自分の距離感と相手の距離感を知ろう
以前の研修で、受講者から「自分は距離感が近い方なので・・・」との発言がありました。
おお、自分の距離感を理解しているのって、素晴らしい!
精神的な意味での距離感とは、
「人との関係の中で、相手に対する気持ちの上での隔たり」のこと。
職場では、関係する人々との距離感が遠すぎて近すぎてもうまくいきません。
「職場の良好なコミュニケーションの鍵は距離感である」とも言われています。
ということで、今日は、職場における距離感を考えてみましょう。
■ 距離感が遠すぎる場合、近すぎる場合出典:「アドラーに学ぶ職場のコミュニケーションの心理学」2015小倉広著 日経BP
1.距離感が遠すぎる距離感が遠すぎるとは、たとえば、相手の言動を「違うな」と感じていても、
そのまま受け入れたり、黙ったり、引き下がってしまうことです。
また、相手や周りを気遣って、遠慮している場合も、距
離感が遠すぎることが原因です。
会社や相手、組織にとって利益にならないこと、建設的でないことに対しては、
きっぱりと伝えることが大事です。
また、疎外されている、孤立していると感じてしまうことも、
距離感が遠すぎる場合です。
そんなときは、自分から自己開示して距離を縮めていくといいでしょう。
2.距離感が近すぎる職場で相手との距離感が近すぎると、人間関係がうまくいかなくなる場合があります。
例えば、自分の意見や思いを押し付けたり、世話を焼き過ぎたり、
相手の中に入り込み過ぎたりすることです。
職場での近すぎる距離感の例として、
「わかってもらって当然」と一方的に伝達するだけであったり、
「知っていて当たり前」「できて当たり前」と期待しすぎている場合があります。
また、自分で相手の問題を自分で背負ってしまうことも近すぎる距離感でしょう。
例えば、相手にきつく当たってしまい、相手が落ち込んでいるのを見て、
それが気になって気になってしかたがなくなる。
また、相手の人格を否定するような言動も、距離感が近すぎる場合に起こりやすく、
これは避けるべきでしょう。
■ ほどよい距離感職場のコミュニケーション、つまり人間関係で難しいのが、距離感といえるでしょう。
距離が近すぎれば自分の領域が侵害されますので息苦しくなり、
つぶされるような状況に置かれることもあるでしょう。
一方、距離が遠すぎると疎外され孤立していると感じてしまいます。
職場においては、相手との距離が近すぎても遠すぎてもうまくいきません。
また、近い遠いを感じる距離は、人それぞれ。
ウェットな付き合いを好む人もいれば、ドライな付き合いを好む人もいることも、
覚えておいた方がいいですね。
■ おわりに今日はここまで。
マネジャーとして職場運営における「距離感」のポイントは、
1.職場で距離感が遠すぎると感じる部下がいたら・・・
その人には、自分から自己開示して距離を縮め、孤立感を防ぐ。
あるいは、遠慮しているように映る場合は、本人の意見が言いやすい状況を作る。
2.職場での距離感が近すぎると感じる部下がいたら・・・
人によって距離感が異なることを説明し、
相手に入り込みすぎると相手の負担になることを伝える。
人格否定をする場合は、相手を傷つけることを伝える。
今日は、職場のメンバーの距離感を客観的に観察してみてもいいでしょう。
明日は、自分がどのような「距離感」を持っているのかを、確認してみたいと思います。
ちなみに、自己開示しますが、
私は、完全に「距離感が遠いタイプ」、一匹オオカミタイプです。
群れることは好みません。
良いにしろ、悪いにしろ、ではありますが。