2020年03月13日

ほどほどなら緊張感もストレスも必要


適度なストレスは仕事の満足度を高める

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以下はドイツの著名な哲学者「ショーペンハウアー」の名言です。
「船荷のない船は不安定でまっすぐ進めない。
一定量の心配や苦痛は、いつも、誰にでも必要である」

確かに。納得です。

これは、
先日もアップした「鈴木拓著 科学的な適職」で紹介されています。

「この名言は楽すぎる仕事が体に悪い理由の一端を示している。
ストレスは必ずしも悪いものではなく、
私たちが幸福に暮らすためには欠かせない要素だ」
とあります。

アメリカの軍事リサーチを行う「ランド研究所」の
研究結果をあげています。


■ 適度なストレスがもたらす3つのメリット

・仕事の満足度を高める
・会社へのコミットメントを改善する
・離職率を低下させる


・・・ちなみに、「鈴木祐著『科学的な適職』」では、
すべてのテーマについて、大学や研究所などの研究データに
基づいて執筆されているので、納得できます。
よく、調べたなあ・・・

ということで
「ほどほどのストレスであれば何の問題もないどころか、
逆に幸福感を高めてくれる
としています。

そうなんですね。
ほどほどのストレスは人間が幸福に生きるために必要なのですね。
では、この理論を部下への仕事の与え方で考えてみます。


■ 部下への仕事の与え方

「科学的な適職」では
「あまりにも自分の能力を超えた仕事は不安につながり、
健康を損なう。
逆に何の負荷もない仕事は退屈感を生み、やはり幸福度の低下をもたらす」

「いわばストレスが私たちにもたらすメリットとは
バイオリンの弦のようなもの。
弦がピンと張りつめすぎれば甲高い音しか響かず、
ゆるすぎれば濁った音しか鳴らない。
良い音を奏でるには、適度な張りに調整する必要がある」

ここで思い出すのが、
人材開発や組織開発の第一人者である中原淳先生の著書、
「フィードバック」(2017年)PHPビジネス新書です。

ここでは、部下育成のための仕事の与え方について
3つの心理空間を説明しています。


■ 部下の3つの心理的空間

簡単に言うと、
与えられた仕事に対する部下の心理状態には3つのゾーン
「コンフォートゾーン」「パニックゾーン」
「ストレッチゾーン」あるというのです。

・「コンフォートゾーン(快適空間)」
文字通り、何のストレスもない、心理的安全の支配する空間。
この空間にいる部下は未知のものに出会うこともなく、挑戦もない。
裏返して言えば、この空間では「学習」は起こらない。
日常のオペレーションやルーティンがそこを支配し、
生活は、昨日のように今日も流れていくという状態。

鈴木祐氏の説によれば、
このコンフォートゾーンにいるとストレスをまったく感じることがなく、
結局、幸福度は低下する、
ということでしょう。

・「パニックゾーン(混乱空間)」
未知のものに出会う頻度や対処の難しさ・複雑さが格段にあがり、
学習者はいわばカオスに投げ込まれたようなものといえる。
高い不確実性、高い不透明性が眼前に広がっている状態。

そこでは「失敗するリスク」が高すぎて「恐怖」が支配し、
とても冷静になることはできず、学ぶこともできない。
あるのは、ただただ「パニック」のみ。

・・・このように本人の能力を大きく超えるような仕事は
パニックを起こさせ、
ストレスも倍増するという訳です。
身体も心ももちませんね。
(今のコロナ状態がそうかも・・・)

・「ストレッチゾーン(背伸び空間)」
学習者が様々な未知のものに出会い、
それへの適応や対処を求められる空間。
「ストレッチ」という言葉の示すとおり、学習者には「挑戦」が求められ、
かつ、失敗するリスクも生まれる。
しかし「挑戦」や「失敗」を裏返して言えば、
そこには「学び」があるということ。

・・・私流に考えれば、部下の満足度や幸福度、成長を考えるなら、
その人に負荷をかけるような仕事、
ちょっと努力が必要な仕事を与えるべき、といえるでしょう。

この空間は、
「Growth Zone(成長空間)」「Learning Zone(学習空間)」とも呼ばれ、
適度なストレスがあれば、仕事への満足度も高まるといえます。

「鈴木祐」氏の、ほどほどのストレスのある仕事、状態ですね。


■ おわりに

部下に仕事を任せるとき、
その部下の能力よりちょっとレベルの高い仕事、
負荷を感じるような業務を与えることで、
部下は成長し、かつ幸福感、満足感を与えることができる、
という訳です。

世の中には「楽な仕事がいい」と主張する人もいますが、
実は幸福感は低下し、かつ成長や向上も望めないといえます。

そんな人、まわりにいませんか?
あなたは大丈夫?

逆に、人手不足の昨今、負荷の多すぎる仕事を任せていませんか?
部下がストレスフルになる前に、イッパイイッパイになる前に、
気づいて手を打つことが必要ですね。

とはいえ、今回の「新型コロナウィルス」で
仕事が激減しているという話をアチコチで耳にします。
このような非常事態でのマ的確なネジメントも必要ですね。



posted by suzumura at 06:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 働きやすい職場づくり