ですね。
いま注目のWBC日本選手団も、
チーム内の関係をよくする工夫を先輩選手が率先してやっていますね。

今回、賃金が上がって社員は喜んでいるでしょう。
けれど、それ(衛星要因の改善)に加えて、
動機づけ要因にも再注目する必要がありますね。


posted by suzumura at 10:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 働きやすい職場づくり